【入試ルポ】千葉県入試ピーク、11倍の壁に挑む…昭和秀英

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 千葉県の私立中学入試がピークに差しかかる1月22日、県内屈指の進学校、昭和学院秀英中学校・高等学校(千葉市)で2回目の一般入試が実施された。同県内の人気校とあって定員100人に対し、受験者は1151人に達した。入試風景を取材するとともに、入試広報部長の安斎英武教諭に求める生徒像などを聞いた。

塾講師が手をギュッと握って激励

 朝7時を回ったころ、JR海浜幕張駅から通勤客に交じって受験生と保護者らしい姿が続々降りてくる。やがて同校の校門に向かって10分ほどの道のりを歩く列ができあがった。

 開門時間は7時30分だが、余裕を持って早めに来る受験生も多いため、同校は6時50分ごろに開門を繰り上げ、保護者控室である体育館で休めるようにしていた。

受験生らが続々集まってくる正門前
受験生らが続々集まってくる正門前

 8時過ぎくらいには受験生らの入場はピークを迎えた。塾の関係者らも校門から校舎正面玄関の手前までズラリと列を成し、塾生を見つけては声をかける。子供の目の高さに腰をかがめて手を取り、「落ち着いて頑張って」と激励したり、「まず問題全部に目を通し、できる所からやっていこう」など実践的なアドバイスを行ったりしている。握手しながら「もっと強く、ギュッと握って」と明るく気合を入れる姿もあった。

 子供たちに声をかけていた塾講師の1人に話を聞くと、「昭和秀英は千葉県下で指折りの人気があり、第1志望にする生徒は多いです。試験問題の傾向としては、社会の全問題で固有名詞を漢字で書かせるなどいくつか特徴があるので、それらを踏まえた指導も行ってきました。今までの努力を信じて頑張ってほしいですね」と話した。

 塾の行列を抜けた正面玄関前では、多くの親子がいったん立ち止まって、試験前の最後の確認をしていた。受験票や持ち物をチェックし、「自信持ってね」「式をちゃんと書いて計算を」などとアドバイスしている。我が子の肩を抱き寄せたり、ハイタッチしたりして、緊張をほぐそうとする姿もあった。

 この日の試験は国語・理科・社会・算数の4教科。校舎に入った受験生たちは8時40分までに試験室で着席し、午前9時から1教科目の国語の試験に挑む。保護者たちは、いったん自宅に戻るなり、控室に向かうなりし、午後0時45分の試験終了まで、気をもみながら待つことになる。

 この日行われた第2回の一般入試は、100人の募集に対し1302人が出願し、1151人が受験した。11倍を超える倍率だ。昨年12月1日に行われた第1志望者対象の第1回入試では、20人の募集に対し434人が出願。また、1月20日に行われた算・国2科目の「午後特別入試」でも、30人の募集に対し928人が出願している。人気校だけにかなりの激戦となっている。

控室となった体育館内には落ち着いた中にも緊張感が感じられた
控室となった体育館内には落ち着いた中にも緊張感が感じられた

 保護者が集まった控室にも、緊張感が色濃く漂っていた。700~800脚ほど並べられた椅子の7、8割が埋まる大人数だが、静けさが室内を覆っている。知り合い同士や夫婦が会話を交わす様子はあったが、ほとんどの人は読書したり、スマートフォンやPCを操作したりして、無心で待つ姿が大半だった。

「面倒見の良い学校」らしいさまざまな配慮

 厳しい戦いに臨む受験生と保護者のために、学校側もさまざまな配慮をしていた。

 保護者の控室は適度な室温に温められ、後方には熱いお茶の入ったサーバーが用意されていた。横手に準備された手指消毒用のアルコールも、流行中のインフルエンザに対する学校側の気遣いだ。

 33室の試験室にはそれぞれ、試験監督を務める2人の教員と、中3生の男女1組を試験補助員として配し、問題用紙の配布や回収、トイレの付き添いなどを担当させていた。

 遅刻した受験者も試験開始後20分まで入室可としている。交通機関の乱れなどやむを得ない理由で遅れた場合は、別室で同じ時間条件で受験することができる。また、インフルエンザやその他の感染症にかかった受験生にも、受験室をそれぞれ用意。保健室も普段通りに開かれ、受験生の体調急変などに備えて養護教員2人が待機していた。

 同校は、きめ細かい進学指導やキャリア教育で知られ、しばしば「面倒見の良い学校」と呼ばれるそうだ。受験生らに対するさまざまな配慮にも、同校らしい「面倒見」の良さがうかがわれた。

「入試にも好奇心をもって取り組んでほしい」

入試広報部長の安斎英武教諭
入試広報部長の安斎英武教諭

 入試広報部長の安斎英武教諭は、「さまざまなことに好奇心を持って取り組めるような子を求めています」と話す。

 昨年度から導入した2科目の「午後特別入試」もそうした素質を持った子を見つけるための取り組みだ。試験科目は国語と算数で、国語は記述式として表や長文を読み込んだりする思考力を重視しており、算数は4教科試験より問題量を多くして素質の高さを見極めるようにしているという。

 「本校の6年間で、大学進学の先まで見据えた夢を持ってほしい。たとえば現在本校には、プロダクトデザインの仕事を夢見て美大を目指す生徒もいますが、それも大いに結構です。自分の可能性と出合う6年間にするために、いろんな方向にアンテナを張ってほしい。今回の入試問題も、好奇心をもって当たれば将来へのヒントを見つけられるかもしれない。そうした気持ちで取り組んでもらえるとうれしいですね」

 受験生の夢と学校の期待が出合う第2回入学試験は無事終了した。入試結果は翌日、学校のWEBサイトで発表された。

(文:上田大朗、写真:中学受験サポート)

 昭和学院秀英中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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426288 0 昭和学院秀英中学校・高等学校 2019/02/06 11:36:00 2019/02/07 09:37:29 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190206-OYT8I50004-T.jpg?type=thumbnail

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