3段階の能力別授業で英会話の意欲アップ…実践女子

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 実践女子学園中学校高等学校(東京都渋谷区)は、「探求教育」「グローバル教育」「感性表現教育」によって、社会のリーダーとして「実践力」を発揮できる女性を育てている。特に「グローバル教育」に関しては、2018年4月から全クラスでレベル別少人数制の英語授業を展開し、国際コミュニケーション能力の全体的な向上を図っている。これまでにどのような成果が出ているのか、各レベルの授業の様子と、英語科教師の話を紹介する。

三つのレベルに分けて、きめ細かく指導

 「He’s an American.(彼はアメリカ人です)」「He visited Hiroshima.(広島を訪問しました)」

 「オバマ前大統領」を英語で説明するという課題に、生徒たちが元気な声で答えている。これは「中級クラス」の授業風景で、生徒たちはネイティブの教師の英語を聞き取り、自分の考えを英語で話すことができるレベルに達している。

生徒たちと語る岩渕先生(左)とウォールポール先生
生徒たちと語る岩渕先生(左)とウォールポール先生

 カナダ出身の英語科教師レオン・ウォールポール先生が説明する。「英語の授業に関しては、入学時に『一般』『中級』『上級』というレベル分けを行います。『一般』は教科書を中心に基本を学びますが、教師とともにスピーキングやライティングにも取り組みます。『中級』のクラスでは生徒たちが積極的にスピーキングにチャレンジし、『上級』は帰国生中心に、エッセーライティング、プレゼンテーションなども学んでいます」

 中学生は通常1クラス30人だが、英語のクラスに関しては「一般」20~26人、「中級」9人、「上級」8人と編成を変え、レベルごとに工夫を凝らした授業を行う。中学1年生でも週6時間の英語授業のうち、2時間またはそれ以上を、ネイティブの教師が担当している。

 一方、基礎をじっくり指導する役割を担う日本人教師の岩渕摩耶先生は、「今年から教科書を替えたことで、『一般』の授業でもスピーキングなどアウトプットの機会が増えました」と話す。「文法項目をしっかり押さえつつ、授業の中で英語を話したり、書いたりする活動を豊富に取り入れることが可能になりました。また、イラストや動画を見せるデジタルテキストを活用することで、生徒の集中力がより高まるようになっています」

オリジナルアプリを作るプロジェクト活動
オリジナルアプリを作るプロジェクト活動

 ウォールポール先生は授業内で、英語の運用能力を高める「プロジェクト活動」の大切さを説く。例えば、「上級」の授業では「パソコンを使って、スマートフォンのアプリを作る」というプロジェクト活動を実施している。生徒たちはインターネットで情報を集め、「行ってみたい国」「東京名所」などを紹介する思い思いのアプリを作成する。「テーマを決めて資料を調べる、英語で発表するという機会を持つことで、自らの知識を増やしつつ、運用能力を高めることができるのです」


授業では積極的に英語でコミュニケーションを取る

 「一般」「中級」「上級」各レベルの授業を受けている中学1年生たちに感想を聞いてみた。

 「一般」クラスの田所珠々子(すずこ)さんは「中学に入って、小学校で習った単語にも、さらにいろいろな意味があることがわかりました。簡単なことを話すだけでなく、単語の意味をしっかり理解して正しい文章が書けるようになりたい」という。

生徒が積極的に発言する「中級」の授業
生徒が積極的に発言する「中級」の授業

 「中級」クラスの長岡(あおい)さんは「ネイティブの先生の授業はオールイングリッシュで、日本語を使うことも許された小学校の英語活動とは、とても違う。授業でゲームをする機会があり、先生と英語で話をするのを楽しみにしています」と話す。

 小学生のときに約2年間アメリカで暮らした経験があるという「上級」クラスの有沼ひなたさんは「授業で英語そのものを学ぶだけではなく、英語を使ったさまざまな活動に取り組めるところがいい」と話した。

 岩渕先生は「『一般』のクラスの生徒からも、英語でコミュニケーションを取ろうとする強い気持ちが伝わってきます。日本語と英語の発音の違いを理解し、英語らしい発音で話そうとする努力も見られます」と話す。ウォールポール先生も「生徒たちには、何事にも積極的にチャレンジしたいという気持ちがあります。『中級』『上級』の生徒たちは、本や映画、音楽などさまざまな形で英語に触れ、新しく覚えた単語を実際に使ってみることで、さらに多くのことを英語で表現することができるようになるはずです」と語った。

ニューヨークでの模擬国連大会に参加も

 長岡さんは「留学して本物の英語に触れたい」といい、田所さん、有沼さんは、「将来英語を使った仕事に就きたい」と、いずれも将来の目標を持っている。同校も生徒たちが夢をかなえられるように、交換留学・派遣留学の制度やオーストラリア、アメリカでの海外研修などの環境を整えている。

 また、国連加盟国の大使に(ふん)して英語で会議を行う「全日本高校模擬国連大会」にも毎年参加している。ニューヨークでの国際大会やハーバード大学主催の模擬国連北京大会に出場したこともある。

 海外に行かなくても、英語に触れる機会は豊富に用意されている。ネイティブの教師による放課後の英語講座では、多読、速読などを行うリーディング学習や、海外の大学で授業を受けるための「アカデミック・イングリッシュ」の指導が行われている。高い英語力を維持したい帰国生向けには、英語4技能を総合的に学ぶ「Advanced English Class」という課外プログラムも用意している。

レベル別にそろった図書室の洋書コーナー
レベル別にそろった図書室の洋書コーナー

 校内を巡ると、図書室には多読用の洋書がレベル別に並び、英語で話をするための部屋「English Cafe」には、休み時間に気軽に会話を楽しめるように、ネイティブの教師が詰めている。

 ウォールポール先生と岩渕先生はともに、「実践女子は、校内で英語に触れる機会の多い学校です。このチャンスを最大限に生かしてほしい」と期待を語った。

 (文・写真:足立恵子 写真提供:実践女子学園中学校高等学校)

 実践女子学園中学校高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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60693 0 実践女子学園中学校高等学校 2019/01/18 05:20:00 2019/01/18 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190116-OYT8I50034-T.jpg?type=thumbnail

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