主体的な学びを共有する発表イベント…市川

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 市川中学校・高等学校(千葉県市川市)は3月9日、生徒が学内外での幅広い学びの成果を発表する「Ichikawa Academic Day」を開催した。生徒たちは主体的にこの日の会を準備し、保護者や卒業生らが見守る中、口述とポスターで国内外の研修体験や学外コンテストの参加経験、クラブ活動の研究成果などを披露した。

口述とポスターで互いの体験や研究を共有する

メモを取りながら発表を見学する生徒
メモを取りながら発表を見学する生徒

 文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定されている同校は、年度末に「課題研究発表会」を行っており、保護者や卒業生、一般来場者も見学に訪れる。この会は午後の開催で、午前は空き時間となっていたので、せっかくの機会に、生徒が自身の体験や研究成果を発表できる場を設けたいと、2017年度から中・高合同の行事として「Ichikawa Academic Day」を開始した。

 発表方法は「口述発表」と「ポスター発表」の二つに分かれており、「口述発表」は680席を収容する同校の國枝記念国際ホールで行われる。今年度参加したのは1~5人からなる35グループ。参加グループは3部に分かれ、自分たちが作成したスライドを300インチの大型スクリーンに映しながらプレゼンテーションを行う。

 「ポスター発表」は、同校の古賀記念アリーナで行われる。午前と午後の2部制で計210グループが、関心を抱いて調べたさまざまなテーマをポスターにまとめ、アリーナ内に設置した9か所のボードに掲示した。発表者は自分たちのポスターの前に立ち、立ち寄った見学者に対して説明を行う。午後の部はSSHの課題研究発表と同時に行われた。

多様な発表内容が生徒の好奇心を刺激する

壇上で口述発表をする実行委員長の山本恭士君
壇上で口述発表をする実行委員長の山本恭士君

 「口述発表」の第1部では、中学1年から高校1年の生徒たちがステージに立った。テーマは、同校が行っているイギリスのケンブリッジ大学やイートン校での研修、官民協働の海外留学支援制度「トビタテ!留学Japan」を利用したケニアでの国際ボランティア、クラウドファンディングでスポンサーを募って国際ボランティアに訪れたタンザニアの現状といった海外体験もあれば、LGBTに関する調査、駆け込み乗車の解消法の研究などバリエーションに富んでいた。各グループは7分の発表時間をフルに生かし、プレゼンテーションに工夫を凝らしていた。

 「この目で見たタンザニアの今」をテーマに口述発表した高校1年の山本恭士君は、同じテーマで「ポスター発表」も掛け持ちしていた。山本君のポスター発表を聞いた中学1年の杉浦飛優吾君は、「ボランティアは学校の紹介で参加するイメージでしたが、自主的にオリジナルのボランティアに取り組むことは、すばらしい発想だと思いました」と感想を話した。

多くの見学者が集まるポスター発表
多くの見学者が集まるポスター発表

 「ポスター発表」の会場で、多くの見学者を集めていたのは、中学1年の木村望里さんと齋藤玲菜さんの「起業するには」という発表。木村さんは「起業にはお金がかかると思っていましたが、実際に調べてみると、何にどれくらいお金が必要か分かり、これからもお金の勉強をしたいと思いました」と話した。また、齋藤さんは「起業というと堅苦しいイメージでしたが、研究を通して学生起業に引かれました。今は勉強を頑張り、将来、好きな仕事に取り組みたいです」と笑顔を見せた。

 2人の発表を聞いた中1の川名美寧さんは、「友達が発表するので見に来ましたが、いろいろ調べていてすごいと思いました」と驚きの声を上げた。同じく中1の西村凛南さんは、「起業については考えたこともありませんでしたが、発表を聞いて興味が湧きました」と話した。

 なお、今回は「口述発表」の会場で、生徒が企画した第1回校内アイデアコンテスト「イチカラ!」も開催された。「毎日が楽しくなるような文房具を考えよ!」という課題に対して、参加した生徒たちは「スマートフォンと連動して勉強時間が計測できるペン」などの斬新なアイデアを、スライドを使いながらテレビコマーシャルのような演出でプレゼンテーションし、笑いを呼んでいた。

生徒が主体となって発表会を準備

見学者の興味を引くよう、iPadやぬいぐるみも用意
見学者の興味を引くよう、iPadやぬいぐるみも用意

 「Ichikawa Academic Day」を開催するにあたり、中3生と高1生からなる実行委員会が作られ、生徒たちは約30人の委員を中心に、事前準備や当日の見学者の誘導、舞台照明といったすべての作業に主体的に取り組んだ。

 たとえば、学年ごとに行う口述発表の見学に関して、中3生以降に体験する海外研修についての発表を中2生が見学できるようにプログラムの順序を調整したり、また、昨年は発表内容の質にバラつきがあったことを反省し、今年は実行委員が事前に内容をチェックして、質の向上を図ったりしたという。

 タンザニアについて発表した山本君は、自分の発表を準備しながら実行委員長としても活躍した。「準備段階では仕事の配分が難しかったのですが、作業を進めるうち、多くのスタッフに支えられていると感じました。この経験は、大学生や社会人になって何かを運営するときに役立つと思います」と話した。また、副実行委員長の坪井詩綺さんも「本校の教育理念の一つは、自分で自分を教育する『第三教育』ですが、今までは生徒同士が体験を共有し、知見を深めるイベントがありませんでした。これを機に意見を交換し、各自の学びを共有したいです」と話した。

 今回、生徒の活動を指導した高森俊弥教諭は「Ichikawa Academic Day」の意義をこう話す。「生徒が自身の体験や研究成果を他の生徒たちに話す場を提供することは重要です。例えば、先輩が話す経験を聞いて、海外研修にも多様な選択肢があることが分かり、参加したいという気持ちを起こすなど、生徒は時に、親や教師より友達や先輩の言葉に影響を受けるものです」と語る。

 「自分の話をきちんと聞いてもらいたい、ポスターに関心をもってもらいたいと試行錯誤した経験は、何らかの形で人生のエッセンスになるはずです」

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート)

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521678 0 市川中学校・高等学校 2019/04/08 05:21:00 2019/04/08 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/04/20190403-OYT8I50032-T.jpg?type=thumbnail

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