中学生の挑戦「自分たちで学校生活を変えよう」…藤村女子

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 藤村女子中学・高等学校(東京都武蔵野市)で、中学生徒会を中心に中学生による中学生のための生活改革が進んでいる。これまでは数の多い高校生に押され、中学生が活躍する場は少なかったが、学習記録ノート「藤村ノート」の改革を機に中学生たちは自信を深め、次々と主体的な改革に取り組んでいるという。生徒たちの取り組みと、それを見守る教師たちの声を紹介する。

学習記録ノートを合理化してより良いものに

記入内容を合理化して生徒の負担を減らした藤村ノート
記入内容を合理化して生徒の負担を減らした藤村ノート

 同校で、中学生たちの主体的な生活改革が始まったのは、昨年11月の中学生徒会長選挙がきっかけだったという。中3の本川怜奈さんは、学習記録ノート「藤村ノート」の改革を公約に掲げて立候補し、見事当選を果たした。

 「藤村ノート」は生徒の生活や学習の様子を記録し、生徒本人と保護者、担任とで共有するオリジナルのノートだ。毎日の学習時間や宿題などの連絡事項、気付いたことや反省点を書き込んでおく「まとめ」欄と、保護者と担任から一言書いてもらう欄があり、ほかにも自分の目標を書き込んだり、定期テストの結果を記録したりするスペースもある。

 生徒の生活や学習の様子が1冊で把握できるという意味では便利なシステムだが、毎日の細かい記録作業が必要となる。「部活動に力を入れている生徒も多いので、生徒にとって負担になっていたのです」と本川さんは話す。

 本川さん自身も柔道部で、全国大会を目指して毎日部活で練習している。夜遅く帰宅してから「藤村ノート」に細かく記入するのは正直、負担だったという。

 生徒会長に就任した本川さんは、生徒会のメンバーや先生たちと話し合い、「まとめ欄」への記入を毎日から1週間に1回とし、1年3冊配布されていたのを、1年1冊でまとめられるように記入内容を合理化した。システムの便利さを維持しながら書き込み作業の負担を減らした新しい「藤村ノート」は、生徒たちに大歓迎されたそうだ。

中学生徒会のさらなる挑戦

初めて中学生が司会進行した壮行会
初めて中学生が司会進行した壮行会

 「藤村ノート」の改革成功で自信を付けた中学生徒会は、自分たちの考えで自分たちの学校生活を改善しようと、さらに新しい取り組みを始めた。

 その一つが今年3月の壮行会だ。同校は高校生約350人に対して、中学生は約70人と少ないため、学校行事は高校生が中心で、中学生が活躍する場は少なかった。関東大会や全国大会に出場する部活の壮行会も、これまでは高校生徒会が主導していたが、この時は高校生が不在だったため、初めて中学生徒会が主体になって壮行会を行った。

 本川さんは壮行会で司会進行やスピーチを引き受け、中学生全員で応援歌を歌うなどし、全国大会に出場するバスケットボール部と水球部の中学生8人を力付けた。会場は大きな盛り上がりを見せたという。

 生徒会の担当をしている砂山瑞穂教諭は、「高校生顔負けの素晴らしいスピーチでした。中学最高学年としての姿が見られ、教員としても新たな発見でした」と話す。

 中学生徒会が次に検討しているのは「朝学習」の改革だ。現在は毎朝、始業前の10分間、英単語テストや計算テストなどを行っているが、これを週1回は、生徒各人が自分のやりたい勉強に充てる時間にできないかと、生徒会で案を出し合っているという。

中学生が主体的に生活改革に取り組んでいる藤村女子
中学生が主体的に生活改革に取り組んでいる藤村女子

 さらに、7月には中学生だけの初めての行事となる「ミニスポーツ大会」も企画している。「ドッジボールを企画しています。休み時間には中1のクラスに行って意見を聞いています。みんなの意見を取り入れないと、全員が楽しくならないですから」と本川さんは張り切っている。 

 中学生徒会による改革の取り組みについて砂山教諭は、「本校は自主性を育む教育を行っています。生徒が出した意見を頭から否定することはしません。必要があれば、常識の範囲内で変えることも検討していきます。時代に合わせて、生徒が変えてほしいことや、新しく取り組みたいと思っていることを取り入れようと考えています」と、柔軟な受け止め姿勢を見せる。

 本川さんの担任の山口英恵教諭も、「本校は少人数教育で、生徒と教員の距離が近く、一人一人に密接に関わっています。だからこそ、その時々に必要な声掛けができ、生徒が主体的に成長していくのを見守っていけるのです」と語る。

主体的な姿勢が学習面にも好影響

生徒会を担当している砂山教諭
生徒会を担当している砂山教諭

 中学生徒会の活躍に引っ張られて、中学生全体にも活気が出てきたという。主体的な取り組み姿勢は、生徒会活動から学習面にも及ぶようになってきた。

 同校は「学習センター」を開設しており、平日は午後8時30分、土曜は午後8時まで開放している。チューターが常駐しているので質問もでき、集中して自習できる施設だ。これまでは大学受験を控えた高校生の利用が多かったが、最近、中学生の利用が増えているという。

 本川さんも、「クラスの友達がどんどん勉強して成績を上げているのを見て刺激を受け、自分も勉強するようになりました」と話す。「部活が午後6時30分から7時頃に終わるので、それから学習センターで8時30分まで勉強して帰ります。以前より頻繁に職員室に行って、先生に質問するようになったと思います」

 砂山教諭は、「本校は文武両道を掲げています。全国大会に出場する部活もたくさんありますが、将来そのスポーツで一生やっていける人は多くありません。大学進学も必要ですから、希望の進路をかなえるために、高3で部活を引退してから受験勉強を始めるのではなく、早いうちから毎日こつこつ勉強していくよう指導しています。ですから、中学生の多くが自発的に学習センターを利用するようになったのは喜ばしいことです。学習の取り組み全体に主体性が出てきていると感じます」と話す。

 学校行事でも勉強でも、主体的に始めた改革の波を途切れさせることなく、高校生たちにも負けない積極的な中学生活を楽しんでほしい。

 (文・写真:小山美香 一部写真提供:藤村女子中学・高等学校)

 藤村女子中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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745258 0 藤村女子中学・高等学校 2019/08/23 05:21:00 2019/08/23 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/08/20190816-OYT8I50010-T.jpg?type=thumbnail

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