イギリス英語研修で世界の多様性に目を開け…秀明

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 秀明中学校・高等学校(埼玉県川越市)は、「真の国際人」育成を目指し、中学2年次に2週間、高校1年次に3週間、生徒全員のイギリス英語研修を行っている。現地に所有する研修施設での学習やホームステイを通し、コミュニケーションツールとして使える英語を学ぶのが目的だ。研修を通じて生徒たちは英語力だけでなく生活姿勢まで見違えるように成長するという。昨年12月、イギリス研修から帰国したばかりの高1生2人に話を聞いた。

人見知りな性格から一転、積極性が身に付いた

 中世の街並みが残る英国ケント州カンタベリーに1992年、秀明学園は教育施設「チョーサー・カレッジ・カンタベリー」と、その付属英語研修施設「キングスゲート・カレッジ」を開校した。秀明中学校・高等学校のイギリス英語研修は、この年からこれらの施設を拠点に行われている。キャンパス内には約200人を収容できる学生寮が完備され、研修期間の半分はこの寮で、もう半分はイギリスの一般家庭にホームステイしながら生徒たちは学ぶ。

ホストマザー(左)への感謝の思いを話した藤野さん
ホストマザー(左)への感謝の思いを話した藤野さん

 2018年度の高1生のイギリス研修は、11月16日から12月6日にかけて3週間行われた。参加した中高一貫生の藤野彩花さんにとって、今回は中2以来2度目の研修だ。ホームステイは原則的に1家族に生徒2人を割り当てるが、希望者は1人だけで滞在するシングルステイもできる。藤野さんは「より英語が話せるように」とシングルステイを希望した。

 「ホストマザーがとても話し好きな方で、イタリア旅行での写真を見せてくれたり、日本とイギリスの違いを話したり、とても充実していました。家にいる時はなるべくリビングで過ごし、ホストファミリーと話す時間を多く取るようにしました」

 藤野さんのホストファミリーは以前にも日本人留学生を受け入れた経験があり、日本人のことをとてもよく理解していたそうだ。「食が細い私に合わせて夕食を少なめにしてくれたり、週に2回は湯船に()からせてくれたりしたことがとてもうれしかった」と、藤野さんは配慮への感謝の思いを話した。

 研修で一番印象に残っているのは、1枚の写真を渡され、そこに写されている場所を探すという授業だった。辞書を片手に、街の人に声をかけながら、目的の場所を探し歩いた。ロンドンへの小旅行や、休日に友人と出かけた際も、あちこちで道を聞いた。そんな日々を送る中で藤野さんは、自分でも驚くほど積極性が身に付いたという。

 「もともと人見知りなんですが、イギリスでは自分の意見や考えをはっきり言わないと通じません。何かを聞かれたときなど、あやふやにしないで自分の思いをちゃんと伝える習慣が身に付きました。自分でもたくましくなったと思います」。藤野さんの話しぶりははきはきとして、人見知りな性格だったとは思えないほど。「街でイギリスの人に自分から声をかけたことを親に話したら、『どこからそんな勇気が出てきたの』ととても驚かれました」とうれしそうに話した。

ホスピスで折り紙を披露するなどして入所者と触れ合ったボランティア体験
ホスピスで折り紙を披露するなどして入所者と触れ合ったボランティア体験

 研修中、藤野さんは10人程の希望者のグループで終末期医療を行うホスピスを訪問し、入所者と触れ合うボランティア活動も体験した。「おばあさんに折り紙を折ってあげると、笑顔になってくれたことがとても印象的でした。『何色が好きですか』と聞くと『ピンク』と答えてくださり、少しですが会話することもできました」

 藤野さんは、医師になるのが将来の夢だという。「ホスピスを訪問したことで、医者にはコミュニケーション能力がとても大事だと改めて実感しました。日本も外国人の方が増えているので、英語力を磨き、患者さんのことをしっかり理解できる医者になりたいです」と話した。

渡英前の不安も消えて、将来へ膨らむ希望

イギリス英語研修体験を経て、生徒たちは大きな成長を見せる
イギリス英語研修体験を経て、生徒たちは大きな成長を見せる

 高校から入学した青柳憧舞(あおやぎしょうま)君は、今回、初めてのイギリス英語研修に参加した。研修前の1週間、寮の夜間授業で、研修のスケジュールや、ホームステイでの注意事項、持参するものなどについて確認した。研修に参加した先輩の体験談を聞く時間もあった。また、イギリス出身のネイティブの教員から、よく使う英会話を習ったり、イギリスの文化や歴史について学んだりして出発に備えた。

 それでも渡英前には「不安な気持ちもあった」というが、現地で人々に接するうちにそんな気持ちも消えていった。「イギリスの人たちはとてもフレンドリーです。自由時間などに道に迷っていると、こちらから聞かなくても向こうから声をかけてくれるんです。おかげで自分から話しかけられるようになり、言い方が間違っているかもしれないと思っても、自分の考えをきちんと言えるようになりました」

 カレッジでの寮生活やホームステイを通して、生活態度にも変化が生まれた。「電気をこまめに消したり、水を節約したり、出されたものは残さず食べたりといった習慣が身に付いたおかげで、日本に戻ってきてからも自然とやるようになりました。親にも『変わったね』と言われました」

 青柳君は将来、歯科医師を目指しているという。「観光客だけでなく、日本に住む外国人もこれからますます増えると思うので、どんな人にも対応できる歯科医師になりたいです」と目を輝かせた。

研修体験を経て、顕著な成長を見せる生徒たち

「英語を使いながら、いろんな視点で文化の多様性を学んでほしい」と話す山本教諭
「英語を使いながら、いろんな視点で文化の多様性を学んでほしい」と話す山本教諭

 英語科主任の山本恭子教諭によると、同校では、中学生は全寮制、高校生は寮と通学の選択制を取っているため、親元を離れて寮生活を経験している生徒が多く、そのため集団生活への順応性が高いという。「それでも、研修を終えた生徒たちの成長ぶりは顕著です」と山本教諭は話す。

 「人が来るまでドアを開けて待ったり、音を立てずに静かに閉めたり。研修を通してイギリス人のマナーの良さを自然に身に付けてきます。生徒たちの吸収力の強さには驚かされます。日本で聞いて学んだイギリスの歴史や文化を、実際に目で見て体感することで、視野が広がります。日本に帰ってきて親のありがたさを改めて実感する生徒も多いようです」

 ホームステイ先にはさまざまな人種の家庭がある。多様な文化、習慣に接して学ぶことも多いという。山本教諭は「英語は勉強ではなく、コミュニケーションツールです。英語を使いながら、いろんな視点で文化の多様性を学んでほしいですね」と生徒たちへの期待を語った。

 2018年は訪日外国人が初めて3000万人を超えた。来年のオリンピック、そしてその先の未来へ向け、生徒たちは海外経験を積んで、ますます広い視野とチャレンジ精神を培っていくことだろう。

(文・写真:石井りえ 一部写真提供:秀明中学校・高等学校)

 秀明中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

476624 0 秀明中学校・高等学校 2019/03/08 05:21:00 2019/03/08 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190307-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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