「食品ロス」削減の重要性を英語で講演…中学受験サポートセミナー

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 「中学受験サポート」は10月3日、東京・大手町の読売新聞東京本社で、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長のンブリ・チャールズ・ボリコ(Mbuli Charles Boliko)さんによる講演会を開催した。この講演は会員校向けのセミナーで、進行は司会も含めて英語で行われた。ボリコさんは「FAOの役割と食品ロス・廃棄問題について」をテーマに、世界の飢餓や地球温暖化にもつながる「食品ロス」の削減などを訴え、参加した中高生たちは熱心に耳を傾けた。

食品の3分の1廃棄、飢餓や環境にも影響

「食品ロス」の現状や対策などについて、生徒たちに英語で語るボリコさん
「食品ロス」の現状や対策などについて、生徒たちに英語で語るボリコさん

 この日のセミナーには、首都圏の私立中高一貫校12校(浅野、桜蔭、海城、吉祥女子、実践女子、聖ドミニコ、桐朋女子、獨協、日出学園、明星学園、明星、八千代松陰)から、生徒100人と引率教師12人の計112人が参加した。司会は元読売新聞東京本社英字新聞部長で、現在、読売日本テレビ文化センター取締役経営統括の林路郎さんが務めた。

 「If you throw away hitokuti-dake,that will multiply……contributing to a huge problem for the planet(もしあなたが「一口だけ」と捨てると、それはどんどん増えていき……地球の大きな問題につながります)」

 アフリカのコンゴ民主共和国出身で、「英語は私の5番目の言語」というボリコさんは、ユーモアたっぷりに日本語も交えて、この日のメインテーマ「食品ロス」(Food loss and waste)について、生徒たちに熱っぽく語りかけた。

 ボリコさんは、世界で作られる食物の実に3分の1が、人々の口に入らず廃棄されている「食品ロス」の現状を説明。アフリカなどの貧しい国では、流通システムの未整備などで食品が腐るケースが多い一方、欧米や日本などの先進国では、食べ残しや売れ残りでまだ食べられるものまで捨てられている事態を指摘し、その膨大な「食品ロス」が世界の飢餓や地球環境にも深刻な影響を及ぼしていると強調した。

「必要以上に食品買わない」ムダなくす努力を

 ボリコさんの話では、現在、世界の約8億2000万人、9人に1人が栄養不足や飢餓に苦しんでいるという。その主な原因としてボリコさんは、紛争や自然災害などとともに「食品ロス」の問題をあげ、「捨てられている食べ物のうち4分の1を救い出せれば、世界中の人々が十分食べられるようになる」という試算を紹介した。

 また、廃棄された食べ物が燃焼処分されると二酸化炭素が発生する。こうした「食品ロス」に起因する温室効果ガスの排出量(Greenhouse gas emissions)は、実は世界1、2位の中国、米国に次いで多く、地球温暖化(Global warming)の大きな要因にもなっているというデータも示した。

 そのうえでボリコさんは、日常生活で取り組める「食品ロス」の削減方法をアドバイスした。そのコツとしてあげたのが、FAOでも提唱する「Shop smart」(賢く買い物をする)と、「Understand dates on your food」(消費期限や賞味期限など食品の日付の意味を理解する)の二つ。

 まだ十分食べられる賞味期限前の食品まで店の棚から撤去される日本の現状に対して、ボリコさんは「私はできるだけ期限切れ直前のものを買います。そのまま店に置くと捨てられてしまうし、そのほうが安いから」と話した。また、「スーパーに行く時は、いつも買い物リストを持参し、それ以外は買いません」と、自分の習慣も紹介した。

 そして、「Don’t buy more than you need.If you buy something,make sure you eat it(必要以上の食品は買わないこと。もし買うなら必ず食べて)」と語りかけた。

「SDGs」の達成へ、消費者の責任果たす

「Zero Hunger」などSDGsの17の目標が映し出された
「Zero Hunger」などSDGsの17の目標が映し出された

 また、講演の中でボリコさんは、「私たちはSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)の時代にいる」として、「Zero hunger」(飢餓をゼロに)など、2030年に向けて国連が掲げる17の目標を目ざし、FAOも積極的に取り組んでいると強調。「食品ロス」の削減は、SDGsの一つ「Responsible consumption and production」(つくる責任 つかう責任)にもつながると話した。

 さらにボリコさんは、日本は米国に次ぐ、FAOへの2番目の資金拠出国でありながら、世界中のFAOスタッフ3000人余りのうち日本人は40人ほどに過ぎないと指摘。将来、生徒たちの中からFAOで働く人が現れることを期待し、「Save the world from hunger and malnutrition(飢餓や栄養不足から世界を救って)」と呼びかけた。

 講演後、生徒たちとの質疑応答が行われた。「残った食べ物の活用」「世界の肥満の増加」などについての質問に、ボリコさんは、バナナの皮までメニューに生かしているフレンチの料理人で、FAO親善大使の中村勝宏さんの取り組みを紹介した。また、「私は毎日、みそ汁、納豆、豆腐を食べ、健康でスリムになりました」と和食の栄養バランスの良さを語り、食生活の正しい知識の大切さも伝えた。

 世界の食品ロスの課題などについて質問した桜蔭高等学校1年の小泉花音(かのん)さんは、「私たちが『食品ロス』を減らすことが、発展途上国の食糧問題の解決につながることを初めて知りました。とても新鮮なお話で、これから日々の生活の中で、自分も実践していけたらいいなと思いました」と話していた。

 セミナーの終了後、参加した生徒と教師たちは、学校別にボリコさんと一緒に記念撮影し、その後もしばらく、ボリコさんを囲んでにこやかに語り合う生徒たちの姿が見られた。

 (文・写真 中学受験サポート)

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896682 0 トピックス 2019/11/13 11:17:00 2019/11/13 11:17:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191113-OYT8I50019-T.jpg?type=thumbnail

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