コロナ休校の経験生かし、教育体制のさらなる発展へ…片山学園

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 新型コロナ感染対応の休校が明け、片山学園中学校・高等学校(富山市)は6月1日から時短登校を開始した。休校中はオンライン授業を積極的に活用することで通常の7、8割の学習量を確保することに成功したとしており、通常授業への復帰や来年1月8日の中学入試、さらには新しい大学入試へ向けて急ピッチで学習体制を整えている。望月尚志副校長兼寮長に今後の展望を聞いた。

教師らが作成した約380本の授業動画を配信

「これから学校としての存在意義を示していきたい」と話す望月副校長兼寮長
「これから学校としての存在意義を示していきたい」と話す望月副校長兼寮長

 新型コロナ感染症拡大に伴って4月7日、政府の緊急事態宣言が発令され、富山県でも多くの学校が休校を余儀なくされた。片山学園では春期の授業をオンラインで実施するための準備が即座に開始された。「自宅にいる生徒の通信環境を確認し、教師にオンライン会議システムを利用するための研修を実施して、授業動画配信のスケジュールを整えました。無駄を排除し、授業をスムーズに進行させることを第一に考え、迅速に行動に移したのです」と、望月副校長兼寮長は話す。

 授業動画を作成して動画投稿サイト「ユーチューブ」を使って生徒たちに限定公開するという方針が決まり、今年から全員にiPadを配布済みの中1と高1以外の学年で、すべての生徒についてICT環境が整っていることを確かめた。その一方で、「Zoom(ズーム)」や「パワーポイント」などオンライン授業で使用するツールの知識が不十分な教師には、ITに強い教師がマンツーマンでアドバイスを行った。

 4月9日には授業動画の撮影が開始され、オンライン授業を開始した5月8日までに用意した動画は、約380本に上るという。

オンラインで授業を行う先生たち(学校動画から)
オンラインで授業を行う先生たち(学校動画から)
家庭科の授業も動画でオンライン配信(学校動画から)
家庭科の授業も動画でオンライン配信(学校動画から)

 英・数・国といった主な授業だけでなく、家庭科や音楽なども、教師が自ら動画を撮影してオンラインで配信した。特に技術の教師は、ITスキルを生かして自らのアバターが登場する動画を作成し、合成音声も活用したりしてオリジナルな授業を作り上げた。同校はこれらの授業の一部を「片山学園授業動画ダイジェスト」としてインターネットで公開している。

 望月副校長兼寮長によると、オンライン授業の期間中も、毎日朝礼を行い、午前9時に授業を開始。昼休みを挟んで午後にも授業を行い、生徒からの質問を受け付けるための時間を取って午後4時に終業したという。「これにより、生徒は生活のリズムを保つことができたと思います」。

 5月25日から分散登校を始め、6月1日から時短登校に切り替えた。「その頃までには教室での通常授業の7~8割に相当する分を完了させていました。今年の夏休みは8月9日から16日の1週間のみです。高校3年生は春の遅れを取り戻し、万全の態勢で大学受験に臨みます」

 ちなみに富山県の新型コロナウイルス感染者数は227人(6月22日現在)と全国的に見れば少なく、感染者数の多い都市部に比べると、比較的余裕を持って対策を進めることができたようだ。

オンライン授業のスキル生かしつつ学校の存在意義を示す

 同校は、卒業生の多くが医大や医学部に進学しており、医学部を志す受験生らが、富山県外からも多数入学している。このため学校としても、県外生に配慮して寮を完備しており、関東では「首都圏模試」、関西では「五ツ木・駸々堂(しんしんどう)模擬試験」など指定の模試の上位成績者には授業料や寮費を免除するなどの県外生向け特待生制度も設けている。現在、中高合わせて524人の生徒のうち60人が県外からの入学者だという。また、学校敷地内にある寮では、県内外合わせて77人の生徒が生活している。

すべての部屋が個室になっている寮
すべての部屋が個室になっている寮

 「寮はすべての部屋が個室であるため、濃厚接触の心配が少ないと言えます。レストランでの食事は1テーブルに1人、夜の自習時間にはレストランも開放するなどして、新しい生活様式に対応しています」。学習指導を担当する寮のチューターも、マスクとフェースガード着用で指導に当たっているという。

 片山学園は入学試験の実施時期が早く、片山学園本校での試験のほか、来年1月8日には東京・名古屋・大阪3会場で試験が実施される。「各地域の学習塾からは、受験シーズンの最初期に挑戦できる学校として認知されています。来年に向けて秋以降、各塾に訪問するか『Zoom』を使って連絡を取り合い、試験内容や出題傾向の情報を得て対策を始めています」

 オンライン授業から学校再開へスムーズな移行を果たし、望月副校長は「これから学校としての存在意義をさらに示していきたい」と語る。「本校が実践しているアクティブラーニングは、生徒たちがグループワークによって話し合いながら問題を解決し、皆の前で発表を行うものです。この活動はやはり、登校して顔を合わせてこそ、充実させることができます。オンライン授業によって培ったスキルを生かしつつ、さらに校舎での教育活動を発展させていきたいと考えています」

 今年は、大容量で高速な5G(第5世代移動通信システム)の通信環境を校内に導入することを予定しているという。進化するICT教育と、顔を合わせてのアクティブラーニングの融合でどんな授業が生まれるのか楽しみだ。

 (文:足立恵子 写真提供:片山学園中学校・高等学校)

 片山学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
1309122 0 片山学園中学校 2020/06/30 05:21:00 2020/06/30 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200629-OYT8I50047-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
500円400円
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ