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【特集】英語4技能磨き「世界で通用する輝く女性」へ…東京家政大附

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 東京家政大学附属女子中学校・高等学校(東京都板橋区)は、「世界で通用する輝く女性の育成」を目指し、英語4技能の教育に力を注いでいる。授業は「読む・聞く」のインプットから「話す・書く」のアウトプットへ、ネイティブと日本人の教員によるチームティーチングで段階的に進められる。また、ネイティブの教員が常駐するイングリッシュルームも用意され、英検対策などにも対応しているという。その授業内容について取材した。

「読む・聞く」インプットから「話す・書く」アウトプットへ

段階を踏んだ英語4技能の教育について説明する英語科主任の岩川教諭
段階を踏んだ英語4技能の教育について説明する英語科主任の岩川教諭

 同校は、「自主自律」を建学の精神に掲げ、インターナショナルスタンダードに基づく「世界で通用する輝く女性の育成」を目指している。そのための土台となる英語教育、とりわけ「読む・聞く・話す・書く」の英語4技能の習得には力を注いでいるという。

 現在、高3の生徒たちを中1から受け持っている、英語科主任教諭の岩川直子教諭は、「中学1年では英語を好きになってもらいたいので、楽しい授業になるように心がけました」と話す。英語教員間で「歌は効果がある」となれば、学年で共有して英語の音楽をかけたり、歌ったりすることも。「4技能のうち、インプットであるリーディングとリスニングをまずは徹底させて、それからアウトプットであるスピーチ、ライティングへと段階を踏んだ教え方をしてきました」と話す。

ヘーゼル・チュウ先生とLEの授業に取り組む生徒たち
ヘーゼル・チュウ先生とLEの授業に取り組む生徒たち

 今年度から中学2年次で英語による探究学習がスタートした。LE(Learning in English)と呼ぶその授業は、日本人教員とネイティブの教員によるチームティーチングで、英語を使っての課題の探究が行われる。今年の中2生は47都道府県のガイドブックの英語版製作に取り組んだ。

 シンガポール出身のヘーゼル・チュウ先生によるLEの授業では、最初に英語で互いに自己紹介をし、次に先生宛てに手紙を書く、それからガイドブック作りに取りかかるという手順を踏んだという。

 「生徒に話しかける時は、できるだけ彼女たちの知っているシンプルな単語を使います。次に慣用句を教えました。1人1都道府県を担当してもらい、それを友達と見せ合ったり、読み聞かせたりします。その後、クラスで発表してもらうようにして、少しずつステップアップしていくと、英語を話すことに抵抗がなくなるようです」

完成した英語版の都道府県ガイドブック
完成した英語版の都道府県ガイドブック

 製作したガイドブックは、A4サイズの紙を三つ折りにしたもので、説明を英文で手書きし、写真を切り貼りしたり、イラストを描いたりしてそれぞれの県などを紹介する。沖縄県では、サーターアンダギーやちんすこうなどのローカルスイーツを特集。京都府のものは古都のイメージにふさわしい色使いに工夫し、千葉県のものは東京ディズニーランドを中心とした紹介、宮崎県のものは特産品のマンゴーを象徴する黄色い郵便ポストの写真を使うなど、それぞれに個性的な力作がそろっていた。

 この授業に参加したある生徒は、「慣用句の使い方や、自分たちでも分かる英単語で英文を作るのが難しかったけれど、英語で探究の授業を受けたことで、英語の使い方が分かるようになった」と言い、また、ほかの生徒は「ガイドブックは、読みやすいよう一文を短くする工夫をしました。授業のおかげで文法の使い方もよく理解できるようになりました」とLEの成果を話した。

 ヘーゼル先生の授業プランでは、その後、生徒たちが好きな漫画も取り入れ、4コマ漫画をセリフ付きで10本ぐらい描かせる。漫画の吹き出しのセリフは、楽しみながら生きた英語を習得するのに役に立つそうだ。学年末には、日本民話の竹取物語を自分たちで解釈して創作英語ドラマに仕立て、みんなで演じる。ヘーゼル先生が同じく授業を受け持つ高校1年生では、ヘレン・ケラーなど実在の人物を題材にした創作英語劇をみんなで作り上げていくそうだ。

世界で起きている現実を英語で学ぶ

 岩川教諭が高校2年生のチームティーチングの授業で、生徒たちの成長の手応えを感じたのは、「銃規制」をテーマにしたアメリカ出身のメーガン・パルマー先生によるディスカッションの授業だったという。「アメリカで多発している銃による無差別殺人事件について、なぜ銃による犯罪が起こるのか、銃規制を訴えてデモをして、世界を変えようとする同世代たちをどう思うか。問題を提起して、議論させて、それを文章にまとめてもらいました。それまでは英語の勉強を『やらされている』と思っていた生徒が、社会や世界に目を向け始め、もっと知りたい、そのためには英語が必要だと自ら学ぶようになったことは、大きかったと思います」

 さらに「Black Lives Matter(黒人の命は大切だ)」の問題についても、アメリカ人の視点でメーガン先生から解説があり、生徒たちの心を動かしたという。

 チームティーチングの授業は、ファッションやメイクなど生徒が興味を持ちやすいソフトな話題も授業に取り入れてきた。「たとえば、友だちの結婚式に招かれた時のファッションとメイクについて英語でプレゼンしたりしました。切り口を変えて、SDGs(持続可能な開発目標)に絡めて、『1枚の洋服を作るために水をどのくらい使うのか』などの問題にまで発展させることもあります。英語は世界の同世代の人が何をしているのかを知り、社会でいったい何が問題なのかを知る『道具』だからです」

イングリッシュルームで英語への苦手意識をなくす

5人のネイティブの教員
5人のネイティブの教員

 同校には、ネイティブの教員5人が交代で常駐する「イングリッシュルーム」がある。生徒たちは朝、昼休み、放課後と気軽に会話のレッスンを受けることができる。

 1学期の朝は、新入学した中1と、高1の生徒が、それぞれクラス単位でイングリッシュルームに招かれる。ネイティブの教員と仲良くなってもらい、イングリッシュルームの使い方にも慣れてもらうのが狙いだ。

 「ネイティブの教員との会話の予約は生徒自身が行います。予約の方法や、室内に何があるかを知ってもらうためです。英語の本や外国映画のDVD、ボードゲームも多数そろっていますから、ここでネイティブの教員と英語で交流するだけで、英語への苦手意識がなくなるでしょう」と岩川教諭は話す。

 ネイティブの教員は、実用英語技能検定の受検対策も行う。生徒一人一人に合わせて、面接の練習やリスニングのチェックなどをし、アドバイスする。高校生を担当するフィリピン出身のジーン・セイルズ先生は、6月に英検準1級に合格した生徒をフォローした。「受検の前に、その生徒は自信をなくしていました。だから、わたしは『少し休憩しなさい』とアドバイスして、それを聞き入れた彼女は調子を取り戻してくれました」

 中学校入試部長の諸坂喜美教諭は、「生徒たちにとってネイティブの先生は、あこがれの存在です。少しだけ年上のお姉さんたちなので、気持ちが通いやすいのでしょう」と語る。

 このほかにもネイティブの教員は、生徒と「ジャーナル」と呼ぶ日記を交換したり、定期テスト明けの英語プレゼンテーション力育成講座、さらに希望者向けの自宅でのオンライン英会話にも対応したりして、生徒の英語学習環境を整えている。

 岩川教諭は、「中学1年生の頃はライティングも3、4行でしたが、高校3年生では200語書く生徒もいます。大学入試が50語前後なのを考えると、成長したと思います」と目を細める。

 同校には、25歳になった時に、社会の中でどのように自己実現しているかを想像し、そのために今なすべきことを考え、積み重ねていく「ヴァンサンカン・プラン」というキャリア教育プログラムがある。大学を卒業し、社会に出て3年目。当たり前のように英語を使いこなし、世界へ向けて意見を発信できる女性になっていてもらいたい。

 (文:田村幸子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:東京家政大学附属女子中学校・高等学校)

 東京家政大学附属女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方は こちら

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2307130 0 東京家政大学附属女子中学校・高等学校 2021/08/30 05:01:00 2021/08/30 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210823-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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