光り輝く次世代のリーダー育成を目指して…ヴェリタス

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 聖徳大学附属女子中学校・高等学校(千葉県松戸市)は、来年度から共学中高一貫校となり、校名を「光英VERITAS中学校・高等学校」と改める。新校名に込めた思いや、共学化の意味、これからの教育構想などについて川並芳純校長に聞いた。

共学化で学習スタイルの多様化を図る

 ――共学化、校名変更を行う理由は何ですか。

「本当の楽しさは、真剣と全力の向こうにある」と話す川並校長
「本当の楽しさは、真剣と全力の向こうにある」と話す川並校長

 系列の幼稚園と小学校が共学のため、男子児童の保護者からも「中・高も共学化してほしい」という要望が出ていました。ただ、設立以来の女子教育の歴史や聖徳大学付属という位置付けがあり、簡単には踏み切れませんでした。

 ――それを来年度実行することになったのはなぜですか。

 最も大きな要因は、聖徳大学の附属校としての進路に加え、多様な進路選択をする生徒が急激に増えてきたことです。十数年前は、7~8割が聖徳大学へ進学していました。しかし、現在は2割程度になり、大半が他の大学へ進学するようになりました。これは進学校への変革の努力が結実したからだとも言えます。2015年度から学び方改革とICT環境の整備を進め、独自の探究型学習やグローバル教育も立ち上げました。さらにルーブリックによる到達度評価を導入することで、難関大や海外の大学を含む多様な進路を実現できる教育の仕組みが整いました。

 加えて共学とすることで、学習スタイルの多様化を図りたいと考えています。コツコツ勉強して日々向上に努め、高い頂に到達する生徒もいれば、スロースターターで途中から急激に伸びる生徒もいます。また、とがった飛躍的な発想力を発揮する生徒もいれば、理論的に論理を組み立てて考える生徒もいます。共学化により、学び方の自由度が広がり、学びの質が上がることを期待しています。

校名のラテン語は不変の意味を持つ「真理」

 ――新しい校名にはどのような意味がありますか。

 中学・高校時代は人生の基礎作りの時期です。自分が大きく変わる6年間です。「本校でこのように育ってほしい」という願いを校名に込めました。

 「光」は、生徒一人一人が個人として光り輝くのみならず、周囲の人々や社会をも輝かせる人であってほしいという願いからです。「英」には、次世代のリーダーという意味合いを込めました。英知、英雄、英才の「英」。もちろん世界言語の「英語」も踏まえています。一つ強調したいのは、私たちが言う「リーダー」とは「上に立つ人」ではなく、「前を行く人」だということです。しっかりした核となる人間性に、自分なりのとがった才能をさまざまに育て、友達や学校、社会を引っ張る、そういうリーダーのイメージです。

 ――ラテン語の「VERITAS(真理)」を入れたのはなぜですか。

 真理の探究を通して一人一人の学ぶ力を大きく伸ばしていこう、という考えからです。ラテン語を選んだのは、それが学術用語として使われ、時代が変わっても意味の変化が少ない言葉だからです。学校名に不変の意味を加えようと思いました。そしてその中でも、欧米人には比較的ポピュラーな「Optima est veritas(真理こそ最上である)」という文言を採用したいと思いました。

 新しい校章にもこだわりました。ダイヤモンドをかたどり、「生徒は皆ダイヤの原石であり、磨いて光らない生徒はいない」という思いを込めています。

 ――建学の精神である「和」は、そのまま引き継ぐのですか。

 本校の前提であることに変わりはありません。ただし、時代を踏まえた再解釈を加えました。本校の「和」は聖徳太子の十七条憲法冒頭の「和を以て貴しとなす」を踏まえ、人と人、個人と社会、人と自然などの調和を意味しています。ただ、世間では「和」を「付和雷同」のイメージで捉える向きもあります。自分の考えを持たず、ただ周りに合わせようとすることは私たちが考える「和」とは異なります。そこで今回、「和」に一人一人の個性、尊厳を大切にするという意味を込めた補足の文言を加えました。「独自性を発揮し、協力し合うことで共に成長する人間となる」。これが光英VERITASの「和」の精神です。

小笠原流礼法・探究型学習・ICT教育が基盤

 ――共学校としてスタートするにあたって、どのような教育を構想していますか。

探究学習で卵の孵化(ふか)について調べる生徒
探究学習で卵の孵化(ふか)について調べる生徒

 人間教育のベースとして「小笠原流礼法」を履修します。先に申し上げた、人の核となるような人間性、つまり「思いやり」や「感謝」の心を身に付け、日本文化のあり方を学ぶ。小笠原流は武士の作法が由来なので、男子にも親和性があるでしょう。そこに新たに、国際的な儀礼やマナーも取り入れます。

 さらに、この数年で強化してきた「探究型学習」と「ICT教育」を進化させて学習のインフラとします。これまでの探究型学習は、授業ごと、テーマごとに完結していましたが、今後は各単元や各教科を結びつけ、知ることが次の「知りたい」気持ちを呼び起こす、もしくはある教科で学んだことが他の教科に生きていくようなカリキュラムを構想しています。さまざまな学びを巻き込みながら探究のサイクルを回し、一周ごとに一段上の探究に進むイメージで、「トルネード(竜巻)・ラーニング」と呼んでいます。

 ICTについては、1人1台iPadと全館Wi-Fi環境をベースに、50分間で70分間に匹敵する授業を追求してきました。それに加えて力を入れたいのは、一人一人の習熟度や関心に応じて瞬時に教材を提示できるオンライン教育の強みです。学校の授業は電車の車両のようなもので、皆同じタイミングで同じ内容を学び、一緒に進んでいくのが基本でした。ですが実際は、どんどん先取りして学びたい生徒や、ゆっくり学ぶのが向いている生徒がいます。オンライン学習なら、そうした個人差への対応が容易です。既に英会話やオンライン学習サービス「スタディサプリ」でこうした学習を導入しています。

生徒個々の学習ペースに合わせた対応ができるオンライン学習
生徒個々の学習ペースに合わせた対応ができるオンライン学習

 「小笠原流礼法」「探究型学習」「ICT教育」、この三つを基盤に、主にサイエンスとグローバル分野の教育を強化します。サイエンス教育については、中学では化学を重視した授業カリキュラムにします。この科目は基礎知識の積み上げが重要なため、時間をかけて着実に登っていきたい。授業では、実験や実習の充実を図ります。ICTによる効率化で、そうした時間が確保できると考えます。さらに、東京理科大学と連携し、大学生に放課後学習やサイエンス系部活をサポートしてもらったり、大学の研究イベントに参加したりすることを考えています。本来は既に実施している時期ですが、コロナ休校のためにやや遅れてしまいました。できるだけ早期の開始を目指しています。

 また、これまで進めてきたグローバル教育についても、英語の授業やオンライン英会話、洋書の多読などを「トルネード」の考え方で相互に結びつけていきたいと考えています。国内外の英語行事にも力を入れます。

オーストラリア修学旅行に参加する生徒たち
オーストラリア修学旅行に参加する生徒たち

 中学では、ネイティブを相手に英語を実践する国内留学的なプログラムとして、2泊3日の合宿で理科実験やゲームなどを英語で行う「Super Fun English Program」、外国人への街頭インタビューや劇団によるワークショップを通して英会話力や非言語コミュニケーション能力を磨く「Global Explorer Project」、東京グローバルゲートウェイでの英語体験などを行います。

 海外プログラムでは、中2のオーストラリア修学旅行をはじめ、中・高にかけての語学研修やターム留学、国際教育交流団体AFSによる1年留学など、さまざまに充実させていきます。こうした学びを通して、これからの社会で生き抜くために必要な自律力、共感力、コミュニケーション力、自己省察力、論理的思考力、発想・構想力、協働力という七つのコンピテンシーを育てます。

 ――共学校としてのスタートに期待している受験生や保護者にメッセージはありますか。

 「本当の楽しさは、真剣と全力の向こうにある」というのが私の考え方。そうした意味で楽しさあふれる学校を、生徒とともに作っていきたいと思っています。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート 一部写真提供:光英VERITAS中学校・高等学校)

 光英VERITAS中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1449834 0 光英VERITAS中学校・高等学校 2020/09/03 05:21:00 2020/09/03 14:23:16 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200902-OYT8I50024-T.jpg?type=thumbnail

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