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【特集】グローバルと自問自答が育てる人間力…二松学舎柏

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 今年、中高一貫化6年目を迎えた二松學舍大学附属柏中学校・高等学校(千葉県柏市)。新時代の教育を見据えて昨年創設した「グローバルコース」の状況と、以前から取り組んでいる「自問自答」教育を中心に話を聞いた。

グローバルコース生の向上心に期待

グローバルコースの手応えを語る島田達彦副校長
グローバルコースの手応えを語る島田達彦副校長

 「異文化や多様な価値観を理解し、さまざまな局面を乗り越えるコミュニケーション能力を養う」という目標を掲げ、昨年度からスタートしたグローバルコース。今年度は11人の中1生を迎えた。島田達彦副校長は「おかげさまでコース志願者は増加傾向。1年間の成果を踏まえ、方向性も定まってきました」と語る。

 この1年、グローバルコースで学んできた生徒たちの印象については、「もともと相当な水準の学力ですが、皆『これじゃまだまだ』と思っている様子で、レベルが高い生徒に追いつこうという意識がとても強い。この意識がグローバルコースの伝統になればと、頼もしく思っています」

グローバルコース 四つの柱

 グローバルコースは、通常の授業に加えて週2日の7限目にネイティブ講師による英語授業を受講する。それに加え、四つのコンセプトに基づく多彩な学習活動が行われる。

 まず、調べ学習を中心とした「グローバル・プロジェクト二松」。1年生は「世界を知ろう」、2年生は「世界の中の日本を深めよう」、3年生は「世界に羽ばたこう」をテーマに、生徒ごとに課題を設定して調査や討論、プレゼンテーションを行う。発表の際は声のトーンや視線の配り方など、具体的なスキルにも重点を置く。

体験型プログラム「スペシャル・エクスペリエンス」の様子
体験型プログラム「スペシャル・エクスペリエンス」の様子

 二つめの柱は体験型プログラム「スペシャル・エクスペリエンス」。写真撮影や料理など、コミュニケーションに役立つスキルを英語で学ぶプログラムや、国際的に活躍する企業人を招いた講演会、さらにJICA(国際協力機構)や国連広報センターといった国際機関の訪問も予定している。

 さらに、コミュニケーション力を磨く「パワー・イングリッシュ・プログラム」。夏休みと冬休みに外部講師を招き、英語のみを使って1日過ごし、自己表現やプレゼンテーションのテクニック向上に取り組む。

 そして海外研修プログラム「スタディ・アブロード」。1年次は福島県にある中世イギリスの街を再現した研修施設「ブリティッシュヒルズ」に2泊3日し、英国文化と語学を学ぶ。2年、3年の夏休みではオーストラリアやカナダ、韓国・済州島のインターナショナルスクールでの2週間の研修旅行を予定。「さらに3年最後の春休みにもフィリピン・セブで研修を行います。この時期にできるのは中高一貫の強みですね」(島田副校長)

知識と思考を積み重ねる自問自答教育

「自問自答」教育について語る森寿直教諭
「自問自答」教育について語る森寿直教諭

 続いて、中学校学年主任の森寿直教諭に、二松學舎柏が長年取り組んでいる「自問自答」教育について聞いた。

 「英語はツールであって、重要なのは、自分が何を発信したいかということ。そのための思考力を鍛えるのが“自問自答”です」

 「自問自答力」を育むために、毎日行っている取り組みがいくつかあるという。

 まず、知識の充実を図る「時事問題の解説」。新聞3紙のコラムをA4用紙1枚にまとめて朝のホームルーム時に読む。「3紙を一度に読むことで、多様な見方に触れる効果も。3年続けると視野が大きく広がり、思考や発信のベースが形づくられます。また家庭の会話も増えるなどの利点もあるようです」

 下校前のホームルームで行う「1分間スピーチ」では、決められたテーマで発表を行い、他の生徒の感想や意見を交えて短時間討論することも。発表を前提とした知識の整理力や論理構築力が磨かれる。

 そして、自主的な家庭学習を習慣づける「365ノート」。課題は指定せず、自分が必要と思う内容を最低1ページ取り組む。授業の復習や英検対策、興味を持ったことの調べ学習などさまざま。自作の詩や小説を書く生徒もいるという。

 さらに、地元の手賀沼を題材にした総合学習や国内外への研修旅行、各種の見学や体験学習などを交え、知識のインプットと思考の訓練を継続的に行う。「それらのパーツが、ある時自分の中でつながり、学ぶ喜びを感じて自ら走り出します」

自問自答の集大成「探究論文」

「自問自答」スライドショーを用いた発表の様子
「自問自答」スライドショーを用いた発表の様子
「自問自答」教育の集大成「探究論文」
「自問自答」教育の集大成「探究論文」

 そうした学びの集大成が「探究論文」だ。3年次に数か月間で各自テーマを設定し、約8000字の論文にまとめていく。

 テーマはさまざまだ。テラフォーミングや人工知能といった新技術への考察から、「ブラック企業の実態」など社会問題に切り込むもの、また、自分のひいきのサッカーチームの研究など、それぞれ個性を発揮したテーマ設定が並ぶ。

 9月の「松陵祭」で5分間の中間報告を行い、完成への道筋を整理。10月から執筆を始め、2月の最終発表は、スライドショーを用いて1人7分間のプレゼンテーション。他学年の生徒や教員がそろい、保護者も来校する一大行事となる。その後、学年全員の発表作は分厚い1冊にまとめて生徒に配布する。

 多くの中学生が受験勉強に精を出す時期、好きなテーマの研究を進めた経験は、将来の学びに大きく寄与するだろう。

時代に合致した教育への自信

 この冬、二松學舎柏初の中高一貫生が大学受験に臨むことになるが、現高3生の中には全国模試での成績上位者も出ており、手応えは上々という。さらに2020年の新入試に向けても島田副校長は自信をのぞかせた。

 「グローバル人材といえば英語力、となりがちですが、英語はツールであって、重要なのは、自分が何を発信したいかということ。新入試で求められる思考・判断・表現などの力は、本校が“自問自答”でずっと行ってきたことです。こうした蓄積が、改めて生かされる時代になると考えています」

 (文と写真:上田大朗 一部写真:二松學舍大学附属柏中学校・高等学校提供)

 二松学舎大学附属柏中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1971232 0 二松学舎大学附属柏中学校・高等学校 2021/04/08 15:00:00 2021/04/08 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210408-OYT8I50076-T.jpg?type=thumbnail

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