英国イートン・カレッジで高1全員研修…片山学園

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 片山学園中学校・高等学校(富山市)は今年、英国の名門パブリック・スクール「イートン・カレッジ」へ、高1生全員参加の語学研修を実施した。昨年度は東大理科3類への2人を含め、国公立大学医学部に計8人の合格者を出し、県内外の注目を集めている。同校の最近の取り組みについて望月尚志校長兼寮長に聞いた。

大学新入試にも役立つイギリス語学研修

寮長も兼ねる望月尚志校長
寮長も兼ねる望月尚志校長

 「2020年度の大学入試改革を見据え、本校は2年前から教育システムの改革に取り組んできました」と望月校長は話す。アクティブ・ラーニングの導入、ICT教育の充実などを実践し、今年は高1生全員を対象に、イギリスの名門パブリック・スクール「イートン・カレッジ」での語学研修を実現させた。英語力とグローバルコミュニケーションを磨く大きなチャンスとしたい考えだ。

 「高校1年生が全員参加する10泊11日の夏の研修です。午前中は語学の授業、午後はアクティビティーというカリキュラムになっています。単に英会話を身に付けるのではなく、日本とイギリスの文化を比べて自分の意見を英語で発表する、博物館や遺跡を訪れてイギリスや世界の歴史を学ぶといった内容を盛り込みました」


イギリスのイートン・カレッジで実施した語学研修
イギリスのイートン・カレッジで実施した語学研修

 イートン・カレッジは、日本の中学生から高校生程度の年齢の生徒が通う、全寮制の中等教育学校。王室の子弟も通学し、卒業生の多くがオックスフォード大学やケンブリッジ大学に進学する。歴代首相を輩出していることでも知られる。同校は、生徒が帰省する夏休みの間、国外の学校の研修を受け入れており、イートン出身のイギリス人教師が、外国人生徒の指導に当たってくれる。

 片山学園では、イートン・カレッジでの語学研修の準備として、中3の1月から英語のスキルを向上させ、同時に日本の文化について英語でプレゼンテーションする練習を始めた。発表するテーマを生徒たち自身に考えさせたところ、「日本とイギリスの気候や風土から、家屋様式の違いについて考える」といった、ユニークなアイデアが出てきたそうだ。「英語の試験の点数を上げるためではなく、自分で調べ、考え、発表する力を英語で養ってほしいと考えています」

 第1回となる今年のイートン・カレッジ研修に参加した生徒たちからは、「英語の表現をいろいろ知っていても、実際に使う場がなかった。ここで、それを活用する機会が得られた」「イギリス人は理路整然としていて、ロジックがはっきりしている。それに比べると、日本人の考え方は子供っぽい」という感想が出てきたという。

 「今の高1の大学受験から新しい入試となります。新入試では、課外活動の成果などを記録する『e-ポートフォリオ』が選考基準の一つとなる場合がありますが、イートン・カレッジでの語学研修は、その『e-ポートフォリオ』作成に役立つ貴重な経験となるのです」

データに基づく進路指導で難関大合格へ

 同校が開校したのは2005年で、比較的新しい学校だが、東京大学、京都大学など難関国立大学にコンスタントに合格者を出し、国立・私立大医学部にも多くの合格者を出していることから、全国的な知名度を得るようになった。「地方都市では、今でも公立中学から高校受験をする子供が圧倒的に多いのですが、中高一貫校は高校入試がなく、集中的に勉強することができるため、難関大学や医学部合格に向けて優位に立つことができます」

 開校時から、1学年の人数は80~120人。その中から、難関国立大や医学部に毎年複数人合格している。「本校は『育英センター』という北陸を基盤とした大手の塾を母体とした学校で、塾同様にデータに基づく綿密な進路指導を行っています。過去の大学合格者の成績をデータベース化しているため、『医学部を目指すなら、高1までにこれだけの成績を出さないと』などと、的確にアドバイスすることが可能なのです」

 また、入学時に決して優等生とはいえなかった生徒たちも、同校で自分に合った目標を見つけ、着実に達成していく。「中高と成績はさっぱりだったのですが、寮長を務めるなど課外活動は活発に行い、それが認められて明治大学に入学した生徒がいます。大学に行ってから勉強の面白さに目覚め、優秀な学生だけに与えられる賞を大学からもらったという話を聞きました」

 一方で、チャレンジしたいという思いを持つ生徒も、徹底的にサポートする。東大理3を目指した生徒には、複数の教師がチームを組み、学習のフォローを行っていた。国連で働きたいという夢を持っていた女子生徒の場合は、上智大学総合グローバル学部への進学を応援した。「その生徒が、今年、アメリカ・ニューヨークの国連本部で採用されました。これからのボーダーレスな社会の中で、自分の進む道を大学名で決めるのではなく、何を学び、それを人生の中でどう生かすかということを、中高生のうちから考えてほしいと願っています」

全国から生徒が集まる個室寮、初等科新設も

寮では毎年恒例のハロウィーンのカボチャ作り
寮では毎年恒例のハロウィーンのカボチャ作り

 同校の入学試験は関東(さいたま市)・東海(名古屋市)・関西(大阪市)でも実施しており、富山県外からの入学者も多い。現在、生徒の約1割が、学校に併設された寮で生活している。落ち着いた環境の中で勉強に集中することができるのも、進学実績が高い理由の一つだろう。「育英センターの塾講師が週に数回寮にやってきて、夜間授業を行います。また、医学部に進んだ卒業生が訪ねてきて、学習指導や進路指導を行っています」


富山市で唯一の中高一貫校であり、県外からの入学者も多い
富山市で唯一の中高一貫校であり、県外からの入学者も多い

 寮の部屋はすべて個室だ。セキュリティーがしっかりしていて、登下校の間にトラブルに遭遇する恐れもないことから、女子生徒とその保護者に好評だという。舎監には女性を採用し、さらにきめ細かく女子生徒に配慮できるようにしている。

 2019年4月には小学校にあたる初等科を開設する。特筆すべきは英語教育で、1年生から6年生まで毎日1時限、必ず英語の授業を行う。英語の授業専用の教室「ELF room」を設け、この中では英語オンリーで過ごす。また、ネイティブ・スピーカーの教師とは、教室の外でも英語を使って話す。「英語が話せる子供になってほしい、という保護者の方の強い思いを反映させています。初等科から入った子供にはさらに中・高へと進み、新たな片山学園の歴史を作ってほしいと考えています」

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:片山学園中学校)

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49146 0 片山学園中学校 2018/11/13 05:20:00 2018/11/13 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181107-OYT8I50071-T.jpg?type=thumbnail

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