文化祭で輝き、溶け合う個性…日大藤沢

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 日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校の文化祭「第63回日藤祭」が6月17、18日の2日間にわたって行われた。約1万人の受験生や保護者らが来場し、英語プレゼンテーション大会や器楽部のバンド演奏に歓声を上げ、技と個性が光るクラスや部活の出し物を楽しんだ。生徒たちが一体となって盛り上がる文化祭をのぞいてみよう。

海外に夢描くプレゼン大会

最優秀賞を受賞した阿山拓真君のプレゼンテーション
最優秀賞を受賞した阿山拓真君のプレゼンテーション

 「日藤祭」は、中学1年から高校3年まで、生徒たちが一体となって盛り上がる文化祭だ。63回目となる今回のテーマは「雅」。生徒会が全校生徒から募集して決めたテーマであり、校訓の「品格」を表現したという。

 演奏会あり、模擬店あり、部活動の展示あり。いずれも生徒たち全員が知恵を絞り、汗を流して作り上げた催し(ぞろ)いだが、中でも話題を呼んだのは、昨年度から始まったプレゼンテーション大会だった。生徒10人が出場し、パワーポイントを駆使しながら、身振り手振りを加えて自分の経験やアイデアを、英語で熱っぽくプレゼンテーションしていく。

 最優秀賞に輝いた高校3年の阿山拓真君がプレゼンテーションしたテーマは「Life with communication」。学校が主催するケンブリッジ大学語学研修プログラムでの経験を交え、コミュニケーションの大切さについて主張した。態度も堂々として見事な英語スピーチだった。

 「僕は帰国子女でもないし、特に英語を塾などで習ったわけではありません。でも、学校の先生たちはとても面倒見がよく、いつでも僕の質問に答えてくれます。そのおかげで英語が好きになり、留学することもできました。将来は英語を使って仕事をしたいと思っています」と話してくれた。

 阿山君は、学校の先生の指導を信頼し、塾には行かずに難関国立大の現役合格を目指しているという。プレゼンテーション大会に出場した他の生徒たちも、「夢は国際的な看護師になること」「たくさんの言語を勉強したい」など口々に、グローバル社会で活躍する夢を語っていた。

 同校は、カナダ修学旅行や、独自のオーストラリア語学研修、イギリス・ケンブリッジ大学ペンブルックカレッジでの語学研修プログラムへの参加を積極的に勧めている。これらの海外研修を通じて、生徒の多くは将来の希望を海外に向けて思い描いているようだ。プレゼンテーションを聞いた押尾良仁校長は「今日出場した10人全員が素晴らしかったです。これからも期待しています」と講評した。

一生懸命になれるものを見つける

縁日がテーマ。ミニゲームや卓球、射的などを小学生たちに優しく教える
縁日がテーマ。ミニゲームや卓球、射的などを小学生たちに優しく教える

 文化祭実行委員長の佐々木雄大君は高校1年の時から文化祭実行委員をやってきた。「日藤祭は年に一度、中学と高校の全生徒が一緒に盛り上がる行事なので、特別な思いがあります。みんなで精いっぱい楽しもうという雰囲気になるのです。今年はぼくにとっても集大成です」

 生徒会長の河原千織さんは「昨年は副会長を務めていたので、先輩の会長からたくさんのことを学び、それを生かして準備してきました。たくさんの方が来てくださってうれしいです」と、文化祭の成功を喜んだ。

 日藤祭を見ていて気が付くのは、プレゼンテーション大会で英語を駆使した生徒だけでなく、多くの生徒が、数学が得意だったり、美術、ダンス、楽器などで技を発揮したりしていること。それぞれに打ち込んでいるものを持っていて、日頃鍛えた技術やセンスで、部活やクラスの出し物に光彩を放っていた。

 「私は理系クラスなのですが、例えば数学の解法のことになると、授業中だけでなく休み時間もずっと考え続けて別の解き方を見つける人もいます」と河原さん。佐々木君も「先生のあだ名をつけるのがとても得意な友達がいます」と笑いながら自慢する。

 教師たちは、こうした生徒たちの個性を見守っている。生徒会指導部主任の植村弘教諭が話す。「3年または6年を通して、生徒たちに一生懸命になれるものを見つけてほしいと思っています。勉強でも部活でも、どんなことでも私たち教師は応援する体制を取っています。例えば校舎の廊下や広場などあちこちに机と椅子を配置してあります。それは、いつでもすぐに生徒の質問や相談に応えるためなのです」

 同校の立つ11万5000平方メートルの広大な敷地には、日本大学生物資源科学部がある。大学の施設を利用したフィールドワークや、付属校ならではの高大連携教育が、生徒たちの好奇心を刺激する様々な機会を与えている。

 「大学の学部体験などができる充実した施設と、たくさんの個性ある友人や先生に恵まれた素晴らしい環境です。それが自分自身の成長につながっていると感じています」と河原さんは話した。

部活も勉強も全力投球できる環境

器楽部のバンド演奏は生徒たちに大人気で、歓声が上がっていた
器楽部のバンド演奏は生徒たちに大人気で、歓声が上がっていた

 同校卒業生の約4割が日本大学へ推薦入学するが、6割は他大学などへ進学する。これも生徒一人一人の関心や夢を学校が応援していることの表れだ。

 器楽部のライブ演奏会場で会った筑波大学4年生の金田哲さんと青山学院大学3年生の大庭正騎さんは同校の卒業生だ。「ぼくたちも器楽部の同じバンドでベースとギターをやっていました。懐かしいですね」と微笑(ほほえ)んだ。二人とも部活に夢中になって学校生活を送り、日藤祭の後はそのエネルギーを大学受験に向けかえ、他大学への道を選んだ。

 金田さんは「部活動に熱中しながらも、勉強の面では十分すぎるくらいに先生にお世話になりました。親身に教えてくれて勉強面で困ることはありませんでした。筑波大の入試の時は、数日前に学校で解いたのと同じ問題が出たので、完璧でした」と話した。大庭さんも「受験ギリギリまで行きたい学部が決まっていなかったので、親身になって相談に乗ってくれたのが本当にありがたかったです。浪人中も学校のプリントを使って勉強しました、本当に感謝しています」と話した。

たくさんの個性が一つになる中夜祭

華やかなチアダンス会場には、たくさんの生徒や保護者らが詰めかけた
華やかなチアダンス会場には、たくさんの生徒や保護者らが詰めかけた

 来場者に向けた1日目のプログラムが終了すると、今度は生徒主体の中夜祭が開かれる。有志によるダンス、野球応援のチアダンス、バンド演奏などが行われ、盛り上がりは最高潮を迎えた。河原さんは「日藤生のたくさんの個性が同じ方向に向くと、すごい力になるんだと今回感じました。この伝統を後輩たちにも伝えていきたい」と話す。

 中夜祭会場は熱気に包まれ、6学年の中高生たちの気持ちは一つになっていた。後輩たちは、この日の先輩たちの姿にあこがれ、文化祭の伝統を引き継いでいくのだろう。

 (文と写真:小山美香 一部写真:日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校提供)

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202912 0 日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校 2017/07/31 05:20:00 2017/07/31 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20170721-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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