英語で口頭試問する新入試がスタート…桐朋女子

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 桐朋女子中学校・高等学校(東京都調布市)は今春、新たに「Creative English入試」を導入した。同校が50年以上続けている「A入試」の口頭試問をベースとして英語でのやり取りを行い、コミュニケーションへの姿勢や学習意欲を見るのが目的だ。すでに2017年から導入している「論理的思考力&発想力入試」とともに内容を紹介し、同校が受験者に期待している素質、能力などを聞いた。

英語コミュニケーションへの姿勢と「伸びしろ」を問う

英語で口頭試問する新入試を導入した桐朋女子中学校・高等学校
英語で口頭試問する新入試を導入した桐朋女子中学校・高等学校

 同中の「A入試」は口頭試問と国・算2科の筆記試験とから成る特徴的な入試で、すでに50年以上続いている。「A入試」が設置された意図について教務主任の今関光枝教諭は「授業を受け、不明点を質問し、教えてもらう。A入試の口頭試問は、そうやって少しずつ思考を深めていく日常の学びの形を入試でも再現できないかと作られたんです」と明かす。

 今春、新設された「Creative English入試」と一昨年に導入された「論理的思考力&発想力入試」は、この「A入試」の口頭試問をベースとしている。

 「Creative English入試」は約30分間、「準備室課題」に取り組んだ後、約10分間、英語で「インタビュー」に答えるという内容だ。第1回となる今回の「準備室課題」は、オーストラリアに住む少年トムの自己紹介映像を視聴しながら四つの課題に答えるというもの。同じ教室に集まった受験者8人は、まず問題文を読む時間が与えられ、次に英語音声付きの映像を見て、トムについての情報を確認する正誤問題やトムの家族と友人をイラストから選ぶ問題、来日するトムへのもてなし案を書く英作文などが出題された。

 次に別室で「インタビュー」が1人ずつ行われる。試問官は2人。あいさつや受験生の身近なことについてやりとりをした後、課題用紙の内容を見たうえで、英語で質問を投げかけていく。その際、準備室で見せた映像の一部を再度見せて、ヒントを与えながら、内容をきちんと理解できているかを確かめていく。

 この「準備室課題」と口頭での試問という構成や時間配分は「A入試」とほぼ同じだ。日本語と英語では思考のレベルに違いはあるものの、粘り強く課題に取り組めるか、間違えたときに解き直せるか、といった評価のポイントに共通点もある。これらの力は入学後に不可欠な学習基盤となる力であり、どれくらいの「伸びしろ」を持っているかが評価されるのだ。

入試の特徴について話す教務主任の今関光枝教諭
入試の特徴について話す教務主任の今関光枝教諭

 口頭試問を英語で行う「Creative English入試」を導入した理由について、今関教諭は「小学校でも英語が教科化され、英語入試が広まってきた中、英語でのコミュニケーションに意欲的な子にも入学してほしいと考えました」と説明する。「必要なのは英語で対話する意欲や取り組む姿勢です。言葉に詰まっても教員がサポートするので、安心して挑戦してほしい。入学して、他の生徒に刺激を与える存在になってほしいです」

 「Creative English入試」の導入と併せて、同校は2019年度から中1の英語の授業をコース別とした。新入試による入学者を含め、一定の英語力がある生徒は「アドバンストコース」で学ぶ。教科書も検定教科書に加え、発展的な内容の「New Treasure English Series Stage2」(Z会出版)を使用する予定だ。今関教諭は「アドバンストコースの生徒にとっても、一般の生徒にとっても、力がどんどん伸ばせる英語の学習環境が提供できていると感じています」と話した。

発想の豊かさや論理的思考力を評価する

 17年度に導入された「論理的思考力&発想力入試」も、受験者の「伸びしろ」を見るという点で、A試験の口頭試問や新しい英語入試と同じ狙いがあるという。ただ、「文章を読んで意味をつかみ、内容を把握する力、さらにそれを発展させる発想の豊かさ」「資料や図表を読み取る力、基本的な数の扱い、論理的な思考力、判断力など」を、記述式の出題によって評価する点に違いがある。

 「論理的思考力&発想力入試」は「言語分野」と「理数分野」各50分の出題で構成されている。言語分野では2500~3000字程度の文章が提示され、その内容を踏まえて5、6題の出題がある。内容は筆者の考えを読み解く問題と受験者の考えを記述する問題となっている。今年度は人工知能(AI)がテーマで、最終問題は「人間は今後AIとどのように関わっていくべきか」というものだった。

 理数分野ではテーマに沿った会話文が展開され、その合間に設問がある。過去のデータから今後の展開を予測して理由とともに答える問題や、図表の読解力や計算力が試される問題などが11、12問出される。会話の流れに沿って出題内容が発展していくのが特徴で、生き物の増え方がテーマだった今年度は、植物の種まきの話から始まり、世界の人口推移に関する設問で終わっている。

新しい英語入試の突破のカギは英作文

新たに導入された「Creative English入試」の課題用紙
新たに導入された「Creative English入試」の課題用紙

 「Creative English入試」で合格した中1の高木花さんは、当初は2科もしくは4科の筆記試験「B入試」での受験を考えていたが、6年生になった春に都内の中学受験フェアで「Creative English入試」について知り、11月に参加した体験受験で合格の可能性を感じ、「Creative English入試」を受けることにしたという。

 感想を聞くと、「試験は難しかった。特に15分で40語以上の英作文を書く課題が大変で、内容を考えるだけで5分くらい使ってしまいました。英作文は難しいから、普段から英語で書くことを習慣にしておいた方がいい」という。

 高木さんの母親はイギリス人で父親はメキシコ人だが、日本で生まれ育った高木さん自身の母国語は日本語であり、英語はどちらかというと苦手だったという。そこで母親にテーマを出してもらい、語数を何語以上と決めて繰り返し練習した。「犬と猫どちらが好きか」などの気軽なテーマで、毎回自分の意見と理由を書いていたそうだ。

 「桐朋女子に入学して良かった。厳しいイメージがあったけど、面白い先生もいて毎日が楽しい」と高木さんは話す。これから学びたいことを聞くと、「世界の歴史について、もっと知りたい」。両親がよく紛争や難民問題について話しているのを聞いているうちに興味を持ったそうだ。テレビドラマで見た救急医療の世界にも憧れを持っていて「将来は医療関係に進みたい。大変そうだけど、頑張りたい」と将来の夢を話した。

 同校には帰国生が1割程度いるが、「Creative English入試」の導入によって、高い英語力を身に付けていく生徒が更に増えていくことだろう。

 (文:佐々木志野 写真:中学受験サポート)

 桐朋女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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610987 0 桐朋女子中学校・高等学校 2019/05/30 12:52:00 2019/05/30 12:52:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/05/20190530-OYT8I50011-T.jpg?type=thumbnail

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