二つの生活・学習ツールで主体的な姿勢を育む…実践学園

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 実践学園中学・高等学校(東京都中野区)は、「手帳」や「自主学習ノート」を生活管理や学習のツールとして活用し、生徒の主体性を養っている。いずれも生徒自身がスケジュールや自分の課題、学習内容などを決めて取り組むことが特長で、生徒たちは教員のサポートを受けながら、だんだん自己管理ができるようになるという。それぞれの狙いや活用法、成果について聞いた。

「自主学習ノート」で自ら学ぶ姿勢を身に付ける

「自主学習ノートで、自ら学ぶ姿勢が身に付く」と話す松本真理子教諭
「自主学習ノートで、自ら学ぶ姿勢が身に付く」と話す松本真理子教諭

 同校は20年ほど前から中学全学年で「自主学習ノート」の活用に取り組んでいる。主体的に学ぶ姿勢を養うことが目的で、生徒各自がA4サイズのノートを用意し、自分で決めた学習内容を一日1ページ以上書き込んで提出する。苦手科目を克服したり、得意科目を伸ばしたりする勉強に使ってもいいし、試験対策や調べ学習に使ってもいい。

 中学部主任の松本真理子教諭は「学びたいことや自分に必要な勉強を生徒自身が考えて、学習内容を決めることがポイントです。毎日机に向かう習慣を付ける狙いもあります」と説明する。

 中1生は、週3回程度から始めて徐々に習慣化する。最初はまだ勉強の仕方をよく知らないため、調べ学習をしたり、教科ごとの学習プリントをやって貼りつけてきたりする生徒も多いという。

 生徒に成長が表れ始めるのは、「自主学習ノート」を毎日提出する中2以降からだという。小テストや定期考査を重ねていくうちに目的意識が生まれ、教科の学習をやることが増えてくる。漢字テストの前日には書き取りをやるなど、自分のためにノートを生かせるようになってくる。松本教諭は「不自然に大きな字で無理やり余白を埋めていたような子が、自分なりに考えて今日はこれをやろうと決めて勉強するようになる。大きな成長です」と誇らしげに話す。また、実用英語技能検定や実用数学技能検定など、検定対策に利用している生徒も多いという。

「自主学習ノート」には先生からのコメントやスタンプも
「自主学習ノート」には先生からのコメントやスタンプも

 担任教諭は1冊ずつ丁寧にスタンプやシール、コメントなどを加えて戻したり、熱心な生徒を表彰し、出来のいいページは掲示したりして、モチベーションを高める工夫を凝らしている。生徒も、評価や褒め言葉が欲しくて頑張る。

 また、ノートを毎日確認することで、「最近身が入ってないようだ」「やる気が出てきた」など意欲の波が分かるメリットもある。悩みを書いてくる子もいるので、教員と生徒のコミュニケーションツールとしての役割も果たしている。

 保護者の対応が学習成果に大きく影響することもある。松本教諭が以前担任したクラスには、母親のサポートで大きく学力を伸ばした生徒がいたという。入学時は指名補習を受けるほど下位の成績だったが、中2から毎日「自主学習ノート」を使い、英語と数学を集中的に勉強したことで学力が向上した。高校では成績上位者が進む「特別進学コース」で学び、4年制大学に進学した。「お母さんが毎日ノートを見て頑張りを認めてあげたことが、モチベーションになったのだと思います」

「手帳」で自己管理に必要な視点を養う

考査評価表を貼りつけた「手帳」
考査評価表を貼りつけた「手帳」

 自己管理ツールとしての「手帳」は4、5年前に導入した。4月に始まって1年間使えるスケジュール帳で、中1から高3まで6学年全員に持たせ、日常生活や学習の管理に役立たせている。

 この「手帳」は、同校で以前から活用してきた2種類の学習管理用のシートを発展させたものだ。一つは、定期考査2週間前から使う「学習計画表」で、もう一つは各教科の目標点や実際の点数、反省点、次回の目標などを記入する「考査評価表」。これらを使うと、試験までの日数をカウントダウンしたり、具体的な目標を定めて学習計画を作ったりすることができ、試験勉強に役立ってきた。「手帳」は、これらに加えてToDoリストや今週の目標、学習時間などを記入する欄が設けてあり、見開きで1週間分のスケジュールが分かる作りになっている。

 「手帳」は、週1回提出させる。書き込む項目が多いので、中1生には全項目を埋めるのは難しい。そこで、最初は起床と就寝の時間だけ書き、慣れてきたら学習予定も書くという具合に、段階的に活用を進めていく。松本教諭は「予定の確認と記録の振り返りの両方ができるのが良いところ。自己管理にはどちらも大切ですが、まだ幼い中学生にとっては、まず記録することで自分を知る意味が大きいと思います」と話す。

 中学生のうちに「手帳」の必要性を理解できる生徒は少なく、書くこと自体が目的になってしまいがちだというが、クラブ活動もあって忙しい生徒たちにとって、日頃のタスク管理やスケジュール管理は欠かせない。「最初から使いこなせなくてもいい。早いうちに始めれば毎日使う習慣が付くし、自己管理に必要な視点が分かる。そこに意味があります」と松本教諭は説明する。

 「自主学習ノート」同様に「手帳」も、主体的に活用させるためにはフィードバックや声掛けといったフォローが必要だ。重視するのは自己管理のツールとして「役立てようとしているか」という点だ。書くだけで満足してしまわないよう、勉強が好きな教科に偏っていることを指摘したり、忘れ物があったら事前に書いておいたか確認したりして、「手帳」が失敗の予防や学習面に役立つことを気付かせるよう、教諭たちは腐心している。

 まだ6年間を通して利用した学年はないため、大学受験への「手帳」の効果は分からないが、松本教諭は「高校生になると学習内容が難しくなって、より計画的な勉強が大事になってくる。学年を重ねるごとにその便利さに気付くようですから、きっと受験にも役立つのでは」と期待している。

「手帳」の活用で生活面も学習面も向上

「手帳」に1週間のスケジュールを記入する浦山さん
「手帳」に1週間のスケジュールを記入する浦山さん

 中2の浦山沙奈さんは、「手帳」の活用で生活面も学習面も変わったという。「入学したばかりの頃は、朝は起きられないし、忘れ物も多くて怒られてばかりでした」と振り返る。浦山さんはバレーボールの部活動が忙しくて家庭学習の時間が取れず、一時は成績がどんどん落ちていった。そこで1年の3学期から提出物や学習時間を「手帳」にしっかり書き、自己管理に真剣に取り組んだ結果、忘れ物は減り、成績も上がったという。

 「見返すことで勉強が足りない教科が分かるし、小テストなどの予定を見て対策できるようになりました。目標通りに勉強できたかを確認することで、勉強時間が増えたのが大きいと思います」。今では、毎晩寝る前に「手帳」を開くのが習慣になっているそうだ。

 浦山さんはもともと調べることが好きで、「自主学習ノート」は小テストや定期考査の対策、授業の復習に役立てているほか、さまざまな調べ学習にも利用している。上手にまとめられた時に、両親が褒めてくれるのが励みになっている。先生からのコメントも楽しみで、返却されたらすぐに開いて確認しているという。また、先生が「手帳」の誕生日の印に気付いて『おめでとう』と書いてくれた時も同様にうれしかったそうだ。

 「自主学習」「自己管理」というと、子供たちには高そうなハードルに見えるが、周りに見守る目があれば、十分チャレンジしていけるもののようだ。

 (文:佐々木志野 写真:中学受験サポート)

 実践学園中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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782288 0 実践学園中学・高等学校 2019/09/10 05:22:00 2019/09/10 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190906-OYT8I50020-T.jpg?type=thumbnail

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