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【特集】「主体的に学ぶ姿勢」作りから次の飛躍へ…秀明八千代

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 秀明八千代中学校(千葉県八千代市)が実践している「PGTプログラム」は、富谷利光校長が、同校の教育テーマに手を加えて作った中学の学習プログラムだ。スタートから6年がたち、「主体的に学ぶ姿勢」は学校全体にみなぎってきているという。このプログラムの意義や今後の課題を、秀明大学学校教師学部の附属校のメリットと合わせて、富谷校長に聞いた。

「上から引き上げる」「下から支える」

 富谷校長は東京大学を卒業後、千葉県の公立高校の国語科教諭を長く務め、県立千葉高等学校の中高一貫化に携わるなどの実績を上げてきた。秀明八千代中学が学校教師学部附属校となった2015年に中学校長に就任し、同学部の教授も兼任している。

 ――秀明大学学校教師学部の附属校であることには、どのようなメリットがありますか。

秀明大学で講義を受ける生徒たち
秀明大学で講義を受ける生徒たち

 生徒の学力を「上から引き上げる」「下から支える」という二つのメリットがあると考えています。

 「上から引き上げる」とは、初等・中等教育の研究に特化した学校教師学部の知見を基に、「楽しく学ぶ」「見方・考え方を鍛える」という学びの本質を踏まえた先進的な教育を提供できることです。「主体的・対話的で深い学び」への授業改革が国に求められていますが、例えば普段の授業でも、知識の深まりを「知っている」「分かっている」「使うことができる」という三つの段階で捉え、知識の習得から問題解決力に結びつく学習の仕組みを取り入れています。

 また、年に数回、生徒は秀明大学を訪問し、さまざまな分野の教授による講義を受けています。以前に行った「運動の法則」をテーマにした授業では、波打つレールの上で金属球を転がす実験の動画を撮影し、スロー再生するなどして物体の運動のあり方を体感的に探りました。また、ゼブラフィッシュの研究を行っている教授の指導で発生の様子を観察し、遺伝子の働きを学ぶなど、中高ではなかなかできない授業が受けられます。

 「下から支える」とは、学校教師学部の学生がインターン生として、授業のサポートに当たってくれることです。彼らは大学1・2年次には近隣の公立小中高校で経験を積み、その代表者が3・4年次に本校へ配属されます。日常的に授業に立ち会い、個別指導に近い形で質問に答えたり、アドバイスを行ったりすることで、生徒をきめ細かくサポートし、学力の向上に導きます。彼らには、休み時間や学校行事においても生徒と交流し、楽しく学びやすい学校環境づくりを担ってもらっています。

学ぶことに前向きな生徒が増えた

 ――「PGTプログラム」の考え方と、現状について説明してください。

探究学習でSDGsに関する調べ学習をする高校生たち
探究学習でSDGsに関する調べ学習をする高校生たち

 本校はもともと、「Global skills(国際力)」「Traditional skills(伝統力)」を学びのテーマとしていました。校長として赴任するにあたり、今後求められる主体的・対話的な学習を踏まえた「Practical skills(実践力)」の向上を加えてつくったのがPGTプログラムです。 

 プログラムは、中学各学年に対応した三つのステップで進められます。中1の「日本を知る」ステップでは、みそ作りや古典芸能の鑑賞・体験を通して、日本の歴史や文化を肌身で理解する。中2の「世界を知る」では、イギリス英語研修とその事前・事後学習としての探究活動のほか、地域から世界へ意識を広げる「グローカル」の観点から社会を考えます。中3の「将来を考える」では職場体験のほか、「社会問題研究プロジェクト」として、秀明大学の中で自分が興味のある研究室を訪ね、ミニサイズのゼミ活動を行うなどします。これらを通してPGTの三つの「力」を磨きます。

 ――このプログラムは、高校の学習にはどうつながっていきますか。

 中学で身に付けた三つの「力」を、高校でのSDGsをテーマとした探究学習でさらに磨きます。1年ではクラスやグループで共通テーマを設けた調査活動やディスカッションを行います。2年では個人テーマを決め、小論文やリポートを作成・発表します。

 ――こうした教育は生徒たちにどういう影響を及ぼしていますか。

 学ぶことに前向きな生徒が増えました。授業とは別に自主的な探究活動を始め、成果を見せに来る子もいます。昨年度も高1の歴史好きの生徒が、戦国時代の人物の相関関係や戦略・戦術を簡単なイラストにまとめてきて、レクチャーしてくれました。昨年度のコロナ休校では、生徒宅に教科書を郵送した際に「教科書の中で興味を持ったことを一つ取り上げて調べ、リポートする」という課題を出しましたが、多くの生徒がいろいろ面白いテーマを決め、自宅でも意欲的に取り組んできました。

 多くの生徒が、「知りたい」と思ったことを自然に自分で調べるようになっており、学んだことは何らかの形にしたいという意欲が感じられ、進路の目標も高くなっています。

自分の将来を見定めて進む主体性を育む

 ――今後の課題をどう考えますか。

「主体的に学ぶ姿勢が身に付いてきた」と話す富谷校長
「主体的に学ぶ姿勢が身に付いてきた」と話す富谷校長

 興味を持って主体的に学ぶ姿勢は身に付いてきましたが、その先の、自分の将来を見定めて進む主体性を高めたいと思っています。特に高校では力を入れていきたいですね。

 その狙いもあって、進路指導に特化した施設面のリニューアルを進めています。新設した「キャリアスタディセンター」に、高校3年の教員を全員常駐させて、生徒がいつでも相談を受けられるようにしました。さらに、すぐそばに特別進学コースの教室を移動し、自習室も設けて、高い志を持つ生徒がいつも進路を意識し、情報収集や自主学習を積極的にできる環境をつくりました。

 それに伴い、高校と近接していた中学の教室を独立した第4校舎に移し、中学棟としました。年の近い仲間同士で、さらにのびのび活動できる環境になったと思います。

 ――受験生にメッセージはありますか。

 私は秀明大学の教授でもありますが、その立場から言えば、主体的に学ぶマインドを持った学生が欲しい。マインドさえあれば、知識やスキルは後からいくらでも伸びるからです。ですから本校にも、そうした子供たちにぜひ来ていただきたい。学校教師学部との連携やPGTプログラムなどの教育活動により、素直で前向きな心を持ったお子さんであれば、必ず伸びます。

 本校は1クラス20人前後という少人数教育なので、各生徒に目が届く上、感染症対策の上でも有利です。昨年度、コロナ休校を経て対面授業に復帰する際も、分散登校なしに通常授業に復帰でき、給食も通常通りのものを提供できました。もちろん感染防止は万全に行っており、安全・安心の面でも十分な環境と自負しています。好奇心を持った子供たちが高い意欲と希望を持って頑張れるよう、今後も全力でサポートしていきます。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート 一部写真提供:秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校)

 秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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2051896 0 秀明大学学校教師学部附属 秀明八千代中学校 2021/05/17 05:01:00 2021/05/17 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210514-OYT8I50017-T.jpg?type=thumbnail

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