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授業改革が支える新しい人間教育…聖徳大女子

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 聖徳大学附属女子中学校・高等学校(千葉県松戸市)は5月27日、今年度初めての学校説明会を開いた。説明会の取材を通して、人間性と礼法を土台として学力向上を目指す同校の教育を紹介するとともに、「1人1台iPad」を合言葉に2015年から始まった授業改革の成果を、学習指導を統括する大野正文教頭に聞いた。

学校生活を通して人間性を育む

授業改革の成果について語る大野正文教頭
授業改革の成果について語る大野正文教頭

 説明会では、まず川並芳純校長が学校生活や教育の特色について紹介した。特に多くの時間を割いて説明したのは、人間性を培う学校生活についてだ。この人間性という土台があって初めて学力が育まれるというのが、聖徳大女子の考え方だという。

 学園の建学の精神である「和」は、聖徳太子の十七条憲法の中にうたわれている「和を(もっ)て貴しとなす」から取られている。この「和」の精神を具体的に言い換えると「思いやる力(礼節)・かなえる力(知育)・助け合う力(勤労)」になるという。

 川並校長によると、「思いやる力(礼節)」を育てるうえで、同校の大きな特徴になっているのは「小笠原流礼法」を教育に取り入れていることだ。中高の6年間を通じて週に1時間、「礼法」の授業があり、基礎から伝統的な礼儀作法を身に付ける。教員も生徒の模範となるよう、全員が小笠原流礼法のプログラムを受講することになっている。

 昼食の取り方も特徴的だ、食事の場は「食堂(じきどう)」と呼んでいる。ここに全生徒と教員約900人が一堂に会して食事を取る。同校では「会食」と呼んでいて、コミュニケーションを図り、学んだ礼法にのっとったマナーを実践する大切な時間だ。

 食器は有田焼を使う。メニューは一汁二菜の和食が中心で、聖徳大学の人間栄養学部が、中高生の成長に配慮して様々なレシピを作成してくれる。日本の伝統食も積極的に取り入れているそうだ。

「思いやる力(礼節)」を育てる「小笠原流礼法」
「思いやる力(礼節)」を育てる「小笠原流礼法」

 このほかの学校行事も全般に「人との付き合い方を学び、互いの長所を見いだす機会」と位置づけられている。部活動や学年、クラスを超えた行事は生徒同士の絆を育む場となる。特に6月のクラス対抗「全校合唱祭」や9月の文化祭「聖徳祭」、10月の体育祭などビッグイベントでは、入賞を目指して学校全体が熱を帯びる。ときには練習でぶつかり合うこともあるが、「その先に団結が生まれます」と、川並校長は集まった保護者らに生徒の心の成長を請け合った。

 校長の語る「団結」の象徴と言えるのが、同校体育祭の名物「10人11脚レース」だ。この競技は、中1から高3までの全校縦割りチームで競われる。背丈も歩幅も違う10人がレースで息を合わせるのは並大抵ではないはずだが、これを可能にする秘密がある。各チームの構成は即席ではなく、校内清掃などで一緒に活動している縦割りユニット「友和班」がベースになっている。各班は常日頃、先輩と後輩との信頼、協調の習慣を身に付けている。日々の積み重ねがあるからこそ、ぴったりと息を合わせて走っていけるのだ。

「小さな山を積み重ね、ゆっくりと高みへ」

 人間性をいかに育むかを語った川並校長は、次いで同校の教育の特徴を、「小さな山をたくさん積み重ね、ゆっくりと高みへ登る」と、端的に表現した。続いて登壇した大野教頭も、この言葉をかみくだくように「真の学力育成のための学習指導」を説明した。

(1)基礎的・基本的な知識・技能

(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力など

(3)主体的に学習に取り組む態度

 これら「学力の3要素」が時代に求められていることや、読む・書く・聞く・話すの「英語4技能」を高める同校の取り組みを紹介しつつ、大野教頭が強調したのは「これらの力は、基礎・基本の徹底の上に育まれます」ということだった。

 2015年以来、同校が進めている授業改革を貫く方針は、川並校長の言葉に集約されている。

 日常の学習はまさに基礎・基本の徹底だ。学習内容を確実に定着させるため、週に何度も科目ごとの小テストを行っている。

中学英語劇コンテスト
中学英語劇コンテスト

 また、授業やグループワーク、職場体験、各種行事などに関連した発表の機会を数多く設け、獲得した知識を活用して「自分の考えを自分らしく」表現することを学ぶ。中3生は夏休みに東京・代々木のオリンピックセンターに3泊する「グローバルキャンプ」に参加する。劇団の指導で自己表現の練習を行ったり、街に出て外国人観光客にインタビューをしたり、実際のコミュニケーションを意識したプログラムをこなしている。

 定評のある英語教育も、何より英語に触れる機会を増やすことに力点が置かれている。通常の1.8倍に及ぶ授業時間をはじめ、英語劇コンテストやオーストラリア修学旅行、英国語学研修など、関連行事が充実している。ネイティブの英語講師は体育、音楽などの実技授業や会食の時間にも参加し、生徒と英語で交流を行っている。

 説明会で英語スピーチを披露した中3の渡邉新菜さんは、オーストラリア修学旅行を振り返り、「ホストファミリーに“Don’t be shy”と励まされた」「ジェスチャーや単語で意外と通じた。もっとうまくしゃべりたい」などと3分ほど、よどみない発音でスピーチ。英語教育の結実をうかがわせた。

iPad活用で生徒が主導する授業も

 説明会の後、授業改革を後押しする「1人1台iPad」によるICT活用が、現在、どんな変化を生んでいるかについて、大野教頭に聞いた。

 iPadとICTの活用によって、授業風景は大きく変わる。文字入力や描画ができる「カード」機能などを使って生徒が書き記した答えを、Wi-Fiを通して瞬時に集め、教室のモニターや各自の端末に表示し、共有できる。配布・回収の手間が省ける上、各生徒の到達度やクラス全体の理解度を素早く把握でき、「50分の授業を70分の内容にできる」という。

 生徒自身が個々にプレゼンテーション用資料を作れるし、体育や礼法、書道などの授業にも動画の録画・再生機能は大活躍だ。「生徒たちはデジタル機器に慣れているし、覚えるのも早い。問題なく使えています」

 iPadの活用については、2020年の大学入試改革を踏まえて5年ほど前から具体策を練り上げ、2015年度から導入を開始した。「使いながら活用法を考えるとムダが多い。本校はあらかじめ考え抜いてから導入したので、試行錯誤がありませんでした」

 ICT授業がもたらした、まったく予想外の変化もあった。教員が生徒に知識を教えるのではなく、生徒が調べて発表し、教員が聴くという形が教室に生まれてきたというのだ。

 「従来の授業は、知識を高速で出し入れする訓練でした。しかし、自分で調べて発表するとなると、一方的に教わるよりも知識が身になるのです。これからの授業は生徒のディスカッションが主になり、教員の役割はサポートやアドバイスが主になるかもしれません」

持ち前の礼儀に加えて主体性も

英国で行われる語学研修
英国で行われる語学研修

 また、生徒たちの行動にも変化が見られるようになってきたという。礼節や思いやりの心に、主体性が加わったというのが大野教頭の感触だ。

 海外から視察グループが来校した時のこと、彼らがスリッパを履いていないことに、ある生徒が気づいた。この生徒は英語で彼らに話しかけ、クラスメートとともに階下の昇降口に行って人数分のスリッパをそろえ、履くように勧めたという。

 進学の面でも具体的な成果が表れ始めている。2017年の入試では、特進クラスの43人中、のべ29人が国公立大および難関私大に合格した。ここ数年は理系への進学も増加傾向にある。

 「以前は、礼儀正しいけれどおとなしい生徒が多かった。今は、彼女たちが世界で活躍する姿がリアルに想像できます」と、大野教頭。これからの社会が求める人間教育に、同校はいち早く近づきつつあるようだ。

(文・写真:上田大朗 一部写真:聖徳大学附属女子中学校・高等学校提供)

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200946 0 光英VERITAS中学校・高等学校 2017/07/13 05:20:00 2017/07/13 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20170706-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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