科学的思考を基礎に「真のグローバル教育」を…明法

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 明法中学・高等学校(東京都東村山市)は今夏、「サイエンスGEコース」に焦点をあてた「GEミニ説明会・GE講座見学会」を開催した。同校は、2018年度から導入した三つのコースの中で、このコースは科学的思考力の養成にウェートを置きながら、異なる価値観の人々との協働を可能にする「真のグローバル教育」を目指しているという。このコースの目玉である「GE講座」の様子を紹介する。

10年後に社会で活躍できる力を養う

コース制の導入について説明会で話す牛来校長
コース制の導入について説明会で話す牛来校長

 「本校は伝統の少人数教育のもとで、生徒の能力を最大限に引き出し、高める、実践的な教育を行っています。単に大学進学だけでなく、将来にわたって役立つ力を身に付けるため、2018年度からコース制を開始しました」

 今年度、校長に就任した牛来(ごらい)峯聡(みねとし)先生は、説明会冒頭のあいさつで、同校がコース制を導入した意義についてこう説明した。

 同校の入学希望者は「国際理解GC(Global Citizen)コース」「進学GRIT(Guts Resilience Initiative Tenacity)コース」「サイエンスGE(Global Endeavors)コース」の三つから、自分の興味や将来の夢に合わせてコースを選択して受験する。中学2年への進級時にコースを変更することも可能だ。

 「国際理解GCコース」では、世界を舞台に活躍することを目指し、「進学GRITコース」では、やり抜く力「GRIT」を身に付け、「サイエンスGEコース」では、科学的思考力と問題解決力を磨く、という目標がある。

 この日の説明会・講座体験会の眼目である「サイエンスGEコース」は、科学的思考をベースとしながら、多様な価値観を持つ人々と協働できる人材の育成を目指すという点に、大きな特色を持っている。入学条件も他コースと違って、毎月2回同校で開催しているロボットプログラミング教室「MSK」のベーシックコースに合格していることが求められるなど、方向性は明確だ。

 説明会の場で入試広報担当の西澤一明教諭は「GE講座は科学的な知識や考え方をベースにして、答えが一つではない問題に挑戦し、10年後には社会で活躍できる力を養うことを目指しています」と語っている。

科目を横断した特徴的な学び「GE講座」

 このコースの最大の特徴は、週4時間の「GE講座」があることだという。GE講座には、「基本講座」と「特別講座」があり、いずれも科目を横断した内容となっている。

 「基本講座」では、さまざまな自律型ロボットの制御を学びながら真の「ものつくり」の力を養う「ロボット」、分かりやすく、簡潔でインパクトのある伝え方を学ぶ「プレゼンテーション」、さらに「数値解析」「統計処理・プログラミング」など、基礎的なスキルを学ぶ。

 「特別講座」では、「基本講座」のプレゼンテーションから、情報収集力や論理的思考力、当意即妙などを動員して相手や審判を納得させる「ディベート」へと内容が高度化する。また、落語家を招いて話芸を学び、生徒自身も1題ずつ話を語るなどしてコミュニケーション能力を磨く。さらに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット開発者や心臓外科医など、第一線で活躍する講師を招いての講演会も開かれる。これは「10年後に社会で活躍できる力」という考えからのキャリア教育になっている。

中1の教室ではロボットカーのプログラミング

パソコンでロボットカーの走行プログラムを組む生徒たち
パソコンでロボットカーの走行プログラムを組む生徒たち
黒いコース線に沿ってロボットカーを走らせる
黒いコース線に沿ってロボットカーを走らせる

 説明会の後、中1生の教室に場を移して「GE講座」の見学会が行われた。生徒たちは3人1組で三つのチームに分かれ、おのおのロボットカーを使ったプログラミングに取り組んでいた。

 この日の課題は、床に広げた模造紙上に書かれた黒いコース線に沿ってロボットカーを走らせ、コース線上の銀色の部分を感知したら反転するように、パソコンを使ってプログラムを組むというものだ。

 担当教員が「次はロボットカーのディスプレーに反転した回数を表示できるようにしよう」と声をかけると、生徒たちはチームで相談するとすぐにプログラムを改善し、ロボットカーに入力して走らせる。1回で成功したチームはなかったが、教員のアドバイスを聞いて、次々に失敗の原因をつきとめ、2回目ではすべてのチームがプログラムを正しく修正できていた。

 授業後、生徒の一人は「プログラミングでロボットを思い通りに動かせたときはうれしい。今後はプログラミングの知識をもっと学んで、自分でパーツを組み合わせて動作できるロボットを作りたいです」と話した。

 また、見学者向けに開放された授業ではないが、隣の教室で中3生が取り組んでいる、温度センサーとサーボモーターを連動させた温度計作りの様子も取材した。

 この温度計は、温度センサーから送られたデータに応じて変化するサーボモーターの回転角度を、針で目盛り付きの表示板に示す仕組みだ。

 いち早く課題を達成した生徒もいれば、理解はしていても針が指示通りに動かない生徒もいる。教員が「できた人はどうすればできるかサポートしてあげて」と言うと、生徒たちは活発に、仲間にアドバイスしたり、一緒に取り組んだりし始めた。担当教員は「できた人がつまずいている人を助けるのは、分かりやすく説明する力を磨くためでもあります。生徒たちに『今日は取材だから一生懸命やるように』とは言っておきましたが、いつも熱心なのであまり変わりなかったようですね」と笑顔で話した。

 サイエンスGEコースの生徒は、ロボットのコンテストやディベート甲子園など、外部の大会に積極的に参加することが奨励されている。西澤教諭は「外部のコンテストでは、悔しい思いをしたり、厳しい評価を受けたりしますが、自分の実力を知るとともに、少々のことではへこたれないメンタルを鍛えることに役立ちます」と話す。

温度センサーとサーボモーターを連動させた温度計作り
温度センサーとサーボモーターを連動させた温度計作り

 温度計作りに取り組んでいた中3生の一人は「サイエンスGEコースは、貴重な体験ができることが魅力です。プレゼンテーションの機会が多く、人前で話すこともかなり上達したと思います。昨年はロボカップジュニアに挑戦し、関東ブロック大会に進出することができました。SRC(スペースロボットコンテスト)では5月の予選を勝ち抜いて、11月の大阪大会で決勝まで進みました。今年もエントリーしているので、昨年よりも良い成績を残したいです」とやる気まんまんだった。

 「サイエンスGEコース」の取り組みばかりでなく、同校は現在、時代の変化に対応した新しい学校改革の真っ最中だ。2020年度から海外研修プログラムを現在の4種類から7種類に拡充する計画があり、学校業務のシステムと授業・学習支援システムの連携運用を図る文部科学省のスマートスクール構想への対応も検討している。今年度は高校の共学化も始まった。

 牛来校長は、就任にあたって「希望は力」という方針を打ち出したという。多くの改革を通じて膨らんでいくさまざまな希望が生徒たちの背中を後押しすることだろう。

 (文・写真:山口俊成 一部写真提供:明法中学・高等学校)

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943386 0 明法中学・高等学校 2019/12/11 05:22:00 2019/12/11 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/12/20191210-OYT8I50056-T.jpg?type=thumbnail

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