「卒業しても恋しくて帰って来たくなる」…晃華

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 晃華学園中学校高等学校(東京都調布市)を2018年春に卒業した2人が、久しぶりに母校を訪れた。2人が中2の時に担任だった西山恵子先生は、同年度、新校長に就任したばかり。再会を機に3人で学校生活の思い出や晃華学園の魅力を語ってもらった。

母校を訪れたのは内田絢子(うちだあやこ)さんと渡邊侑々子(わたなべゆゆこ)さん。内田さんは現在、順天堂大学医学部の1年生だ。高2の時に生徒会にあたる「Student Council(略称S.C.)」の役員を務め、卒業時には「学業に優れ他の模範となる者」として毎年1人だけに贈られる晃華賞を受賞した。同級生だった渡邊さんは、現在早稲田大学創造理工学部で建築を専攻している。高2の時は、同校でもっとも大きなクラブの一つである音楽部の部長を務め、卒業時には6か年皆勤賞を受賞した。

心をかけ、声をかけ、手をかける

西山恵子新校長(中央)と卒業生の内田絢子さん(左)、渡邊侑々子さん
西山恵子新校長(中央)と卒業生の内田絢子さん(左)、渡邊侑々子さん

――担任されていた頃、2人はどんな生徒でしたか。

西山恵子校長(以下、校長) そうですね。個人的なことになりますが、渡邊さんはちょうど私が担任をしていた中2の時にお母様を亡くされましたね。登校してきた渡邊さんの表情や様子を見ていつも心配していたのですが、2学期になると少しずつ顔が上に向いてきて、ほっとすることが増えていきました。

渡邊 その年の夏休みの面談の時に父から、母が私をこの学校に入学させたがっていたという話を聞きました。私は、学校で教わって心に残っていた「神はあなたがたを耐えられないような試練に遭わせない」という聖書の言葉を父に伝えたことを覚えています。クラスメートや部活の友だちがずっと支えてくれたことも大きかったですね。

校長 あの頃、ああ、この学校には生徒同士の深い心のつながりがあるのだな、と感じていましたよ。渡邊さんはそのあともずっと卒業まで皆勤しましたね。あなたが卒業証書や皆勤賞を受け取る姿を、きっと見守ってくださっていたと思います。内田さんは、宗教の時間に感想文を書いてもらうと、「自分のことがイヤになる」と書いたことがありましたね。私はそれが気になっていましてね。静修会でシスターをお呼びした時に、歌を歌ってくださったことがあったでしょう。覚えていますか。?

内田 「命」という歌ですよね?

校長 シスターに来ていただくことになったとき、あの歌を聞いてもらいたい、と思ってお願いしたのよ。

内田 そうだったんですか。今初めて聞いてびっくりしました……。でも、それからはそういう気持ちになることがあっても、「やりたいことを一生懸命やっていこう」と思えるようになっていった気がします。

――校長は生徒一人一人をよく見ているんですね。

校長 私はもともと看護師でした。看護師の仕事をしているとき、「人に尽くすことが自分の使命」だと悟って、修道院に入りました。その間に2年間だけ、晃華で宗教を教えるために非常勤講師をしました。教員になったのは14年前ですが、保健室のお手伝いもしていました。

 実はね、最初は教員になるのは気が進まなかったんです。担任になった時も、産休に入ることになった先生の代わりに、急きょクラスを受け持つことになって。でもあるとき、「私がこの空間にいる意義は、『思い』を持って存在することだ」と気付いたんです。それからは学校で教えることがとても楽しくなりました。遠くでそっと見守りながら、生徒たちに思いをかけ、心をかけ、声をかけ、手をかけるのが私の務めです。足だけはかけませんけどね。

よく怒られたけれど先生が大好き

――2人にとって、どんなことが在学中の一番の思い出ですか?

内田さんは、高3の「晃華祭」でクラスリーダーを務めた
内田さんは、高3の「晃華祭」でクラスリーダーを務めた

内田 高2の時にS.C.の役員、高3の文化祭でクラスのリーダーとして喫茶委員をやったことです。全体を見ながら、みんなの仕事がうまくいくようにまとめていく役をやってみようかなと思って、どちらも立候補しました。実際やってみると、周りのみんなとお互いに助け合うことがたくさんありました。後は放送研究同好会で、「NHK杯全国高校放送コンテスト」東京都大会で入賞し、全国大会へ出場したことですね。

渡邊 私が音楽部の部長をしていたとき、5月のスプリングコンサートの場内アナウンスを内田さんにお願いしたよね。音楽部は大きなクラブで、中1から高3までの80人くらいを取りまとめていました。大変なことも多かったですが、他の部活の部長たちと仲が良くて、お互いの悩みを部長同士でいつも話し合っていました。

中2の時の合唱コンクールでは優秀賞を受賞した
中2の時の合唱コンクールでは優秀賞を受賞した

内田 中2のクラスは、合唱コンクールで先輩たちを差し置いて優秀賞を受賞したよね。イベントになると、とにかく全力を尽くすクラスだった。

渡邊 すごく覚えているのが中2の修学旅行。みんなでアルバムを作って、旅先で先生にプレゼントしたんです。でも先生、全然開けてくれなくて。帰りの新幹線の中で、いつ見てくださるんだろうって、みんなでひそかに待ってたんですよ。

内田 京都ではマグカップもプレゼントしましたよね 

校長 なんだか恥ずかしくって、照れくさかったのね。すぐには開けられなかったのよ。あのマグカップは今でも大切に使ってますよ。

内田 しょっちゅう怒られてたけど、クラスのみんな、シスターのことが大好きでした。

先生と生徒の距離が近い小規模校のよさ

――晃華の良さとはどんなところですか?

飾り気のない言葉を交わす2人の卒業生と西山校長(左)
飾り気のない言葉を交わす2人の卒業生と西山校長(左)

校長 家庭的な雰囲気の中、生徒たちが伸び伸びと大きくなっていくところですね。また先生と生徒の距離が近く、教員が生徒一人一人のことをとてもよく分かっています。心配だなと思う生徒には、みんなで心を向けてあげられる。小規模校だからこそのメリットですね。

内田 ここでは、無理して大人にならなくてもいい、急いで背伸びしなくてもいいと思えました。私はいろいろな活動をしましたが、仲間同士すごく信頼し合っていて、時には先生や友達に甘えることもあっても、それが許される環境でした。大学受験の勉強も、塾に行かなくてもいつでも職員室に飛び込んで先生に質問していました。みんな学校が大好きで「住みたい!」って言っていたくらい。

渡邊 本当に楽しかったよね。卒業してから、学校が恋しくて門だけ見に行ったっていう子もいましたよ。先輩たちもよく遊びに来ていらっしゃったし、晃華には学校に行きたくなる雰囲気があるのだと思います。

校長 大学生活はどう?

内田 今は寮生活ですが、寮には医学部だけでなくいろいろな学部の人や自分とはまったく違う経歴の人がいて、日々刺激をもらっています。

渡邊 早稲田大学は1年次から専門の勉強が始まるので、課題が多くて大変です。でも同じ夢に向かって一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しているという環境が新鮮ですね。

――これから晃華を目指す人にメッセージをお願いします。

内田 晃華の6年間は、行事にも部活にも全力投球できました。大学受験はもちろん、学校生活でいろんなことを楽しんでみたいという人にはピッタリの学校だと思います。

渡邊 私は(中学)受験組ですが、「ここに入りたい」と思ったのは文化祭に遊びに来たのがきっかけ。一度足を運んで学校の雰囲気を感じてみてください。

 2人の卒業生と西山校長の交わす飾り気のない言葉を聞きながら、いかにも温かな間柄を感じた。こうした関係性が思春期の生徒たちの成長にどんなによい影響をもたらすか、容易に想像できるところだ。

(文・写真:石井りえ 一部写真提供:晃華学園中学校高等学校)

 晃華学園中学校高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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301435 0 晃華学園中学校高等学校 2019/01/24 05:20:00 2019/01/24 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190123-OYT8I50052-T.jpg?type=thumbnail

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