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【特集】教師と生徒の二人三脚で「努力できる力」を育てる…帝京大中

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 帝京大学中学校・高等学校(東京都八王子市)は、早期の学習習慣確立と、少人数教育ならではの手厚いサポートで生徒の学力向上を図っている。なかでも入学直後の宿泊研修と中学3年間を通しての「朝講座」は、学校生活への心構えをつくり、大学受験に向けての学習習慣を定着させる大きな役目を担っている。柳田光弘高等学校教頭と、入試広報部主任の竹之内毅教諭に取り組みを聞いた。

少人数教育、面談が先生と生徒の距離を近くする

職員室前では、多くの生徒が先生に質問しに来ていた
職員室前では、多くの生徒が先生に質問しに来ていた

 中間テストも近い10月5日、同校を取材に訪れると、職員室前の廊下は、設置された机で先生に教えてもらう生徒や、ホワイトボードを前に先生に質問している生徒たちでごった返していた。見ている間にも次々と生徒たちが「〇〇先生いますか」と訪ねてくる。

 「なかには世間話をしに、わざわざ職員室に来る生徒もいます。生徒のすべてを受け入れるのが本校の伝統ですね」と柳田光弘高等学校教頭は話す。

 入試広報部主任の竹之内毅教諭は、「1クラス約30人で、高3までの6年間、担当する教員の多くが生徒と一緒に学年を上がっていきます。6年間続けて指導することが多いので、一緒に生活している気持ちになります」と話す。

 少人数教育であることに加えて面談が多いことも、先生と生徒の距離を近くする。中間テスト後や期末テスト前を中心に、個人面談を年間5、6回行うほか、夏には保護者との三者面談もある。それ以外にも心配な生徒には声をかけて個人面談を行う。学習や成績に関してアドバイスするだけでなく、学校生活の相談にも乗る。

 竹之内教諭は「生徒の学習の苦手分野や問題点、学校生活のトラブルを早めに見つけやすい学校です」と自負する。竹之内教諭自身、心配な生徒と1年で10回近く面談をしたことがあるという。「6年間、生徒を近くで見ていると、先生というより、身内のような気持ちになります」

 定期テスト前には学習計画表を配布し、生徒は全員、2週間前から学習計画を立てる。実際の学習状況も書き込んで、毎日、担任に提出する。担任は赤ペンで適切なアドバイスを与える。「英語ばかりやる、数学ばかりやる、または全然勉強していないなど、生徒の傾向が見えてくるので、軌道修正できるようにアドバイスします」

 これが中学の3年間、さらに学年やクラスによっては高校でも続く。こうした日々の積み重ねの中で、生徒と先生の距離は近くなる。それが職員室前で生徒がごった返す風景につながる。

 「褒めて伸びる生徒、叱って伸びる生徒、いろいろなタイプの生徒がいます。生徒と接する時間が長いので、それを見極めて声かけをしていきます」と柳田教頭は話す。「人間関係を築きながら指導していくので、卒業生がよく遊びに来ます。就職や結婚の報告、さらには子供を本校に入れたいという卒業生もいます。入学後に気に入って、きょうだいで通うご家庭も多いです」

手厚いサポートと学習習慣の確立

「生徒と先生の距離が近いのが本校の特長です」と話す柳田教頭
「生徒と先生の距離が近いのが本校の特長です」と話す柳田教頭

 同校は帝京大学の系列校だが、ほぼ全員が大学受験をするという。東京大学、東京工業大学、一橋大学を始めとする国公立大や難関私大にも多数の合格者を出している進学校だ。

 同校は入学後の6年間で学力を伸ばすことに重点を置く。卒業する時には「帝京大中高に入学したからこそ、第1志望の大学に合格できた」と感謝されることも少なくないという。

 入学後、学力を大きく伸ばすために同校が取り組んでいるのは、手厚いサポートと、早期からの徹底した学習習慣の確立だ。

 入学して最初に行う宿泊研修では、まず、学校生活への心構えを養う。「中学受験が済むと、燃え尽きて勉強がおろそかになってしまう生徒がいます。また、塾の勉強をメインにして、学校の勉強は手を抜いてきた子もいます。この研修では入学した今が本当のスタートであること、これまでの学習習慣を崩さず、学校の勉強を基本にすることがいかに大事かを伝えます」と柳田教頭は説明する。

 宿泊研修では、ドッジボール大会や、正解のない問いを一緒に解決するグループエンカウンターを応用したプログラムなどに取り組む。その中でクラスメートとの交流が深まり、学校生活への期待が膨らんでくる。研修の最終日に、全員に書かせる決意文には「しっかり人の話を聞く」「人間関係を大切にする」などの言葉が並び、これから始まる学校生活への心構えができたことが感じられるという。

「朝講座」でしっかり定着する学習習慣

「生徒の努力できる力を育てています」と話す竹之内教諭
「生徒の努力できる力を育てています」と話す竹之内教諭

 学習習慣の確立には、中学の「朝講座」が大きな役割を果たしているという。朝のホームルームの時間に、5~10分の小テストを行う。内容は曜日替わりで、漢字、英単語・英熟語、計算などだ。

 「漢字、英単語・英熟語、計算では、テスト範囲を指定してあるので、前日に30分から1時間勉強すれば、満点を取れるテストです。小さなハードルを作り、それを乗り越えていく積み重ねが、学習習慣の確立につながります」と竹之内教諭は説明する。合格点に満たない場合は、2日後の昼休みに再テストを受ける。合格するまで再テストを受けるか課題を提出するので、確実に力が付くようになっている。

 このほか、聴解力や書き取りにも取り組む。書き取りでは小倉百人一首や論語などの名文を書き写して優れた文章に親しみ、聴解力では日本語のCDを聴いて内容を正確に把握することで、国語の基礎を確立するという。

 同校は中高一貫の6年間を、中1・中2の「基礎学力育成期」、中3・高1の「思考力育成期」、高2・高3の「判断力・応用力育成期」と分ける。中1の2学期から英語と数学は習熟度別クラスとなり、中3で高1の範囲の勉強に入る。授業の進度は早いが、生徒はこの朝講座で身に付けた“基礎体力”と少人数授業ならではの手厚いサポートで乗り切っていく。

 高3になると、勉強は大学受験に直結してきて、個別指導も盛んに行われる。日本史を担当する柳田教頭は、「大学入試の論述問題の添削をしてほしいという生徒には、何度でも対応します。また、質問に来た生徒には逆に説明させて、生徒がどの程度理解できているか把握してから指導したりしています」と話す。こうした個別指導が各教科で頻繁に行われていて、生徒と先生は二人三脚で大学受験に臨むという。

 レベル別・少人数で行われる夏期講習も含め、夏休みや冬休みも、生徒は毎日、学校で勉強する。自習室や放課後の教室などを利用して下校時刻まで勉強している生徒が多いという。 竹之内教諭は「学校が本当の意味での勉強の場になっているのです」と説明する。「少人数で友人とのつながりが深いので、一緒にいる環境のほうが自然と勉強に身が入るのでしょう」

 「勉強だけでなく、クラブ活動や学校行事などもトータルで、生徒の努力できる力を育てています。その努力を積み重ねて、生徒たち自身が花を咲かせていくのです。卒業生から感謝の言葉をもらうとうれしいですね」と竹之内教諭はほほ笑んだ。

 「努力できる力」が役立つのは大学受験だけでない。人生を切り開く力として一生の宝になることだろう。

 (文・写真:小山美香)

 帝京大学中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1648179 0 帝京大学中学校・高等学校 2020/11/26 06:00:00 2020/11/26 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201120-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

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