【特集】学校完結型教育プログラムで過去最高の大学合格実績…安田学園

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 安田学園中学校・高等学校(東京都墨田区)は今春の大学受験で、東京大学に2人合格者を出すなど過去最高の進学実績を上げた。2014年に共学化して迎えた1期生であり、前年から始まった中高一貫教育を受けた世代だ。真価を見せた同校の教育プログラムについて、進路指導部長の市川祐先生と、英語科の藤村高史先生に話を聞いた。

6年間を三つのステージに分ける

「学び力」と「進学力」の伸長システムについて説明する市川先生
「学び力」と「進学力」の伸長システムについて説明する市川先生

 2019年度の大学入試で同校は、国公立46人、早慶上理ICU59人、GMARCH202人と過去最高の合格実績を上げた。17年度、18年度の実績は、国公立がそれぞれ30人、49人、早慶上理が22人、34人、GMARCHが101人、144人であり、着実な伸びを見せていることも分かる。進路指導部長の市川先生は、「学校完結型の学習環境のもと、一貫教育プログラムが軌道に乗ってきたことが、成果につながりました」と分析する。

 同校は一貫教育のメリットを生かすため、中高の6年間を三つのステージに分ける。1年生と2年生をステージ1、3年生から4年生をステージ2、5年生から6年生をステージ3とし、ステージ1・2・3の5年2学期までを「学び力伸長システム」、ステージ3の5年3学期から6年生を「進学力伸長システム」と位置付けている。

 「学び力伸長システム」は、自律した学習者の育成を目標としている。「まずは学習習慣の定着を図ります。具体的には、定期考査や模擬試験の前に、学習計画を立てて実行する。試験後は振り返りをして、学習法や計画を見直します。この作業を繰り返しながら、自分に合った学習法を確立していきます。また、朝に英語や数学のチェックテストを実施し、放課後に補習を行っています。最初は教員が丁寧に指導しますが、少しずつ生徒の自立を促し、ステージ2ではチューターが補習などを担当します」

ネイティブスピーカーの先生とオンライン英会話を行う生徒
ネイティブスピーカーの先生とオンライン英会話を行う生徒

 自学自習を習慣化するために、家庭学習も徹底させる。今年度からは、授業動画サービス「スタディサプリ」の動画や演習問題、記憶定着に特化したアプリ「Monoxer(モノグサ)」を導入するなど、ICTも家庭学習に活用している。「演習問題の採点も自動で行われるので、すぐに学び直しができます。また、点数や動画視聴の記録も管理されるため、生徒たちの学習状況を把握することができます」と、市川先生はICTのメリットを話す。

 また、探究型の学習にも力を注いでいる。「あるテーマに対して、疑問や課題を見つけ、仮説を立てて検証し、論理的に探究することを大切にしています。また、生徒たちには、授業だけでなく、生活全般で探究することを勧めています。たとえば部活でスポーツに励む中で、フィジカルなことに関心を持ち、研究するのも探究です。それが自ら考え、学ぶ力となっていきます」

個別対応の放課後講座で進学力を伸ばす

カリキュラムと教科の学習法が書かれたシラバス
カリキュラムと教科の学習法が書かれたシラバス

 5年生の3学期からの「進学力伸長システム」では、それまでに身に付けた自学力を、進路実現に生かすことを目指している。その取り組みの一つが、志望校に特化した放課後講座だ。市川先生によると、通常の授業ではGMARCH合格レベルの学習を実施し、よりハイレベルな内容を放課後講座で個別に行うという。「東大に合格した生徒も、『どの教科で何点取るか』『弱点をどうカバーするか』などを常に教員と話し合いながら、学習を進めていました。今年は一橋大学を受験したい生徒が多いので、講座も一橋大の入試傾向に沿って、アレンジをしています」

 国語科教諭である市川先生も、講座で20人ほどの生徒を受け持ち、それぞれの志望校に合わせて、個別に添削をしているそうだ。「生徒の能力だけでなく、性格までも知っている授業担当者が、生徒に合わせた講座を開き、可能性を引き出していく。学校が指導する強みは、そこにあると思います」。同校の進路指導の特色は、面談や質問の対応など、教員と生徒が密に関わっていることだ。シラバスも、各教科の教員が、どの時期まで何をすればよいのか、きめ細かく学習法を作成し、それを生徒と共有して、授業や講座を組み立てている。

 放課後講座以外にも、長期休暇を利用した講習や合宿を実施し、手厚くサポートを行っているという。

英語4技能の習得が進学実績にも反映

英語力が大学受験を左右するほど重要であることを説明する藤村先生
英語力が大学受験を左右するほど重要であることを説明する藤村先生

 同校が力を入れている英語教育も、進学実績の向上に大きく役立っている。藤村先生によると、大学入試で良い結果を出している生徒の多くは、英語を得意科目とするか、苦手としないレベルまで引き上げているそうだ。シラバスでは、英語が受験を左右するほど重要であることも詳しく説明している。

 また、学年ごとに学習のばらつきが出ないように、オンライン英会話や実用英語技能検定(英検)は、学校全体の取り組みとして、進路指導部が主導している。英検は生徒全員に受検を義務付け、学年ごとに取得級の目標を定めて対策指導を行っている。ちなみに「先進コース」では3年修了時点で、準2級以上の取得率は89%に上るという。

 近年の入試では英語4技能を問う大学が多くなり、同校でも4技能をバランスよく取り入れた授業を展開している。4年前には、プレゼンテーションも授業に導入した。「当時の入試は、まだ『読む・書く』の2技能が主流で、受験に向かないという意見もありましたが、『話す』を入れることで、生徒たちに英語で考える姿勢が備わり、書く力や読む力にもつながっていきました」と藤村先生は話す。

 先進コースでは、英語の授業で探究型学習も実施している。4年生は、各自が研究したテーマについて、英語で論文を書き、5年生になると全員が英国研修に参加し、現地の大学の教授や学生に向けてプレゼンテーションを行う。

 また、同校は、スピーチコンテストや英単語コンテスト、イングリッシュ・キャンプ、海外研修など、多様なプログラムを用意している。「英語で会話をするのが好きな生徒もいれば、文法を覚えるのが得意な生徒もいます。たくさんの選択肢から、自分に合ったものを見つけ、学ぶモチベーションを高めてほしいですね」と、藤村先生は期待を込める。

 今後の目標は、「生徒全員が国公立大学を第1志望に定められる学力を形成すること」と、市川先生は言う。「どの教科の学びも、生徒にとって有用です。そういう観点からも、幅広い知識を必要とする国公立を目指してほしい。そして、さらに大学で教養を身に付け、社会に貢献できる人に育ってほしいと願っています」

 (文:北野知美 写真:中学受験サポート 一部写真提供:安田学園中学校・高等学校)

 安田学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1624418 0 安田学園中学校・高等学校 2020/11/18 05:01:00 2020/11/18 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201113-OYT8I50038-T.jpg?type=thumbnail

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