知的好奇心が開花する文化発表会…秀明八千代

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 秀明八千代中学校・高等学校(千葉県八千代市)で2018年10月13、14の両日、文化発表会「光風祭」が行われ、学校関係者や地域住民などでにぎわった。光風祭は、クラス企画や文化部の発表を通して、日頃の学習成果を広く学校内外の人々に披露する機会となっている。中学各学年の学習発表企画や教科別の展示について紹介する。

普段の学習成果を発表し、評価を受ける場

地域住民の関心も高く、次々と来場者が姿を見せる「光風祭」
地域住民の関心も高く、次々と来場者が姿を見せる「光風祭」

 今年の光風祭のテーマは「Turn the Page~新たな道~」。生徒からのアンケートと投票で決定したという。パンフレットの巻頭には「一人ひとりにとっての新しい1ページを精一杯表現できた」という実行委員の言葉が掲載されており、この行事への意気込みを感じさせる。

 中学入試担当の小池裕介教諭によると、光風祭はいわゆる文化祭ではなく「文化発表会」だという。生徒たちが日頃の学習成果を発表し、評価を受ける場であり、個人の研究や中学校のプロジェクト学習の発表が主に行われ、クラス企画も学習や研究に基づく発表展示が多い。弁論大会や英語スピーチコンテストも行われる。小池教諭は、受付付近で来客対応に追われながら「教員にとっても生徒の成長を確かめる楽しみな機会です」と話した。

 地域住民の関心が高いのも光風祭の特色だという。初日の開場時間前後には、生徒や卒業生らしい人々に加え、小・中学生の家族連れや一般の人々が、スクールバスが到着するたび次々と姿を見せた。

 まずは教科ごとの展示企画を見た。中・高各学年の生徒が自らの関心事を探究し、模造紙やリポート用紙などにまとめた研究成果が、教室の壁やテーブルを埋め尽くしている。

 理科の発表では、各生徒が身の回りの植物を1種類選んで詳細に調べた写真付きリポートが展示されていた。周囲の壁には、自由研究を模造紙数枚にまとめたポスター発表がびっしり。「果汁からDNAを取り出す」「牛乳からプラスチックをつくる」など、実験結果をまとめた発表が目立つ。「しゃぼん玉の研究 糖度と膜の強さを追求する」という中2生の発表は、リポート用紙100ページを超える力作だ。添えられていた自己紹介メモには「小学校1年生のときから研究を続けています」と書かれていて、生徒の意欲の高さと、それをじっくり見守る学校の姿勢が感じられた。

 社会科は、身近な町や歴史上の人物、時事・社会問題などをテーマにしたポスター発表だ。壁一面に掲示された発表のテーマ「ノーベル賞」や「関ヶ原の戦」「ウォルト・ディズニー」「地球温暖化」などさまざまで、生徒の多様な興味がうかがえた。

オリンピック・パラリンピックの歴史や競技について調べた展示
オリンピック・パラリンピックの歴史や競技について調べた展示

 数学科の展示は、A4のリポート用紙にまとめた自由研究の発表だ。中学生による数学者のレオンハルト・オイラーの研究や、古代民族が使った数字をまとめた研究など、バリエーションの幅が広い。高校生になると「京都大学の入試問題を中学校までの知識で解く」という意欲的な作品も見られた。

 保健体育科の展示は新たに企画された。同校が千葉県の「オリンピック・パラリンピック教育推進校」に指定されたことを踏まえたもので、「東京2020を考える」というテーマで、オリンピック・パラリンピックの歴史や競技について展示した。教室にはパラリンピック競技の一つ「ボッチャ」のコートが再現され、ゲームが楽しめるようになっていた。表彰台を模したフォトスペースには、用意した紙製の金・銀・銅メダルを使って記念写真が撮れる遊び心のあるコーナーもあった。

団結をアピールする部活の発表

屋外の特設ステージでダンス部がパフォーマンスを見せる
屋外の特設ステージでダンス部がパフォーマンスを見せる

 部活動にとっても、日頃の活動を内外にアピールする良い機会だ。屋外の特設ステージでは、ダンス部の発表が人目を引いていた。同部は女子部員中心だが、男子部員も3割ほどいて、チームを組んでのパフォーマンスもあった。最後には男女全員でDA PUMPのヒット曲「U.S.A.」のダンスを披露し、会場を沸かせた。

 創立3年目というクッキング部は自作の出来立てカップケーキを提供する企画で、オープン直後にテーブル席が満員になる人気だった。部長を務める高2の花田圭史君は、家でもハンバーグなどを作るほどの料理好き。「可愛(かわい)いスイーツを作りたい」という中1の成田百花さんは「先輩、後輩の距離がなく、楽しい部活です」と元気に話した。

 関東大会出場の常連という吹奏楽部の発表では、演奏の質の高さに加え、女子2人が軽妙な掛け合いでプログラムを進行した。曲の解説や聞きどころの紹介に受賞実績も織り込み、巧みに部をアピールしていた。

 いずれの部でも、男女や学年の別を超え、好きなことに団結して打ち込む校風が感じられた。

プロジェクト学習による成長も

「PGTプログラム」の成果として中1は草木染めを発表
「PGTプログラム」の成果として中1は草木染めを発表

 中学校の学年企画は、同校独自のカリキュラム「PGTプログラム」の成果発表だ。PGTプログラムは「P(実践力)」「G(国際力)」「T(伝統力)」の育成を柱とし、学年ごとのプロジェクト学習や校外学習などを通して、社会貢献への意欲と未来を開く力を育むという。

 1年は、学年前半で行った味噌(みそ)づくりと草木染めの発表。教室には良い香りのする味噌の完成品が班ごとに展示され、後ろのパネルに味噌の種類や歴史などのポスター発表を掲示した。タマネギの皮による草木染めは、染料を繊維に定着させるミョウバンなどの媒染剤を使って色の濃淡を出し、デザインも工夫した作品が並んでいた。

 2年は、1学期に実施したイギリス英語研修を踏まえ、班ごとにイギリスの文化について調べた事後学習の発表展示だ。

 この中で「ビートルズ」をテーマに調べた加藤舷杜君の班は、メンバーやアルバムについての発表に加え、アニメ映画「イエロー・サブマリン」をモチーフにした立体工作を展示した。

 「ビートルズの明るいキャラクターに引かれました。インタビューにジョークで返して場を沸かせるやり方など、コミュニケーションにも役立ちそう」と加藤君は話した。

 長島衣里さんの班は、紅茶の種類別の味や香りについて研究した。発表のディスプレーも工夫し、段ボールで作った大きな柱に、模造紙を使ったポスター発表とイギリス研修時の写真を楽しげにレイアウトしてある。

 長島さんは、イギリス研修のおかげで苦手だった英語への積極性が増したという。「片言でも通じたことがうれしく、頑張れるようになりました。発音のイメージも少しつかめたと思います」

 3年は職場体験の発表展示だ。担任の山内吹十教諭は「中3は義務教育最後の年。来年から社会に出て働くこともできる年齢です。そうした時期に一度きちんと仕事について考えてもらいたいと思い、昨年から職場体験を導入しました」と話す。

 八千代市のJA(農業協同組合)を訪問した地引優斗君は、商品の袋詰めなどさまざまな作業を、職員が息を合わせて効率よく進める様子が印象に残ったという。「周りの様子に目を配り、声をかけ合うなど、普段の生活で参考にしたいことが学べました」と話した。

 嶋田汎君は、地域のフリーペーパーを制作する新聞社を訪問し、一緒に行った班の友達を紹介するインタビュー記事の作成を体験した。「小さな記事一つにも多くの手間がかかっていると知りました。体験以後、見せ方の工夫に注意して新聞を読むようになりました」

 高校はクラスごとの自由企画となる。クラス演劇、動画発表など楽しい企画もあるが、第2次世界大戦後の復興に関する展示発表や世界史をテーマにしたクイズ企画、古今の偉人の名言を集めた展示、各国の世界遺産の建造物を再現したジオラマ製作など、日頃の学習内容が生徒の興味と結びついた企画が多かった。

社会とつながるステップとして

 学習発表を展示した教室に、生徒は交替で詰めて、来校者に対して展示の説明を行っていた。小池教諭は、「社会でプレゼンテーション力が求められていると言いますが、実は多人数への単方向的な発表よりも、対話の中で臨機応変に説明する力が重要になります。その力を磨く取り組みの一つです」と語る。今回話を聞いた生徒たちも、やや緊張した面持ちながら、自分の発表について堂々と語ってくれた。

 日頃の授業から一歩踏み込んだ考察やプロジェクト学習によって、生徒は自分の興味を発展させ、友達や学校外の人々とのコミュニケーションを通して人間的にも成長する。彼らが社会と積極的につながり、活躍する未来に期待したい。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート担当)

 秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

422951 0 秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校 2019/02/05 05:20:00 2019/02/05 12:01:58 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190201-OYT8I50039-T.jpg?type=thumbnail

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