東京農大との連携教育で観察・調査してまとめる力を養う…明星

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 明星中学校・高等学校(東京都府中市)は、「グローバルサイエンスクラス」の生徒を対象に、東京農業大学の進化生物学研究所と連携して高度な実験・観察を行う「特別理科研修」を実施している。この研修の目的とその成果について、理科担当の山崎仁博(やまざきよしひろ)先生と、研修に参加した生徒たちに話を聞いた。

進化生物学研究所で原猿やバオバブの木を観察

「自ら新しいものに触れ、探求する姿勢を養ってほしい」と話す山崎先生
「自ら新しいものに触れ、探求する姿勢を養ってほしい」と話す山崎先生

 同校は2016年度から中学・高校共に、難関大学合格を目指す特進クラス「グローバルサイエンス(Meisei Global Science=MGS)」クラスを設けており、英語教育や理数教育に重点を置いたカリキュラムを実施している。理科教育では実験・観察を重視しているのが特長で、五つの理科実験室を使って中1から高1までの4年間に100回以上の実験を行っている。

 このMGSが昨年度から行っているのが、東京農業大学進化生物学研究所と連携しての特別理科研修だ。15年度から校長を務める畠山武先生が東京農大出身であることから実現した。理科担当の山崎仁博先生は、特別理科研修発足の背景についてこう語る。「理科、特に生物の分野で高度な校外フィールドワークを行うのは容易なことではありません。幸い、充実した設備で生物の進化に関する先進的な研究を行っている東京農大進化生物学研究所の協力を得ることができ、連携教育が実現しました」

特別理科研修で作製したメダカの透明骨格標本
特別理科研修で作製したメダカの透明骨格標本

 今年度の特別理科研修にはMGSクラスの中3生約30人参加した。研修が行われるのは1学期の間に4回。同研究所の展示温室バイオリウムや標本庫などを見学し、メダカの観察・生態実験・透明骨格標本の作製や観察を行い、さらに「原猿」「植物」「魚類」「昆虫」の4分野に分かれて班別研修を行った。

 山崎先生によると、研究所ではマダガスカルの原猿類を10匹以上飼育しているという。原猿はキツネザルなど原始的特性を持つ猿で、「原猿」班はこの猿たちにエサをやったり、進化の進んだ真猿との違いを観察したりしたという。また、研究所の温室内にはマダガスカルのバオバブの木や世界各地から集められたサボテンがあり、「植物」班はそれらを観察。「昆虫」班は膨大な標本を見学しながら虫の体の作りを観察し、「魚類」班は、水槽の魚を観察しながら、捕食するもの・されるものの関係などを調べたという。

「やはり本物に触れることは大切」と刺激受ける生徒たち

 「原猿」班には、中3MGSクラスの動物好きな生徒たちが集まった。「猿を自分で抱くことができたのがうれしかったですね。人懐っこくて、人間を警戒しないんです。オスよりもメスの方が積極的だということにも気が付きました」と、荻野夏帆(おぎのかほ)さんは話す。同じく「原猿」班の関本陸(せきもとりく)君は、「猿の骨の標本を見て、真猿と原猿では目の位置が違うことが分かりました。やはり本物に触れることは大切だと感じました」と話した。

研究所の温室内にある植物を観察する「植物」班
研究所の温室内にある植物を観察する「植物」班

 「植物」班に参加した瀬戸航之(せとかずゆき)君は、バオバブの木について「植物の光合成は普通、葉で行うものですが、マダガスカルは気温が高いので葉が落ちる乾期にも木がエネルギーを蓄える必要があり、葉ではなく木の幹の中で光合成が行われるのです」と、そのユニークさに驚いていた。田口皆実(たぐちみなみ)さんは、「一口にサボテンと言っても、地域によって全く形状が異なります。生きる環境によって育ち方が変わってくるのですね。生物の進化や植物の生態について、もっと知りたいと思うようになりました」と、サボテンの多様性に興味をそそられたようだ。

 生徒たちは観察中に自分で撮った写真を活用して、研修後にそれぞれiPadでポートフォリオを作成した。同校では中学3年以上の生徒は全員iPadを持ち、授業や学校生活で活用している。プレゼンテーション資料を作成したり、動画編集を行ったりする技術も身に付けており、部活動の様子を撮影した動画を文化祭で公開するなどしているそうだ。

 MGSは特進クラスではあるが、荻野さんはバスケットボール部、関本君はバレー部、瀬戸君は卓球部、田口さんは硬式テニス部で、それぞれ部長または副部長を務め、「文武両道」の充実した学校生活を送っている。特別理科研修の感想を聞いている合間にも、「二つの体育館、武道館、テニスコートや陸上競技用のトラックなどがあり、運動部が活動しやすい環境です」「高校の先輩たちと強いつながりがあり、困ったことがあると相談できる」など、自分たちが感じている学校の良さについて生き生きと語るのが印象的だった。

 「連携教育は、観察、調査によって新しい知識を吸収し、それを整理してまとめるという、本校が重視する体験教育の良き実践の場となりました。研究所の第一線の研究員たちの深い知識に触れることができたのも大きな成果です。この研修をきっかけに、生徒たちには、自ら新しいものに触れ、探求する姿勢を養ってほしいと考えています」と山崎先生は期待を込めた。

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:明星中学校・高等学校)

 明星中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載禁止
988170 0 明星中学校・高等学校 2020/01/08 05:22:00 2020/01/08 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200107-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

参考画像
100円割引
参考画像
5000円以上お買上で5%OFF(マイカーで御来店のお客様のみ、特価品、食料品は除く)

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ