全国の学会で研究発表、活躍する理科学部…横須賀学院

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 横須賀学院高等学校(神奈川県横須賀市)の理科学部は、独自のテーマで自主的に研究を進め、その成果を各地の学会で活発に発表している。学会に参加して一般の研究者たちと研究成果を発表し合うことを通じ、理系の研究者としての基礎を着実に固めているという。理科学部顧問の鈴木眞吾先生と前部長森住太一(もりずみたいち)君に、日ごろの活動とその成果について聞いた。

「発光細菌」の研究でジュニア農芸化学会銅賞

理科学部顧問の鈴木眞吾先生
理科学部顧問の鈴木眞吾先生

 横須賀学院中学高等学校の「理科学部」には、現在約30人の部員が所属し、それぞれが独自のテーマを持って研究に取り組んでいる。

 今回、インタビューした前部長の森住太一君(高3)は、小学生の頃から理科に興味を持ち、「将来は理科の道に進みたい」と考えていたそうだ。小学校6年生のときには「年齢による味覚の違い」を自由研究のテーマに選び、家族に食塩水をなめてもらって塩味をどれだけ強く感じるか、両親の世代と自分たち子供の世代の違いを比較したという。

 横須賀学院中学に進んで理科学部に入部。中3年生のときに、神奈川大学主催の大会で「宇宙エレベーター」の模型作りにチャレンジしたという。

 その森住君が高校時代に部の中心になって進めてきたのは、「発光細菌」の研究だ。

ジュニア農芸化学会でのポスター発表
ジュニア農芸化学会でのポスター発表

 「発光細菌は、自ら光を発する細菌で、海にいるイカの表面によく付着しています。私たちは、これをさまざまな条件下で培養し、どういった条件で最もよく発光するかを観察しています。例えば、重金属を多く含む環境下では発光が確認されないといった現象があり、これによって発光細菌が環境測定に役立つということが分かるのです」

 森住君はこの研究を上級生から受け継ぎ、既に3年間続けてきた。「発光細菌を初めて見たときは、小さい生物が自ら光を放つ様子に、本当に感動しました。一般にはなじみがないものだと思えるかもしれせんが、例えばチョウチンアンコウは、この発光細菌が付着していることにより光を放っているのです」

環境微生物系学会合同大会のために作製したポスター
環境微生物系学会合同大会のために作製したポスター

 発光細菌の研究を行っている研究者の数は日本ではそう多いわけではなく、特に高校生では珍しい。森住君たちは2017年、山形県や慶応大学先端生命科学研究所などの主催する「高校生バイオサミット in 鶴岡」、東北大学の研究者らが主催する「環境微生物系学会合同大会」、日本農芸化学会が主催する「ジュニア農芸化学会」の名古屋大会など、全国の高校生が集まる学会に参加して研究成果を発表した。特に「ジュニア農芸化学会」では「発光細菌の(あか)りで本を読むために~より明るく光る培地条件の検討~」というテーマのポスター発表を行い、銅賞を受賞している。

 「高校生が学会に参加するという活動は、最近顕著になってきています。ただし、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール指定校や理数科を置いている高校からの参加が多く、私たちのように、一般の学校のクラブ活動として参加している例は少ないようです。こうして継続的に参加して賞をもらうことができるのも、熱心に活動を続けている部員たちの努力の賜物(たまもの)です」と、顧問の鈴木眞吾先生は話す。

学会発表の準備も部活動の一部

氷を溶かす早さを競う「氷解かし大会」
氷を溶かす早さを競う「氷解かし大会」

 学会発表に参加する準備は、まず、大判の紙に自分たちの研究内容をまとめたポスターを作成することから始まる。さらに、壇上で発表を行うための原稿をまとめる。当日は審査員からの質問に自分たちで答えなければならないため、さまざまな想定を準備する。これらについて、鈴木先生はサポートを行うのみで、すべて生徒たちが自分たちの考えで進めているという。

 「これまで先輩たちが学会に参加してきた実績があり、学会参加はすでに、自分たちの活動の一部となっています。『環境微生物系学会合同大会』は一般の研究者の方々も参加する国際学会で、海外の専門家の発表を聞くこともでき、大変刺激を受けました」と森住君は話す。理科学部は1年に2、3回、この学会に参加する。中には1泊2日の泊まりがけで出かけていくこともあるそうだ。

 また、学会参加のほか、「一定の高さから生卵を落としても割れないように、紙のプロテクターを作る」という「エッグドロップ甲子園」(東京大学ほか主催)や、「限られた時間の中でできるだけ早く氷を解かす方法」を発見する「氷融かし大会」(化学工学会関東支部主催)などさまざまなイベントに出場し、好成績を収めている。

研究発表のノウハウ、大学で生かしたい

 「理科の活動は、実験を重ねてもなかなか思うような結果が出ないこともあり、運動部などのように努力すればその分成果が得られるというものではありません。そんな中、学会やイベントに参加して評価を得られることで、生徒の間に目標が生まれ、モチベーションが高まります。最近は私たち理科学部の活動が注目され、学会から参加の要請を受けることもあります。これからも、機会があればできるだけ出かけていきたいと考えています」と、鈴木先生は話す。

 高3の森住君は、部の後輩に研究をゆだねて卒業していくことになるが、大学では医学部に進み、細菌の研究も続けたいという。「理科学部の活動を通して、どういったスケジュールで研究を進め、成果をどのように発表すればよいかというノウハウを得ることができました。『結果が出るまであきらめない』という努力が大切なのだということも学びました。ここで得られた経験を、大学で生かしていきたいと思っています」

 (文・写真:足立恵子 写真提供:横須賀学院中学高等学校)

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55129 0 横須賀学院中学高等学校 2019/01/04 05:20:00 2019/01/04 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181220-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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