「私立中学校フェア埼玉2019」開催…3800人が来場
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埼玉県内の私立中学校が一堂に会する「私立中学校フェア埼玉2019」が5月12日、さいたま市の大宮ソニックシティビルで開催された。参加31校の個別相談コーナーが設けられるとともに、学校紹介や模擬授業、部活紹介なども行われ、中学受験を考える約3800人の親子連れが来場した。
長い行列ができる個別相談コーナーも

「フェア」は、大宮ソニックシティビルの地下1階にある第1~5展示場と6階の会議室を使って行われた。
このうち地下1階の第1~3展示場には、参加した県内31校の個別相談ブースが設けられた。参加校の担当教員たちは開場時間の午前10時には、各ブースに待機し、次々訪れる相談者に対応。普段の学校生活や卒業後の進路、具体的な入試対策など、普段接する機会のない情報について、真剣に説明を聞いてはメモを取る親子連れの姿が目立った。
この日の来場者は約3800人に上り、人気校のブース前には相談者の長い行列ができていた。既に20分近く並んで順番を待っていた親子は、「学校の先生たちと直接接することで、学校の雰囲気を感じられるいい機会だと思って来ました。先ほどお話を聞いた別の学校からは、雰囲気がいいということと、いい意味での厳しさを持つ学校だということが伝わってきました。気になる学校をあと数校回って、子供に合った学校を検討したいです」と話した。
また、別の親子連れは、「まだ受験を考え始めたばかりで、今日は2校の先生方にお話を聞いたところですが、それぞれの校風がリアルに伝わってきました。今後の参考にします」と話した。
身近な題材で子供たちの興味を引きだす模擬授業

第4、第5展示場と6階の会議室では、各校の学校紹介コーナーが設けられ、模擬授業が行われるなど、来場者たちが各校の様子を一層深く体感できるスペースとなっていた。
大妻嵐山中学校(嵐山町)は、光の屈折の原理について考える実験教室を行った。まず、担当教諭が、大量の水分子を取り込むと水中では境界面が見えなくなる高吸水性ポリマーの性質について説明。次にゼリー状の粒になったポリマーが一杯に入った約30センチ四方の水槽に水を注いだ。その瞬間、今まで全く見えていなかったアヒルのマスコットが手品のようにパッと姿を現し、参加した小学生たちから「わっ」と歓声が上がった。今度は子供たち自身が実験する番だ。用意されたジャムの空き瓶に色のついた砂やビーズ、アヒルやアイスクリームなどのマスコットを入れてポリマーで満たし、最後に水を注いでマスコットの姿が現れると、次々に歓声が上がった。
狭山ヶ丘高等学校付属中学校(入間市)は、
城西川越中学校(川越市)は、「なぜホッキョクグマは他のクマより大きいのか?」をテーマに算数と生物を融合した模擬授業を行った。まず、世界各地のクマについて紹介した後、体積が大きいほど体表面積が少なくなるということを実際に計算して確認した。これによって大きいクマほど寒い地域に暮らすうえで有利となるという結論が出ると、子供たちはすっかり納得した様子だった。
城北埼玉中学校(川越市)はさまざまな部活の紹介を行った。少林寺拳法部の部員が迫力のある掛け声とともに演武を披露したほか、部活紹介のDVDが上映され、書道部の力強い印象の作品や鉄道研究部の

浦和実業学園中学校(さいたま市)は、「体験型の学校説明」を行った。サイエンス部の部員による研究成果の発表や空手道部の部員による演武、さらにウクレレの体験教室などもあった。同校の生徒は高校に進むと1年生でハワイ語学研修があるため、中学時代に音楽の授業でウクレレを習得する。参加者たちはネイティブの担当教諭の指導で、ビートルズの「イエローサブマリン」の演奏に挑戦していた。
また、この日は会場の受付近くに設けられた読売新聞ブースで、YC(読売新聞販売店)の協力により、読売KODOMO新聞と読売中高生新聞が各500部、無料で配布された。
(文・写真:山本華子)