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【特集】改革5年目、着実に成長「見える学力」「見えない学力」…明星

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 明星中学校・高等学校(東京都府中市)は、2016年度から「21世紀社会(グローバル社会、高度情報化社会)に対応した活躍力を身につけよう」という教育ビジョンを掲げ、多くの改革を進めてきた。すでにその成果は、大学合格実績の向上などの面で目に見えて表れてきているという。今春、校長に就任した福本眞也校長に改革5年目の手応えを聞いた。

多くの校外学習を通して「見えない学力」を伸ばす

「『見える学力』と『見えない学力』の両方を育てることが必要」と語る福本校長
「『見える学力』と『見えない学力』の両方を育てることが必要」と語る福本校長

 同校は「自律心を持った自立した人の育成」を教育目標とし、2016年度には「21世紀社会(グローバル社会、高度情報化社会)に対応した活躍力を身につけよう」という教育ビジョンを打ち出し、改革を進めてきた。福本校長は、「グローバル化や高度情報化がさらに進み、より複雑になっていく社会に対応する力を育てると同時に、自ら課題を見つけ、解決できる力の基礎を固めていきたいと考えています」とその目的を語る。

 「そのためには試験の点数や偏差値で測れる『見える学力』と、思考力、判断力、汎用(はんよう)的言語能力といった『見えない学力』の両方を育てることが必要です」と、福本校長は語る。「二つの力が合わさることで人間力が生まれ、入試突破力も強くなります」

 「『見える学力』は授業を始めとする校内の学習機会を通じて養われますが、『見えない学力』を身に付けるには、生徒を外の世界に連れ出し、たくさんの校外体験を積むことが大切です。これは当校の教育方針『実践躬行(きゅうこう)の体験教育』にも通じます。口だけでなく、実際にやってみることから学ぶのです」

アメリカ人のダンサーやシンガーとミュージカルを作り上げる「ヤングアメリカンズ」
アメリカ人のダンサーやシンガーとミュージカルを作り上げる「ヤングアメリカンズ」

 こうした考えに基づいて、同校はさまざまな分野で校外学習の場を用意している。生徒が自ら企業にアポイントをとって職場見学に訪れるキャリア学習や、SDGs(持続可能な開発目標)推進の一環として、アジア新興国の社会問題の解決に挑む15か月間の探究学習と海外研修旅行を実施している。また、フィリピン・セブ島への語学留学、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学を訪れる「ボストンリーダーシッププログラム」などの海外研修、さらに、アメリカ人のダンサーやシンガーと共に、3日間でミュージカルを作り上げて発表するワークショップ「ヤングアメリカンズ」など、多様なグローバル教育が展開されている。

 「教員がなんでもかんでも手をかけすぎると、生徒は成長しません。教育は『良質の受動と右往左往の能動』です。生徒は優れた授業を受けるだけでなく、自分たちで考えて行動し、あちこちぶつかりながら右往左往してこそ成長し、精神年齢も上がります。そうすることで『見えない学力』だけでなく『見える学力』も伸びていきます」

生徒主体の学校行事を経験して「自律心」を養う

生徒会と実行委員を中心に開催される体育祭(昨年撮影)
生徒会と実行委員を中心に開催される体育祭(昨年撮影)

 校外学習だけでなく、生徒主体で行う学校行事も「見えない学力」を養い、「自律心を持った自立した人」に成長するための機会になっているという。昨年の体育祭も、教員はサポート役にまわり、生徒会と体育祭実行委員が中心となって開催した。福本校長は、「閉会式の校歌斉唱では、これまでにないほど生徒の歌声が大きく、驚きました。これは、生徒の中で『やらされている感』がなくなり、『自分たちの力でやり切った』という満足感の表れだと思います」と話す。

 こうした生徒主体の学校行事をリードする生徒会の役員選挙は例年6月に行われるが、今年度はコロナ禍による休校のため、3か月遅れの9月となった。取材に訪れた9月14日、新役員たちの話を聞いた。

 新生徒会長の吉川明寛君(高2)は、中学生の時から生徒会に所属して活躍してきた。「昨年は副会長として、初めて文化祭の後夜祭を実現することができました。今年は文化祭なども、これまでと違う形になりますが、前例を変えられる時期でもあります。『いつもと違う』ことをプラスに考え、コロナ対策を踏まえつつ、新しいイベントをつくっていきたいと思います」

文化祭も生徒主体で行われる(昨年撮影)
文化祭も生徒主体で行われる(昨年撮影)

 新副会長の山岡道成君(高2)は今年から生徒会に参加する。「副会長として、会長の案に賛同できるところは賛同し、賛同できないところは躊躇(ちゅうちょ)せず意見を言って、生徒全員が楽しめ、学園全体が盛り上がれるイベントを企画したいと思います」

 生徒会担当の加藤寛章教諭は、「生徒たちは、我々教員には考えつかないアイデアを生み出します。彼らの若いアイデアで、さまざまなルールをクリアしつつ、生徒全員が参加して楽しめるものを作り上げてほしいですね。そして、生徒たちから発信されるエネルギーを、もっともっと大きくしていってほしいと思います」と期待する。

「見える学力」を伸ばし、入試突破力を高める

 同校は「見えない学力」だけでなく、「見える学力」を向上させるための工夫も欠かしてはいない。進路指導について福本校長は、「進路指導を生徒まかせ、親まかせ、塾まかせにする学校も多いですが、本校は『生徒がどんな大学に行き、どんな職業に就きたい』と考えているのか。そして、そのためには、どのように学習をするべきか、一人一人の特性と希望進路に合わせて、きめ細かく指導します」と話す。

 来年度は中1~高1までの4年間、クラス替えを行わず、理系と文系が混合した少人数のクラスを設け、中高一貫のメリットを生かしたクラスをつくる予定だという。

 このように「見える学力」と「見えない学力」を育てることに注力し始めて3年を越え、大学合格実績(既卒生を含む)は大きく伸びている。合格者数を見ると、2017年度入試では、国公立大8人、早・慶・上・理3人だったのに対し、今春は20人、26人となった。

 卒業生の中には自らの手で進路を切り開いた生徒も多い。ボランティア活動に熱心だった生徒は、フードドライブを企画して台風19号の被災地に食料などの寄付を行い、立教大学のコミュニティ福祉学部に自己推薦で合格した。また、部活動にはないグラススキーで世界大会に出場した生徒は、東京理科大学に指定校推薦で合格した。さらに「ヤングアメリカンズ」を経験したあと、それまで苦手だった英語を一生懸命に勉強し、アメリカの「ヤングアメリカンズ」本部の門を(たた)いた生徒もいるという。

 福本校長は、「体育祭は苦手だが、文化祭で力を発揮する生徒もいれば、数学や国語は苦手でも、絵を描くことで生き生きと活躍できる生徒もいる。今後も生徒を外の世界に連れ出し、さまざまな体験を通して、一人一人が自分の強みに気付く機会をたくさんつくっていきたいと思います」と語った。

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート)

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1674929 0 明星中学校・高等学校 2020/12/09 06:00:00 2020/12/09 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201204-OYT8I50040-T.jpg?type=thumbnail

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