女子生徒も寮生活で伸び伸び、医学部合格へ…片山学園

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 片山学園中学校・高等学校(富山市)は今春、大学の医学部医学科に17人の合格者を出し、「医学部合格を実現させるための中高一貫校」というイメージをさらに明確なものにした。関東、東海地区など遠隔地からも女子を中心に入学者が増えているが、通年利用できる男子寮・女子寮を整えているため、受け入れ体制も万全だ。今春開校した初等科など同校の最新の動きを、望月尚志校長兼寮長に聞いた。

6年間で医学科合格に必要な力を付ける

「医学部に合格させる学校」としての抱負を語る望月校長
「医学部に合格させる学校」としての抱負を語る望月校長

 2005年に開校した片山学園は、アクティブ・ラーニングやICT教育を充実させ、イギリスの名門パブリック・スクール「イートン・カレッジ」で全員参加の語学研修を行うなど、先進的な教育によって国内各地の難関大学に合格者を輩出してきた。今春、医学系の理科3類1人を含め東京大学に2人、京都大学医学科に1人が合格した。医学科の合格者全体では国公立大に10人、私立大学に7人が合格している(既卒者を含む)。

 「中学入学時の偏差値は45~55と、決して高いわけではありませんが、医師になりたいという生徒の目標を実現させるために、中高の6年間、計画的な指導を丁寧に行っています。また、偏差値70以上のレベルの中学校に合格する力のある生徒も、特別特待生として本校に入学し、高い進学意識を持って勉学に臨んでいます」と、望月尚志校長兼寮長は語る。

 入学試験は富山市の片山学園キャンパスのほか、関東(さいたま市)・東海(名古屋市)・関西(大阪市)の各地で実施しており、同校の評判を聞きつけた入学者が全国各地から集まってくる。地元の富山大学医学部医学科には、富山県内の高校を卒業する受験者向けの推薦入試「富山県特別枠」があり、これを目標として県外から片山学園に入学してくる生徒も少なくない。また、12月から1月初めの早い時期に入学試験を実施することから、受験シーズン最初期にチャレンジできる学校として、同校受験を勧める学習塾が増えているそうだ。

 結果として遠隔地からの入学者も多くなるため、男子の「つるぎ寮」、女子の「さくら寮」(各定員70人)を完備しており、年間100人ほどが利用している。昨年度の新規入寮者は10人だったが、今年度は31人と大きく増加した。そのうち28人は、富山県外からの入学者だ。 

 「県外からの入学者は、女子のほうが多くなっています。安全管理を徹底し、生活面でのサポートを充実させるために女性の舎監が常駐しています。食事のメニューも女子が好む内容を増やしました。女の子を安心して預けることができる寮として、保護者の方々からの信頼を得ています。6年間、寮で暮らすことで、規律正しい生活態度を身に付け、勉強に集中することができるのも、大きな利点です」

 中学と高校にそれぞれ男女の学生寮長やリーダー、サブリーダーらがいて、入・卒寮式や寮祭、新入寮生の歓迎バーベキュー、外食会など寮のイベントは彼らが中心になって企画・運営する。「自分のことは自分でやる」というのがルールだ。入寮時は教師や舎監に頼っていた生徒たちも、上級生の姿を見ながら自然に自立を意識するようになるという。

医学部在学中の卒業生がチューターを務める

寮では全員に個室が与えられる
寮では全員に個室が与えられる
寮の学習室で、勉強に専念する生徒たち
寮の学習室で、勉強に専念する生徒たち

 寮はすべて個室であり、生活環境と学習環境を分けるため、全員が利用することができる学習室が設けられている。片山学園グループには北陸を基盤とした大手塾「育英センター」があり、同塾のベテラン講師が、週に数回、寮で指導を行っている。さらに、医学部在学中の卒業生が「医学部チューター」として、医学部を目指す生徒に1対1で勉強を教える。

 「同級生や上級生、チューターとの出会いに刺激され、片山学園に入学してから医学部を目指すようになる生徒もいます。中学生の間に基礎をしっかり身に付け、高校で医学部入試に特化した対策を行うことで、卒業時の合格が可能になるのです」

 ただ、同校での生活は望月校長兼寮長に言わせれば、寮に缶詰めになって厳しい勉強に励むというものではなく、「むしろ伸び伸びしている」という。「京都大学医学部に合格した生徒に片山学園の思い出を尋ねると、友人と語り合い、ライバルと競い合いながら、それまで気付かなかった自分の長所や欠点が分かったことが、一番いい思い出だと話していました。教師が一方的に指導するのではなく、生徒主体の学校生活・寮生活を尊重した教育の成果であると考えています」

女子向けメニューを充実させている広々とした食堂
女子向けメニューを充実させている広々とした食堂

 今年度、実験的に、教師が自分の専門外の教科を教える取り組みを始めた。教師、生徒ともに既成の枠にとらわれず、広い視野を持ってもらおうという考えだ。「土曜日には、数学教師が古典を教える、国語教師が物理を教えるといった講座を開いていますが、『普段の授業より分かりやすい』と、生徒たちに好評です」

 また、卒業生の中には、外資系シンクタンクの社員やアメリカ・ニューヨークの国際連合本部職員などがいるため、学校に招いてキャリア教育の一環として講話をしてもらうこともある。「医学部を目指す生徒もそうでない生徒も、自分の将来にはさまざまな可能性が開けていることに気付き、私たちとともに全力でチャレンジしてほしいと考えています」

 なお、今年4月に初等科が開校した。英語教育を大きな柱とし、小学校1年生から英語の授業を行い、教室以外でもネイティブの教師と英語で話すことができる環境を整えている。英語による高いコミュニケーション力を備えた生徒を育て、将来は海外大学への進学者数を増やしたいと考えているという。医学科進学から海外進学へ、同校の教育構想が広がっていく。

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:片山学園中学校)

 片山学園中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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