理数教育を通して、世界で活躍できる人材を育てる…三田国際

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 三田国際学園中学校・高等学校(東京都世田谷区)は今春、中学に新設した「メディカルサイエンステクノロジー(МST)クラス」に第1期生40人を迎えた。昨年、高校に設置された「メディカルサイエンステクノロジーコース(МSTC)」では、すでに生徒たちが校外の研究発表などで着実な成果を上げている。МSTCの担当教諭らに理数教育の目標や授業の内容について聞き、生徒たちの声を紹介する。

中学で出会った研究テーマを高校でも追究

実験を行うMSTCの生徒たち
実験を行うMSTCの生徒たち

 「メディカルサイエンステクノロジーコース(МSTC)」は、医療従事者や研究者を目指す生徒の育成を見据えて昨年度から設置されたコースだ。現在は中学の「本科クラス」から進級した高校1、2年生が在籍している。

 中学校の「本科クラス」では、2年次から「基礎ゼミナール」という探究型の授業を展開している。生徒は自ら選んだテーマについて2年間にわたってフィールドワークや実験を重ね、研究成果を学園祭で発表する。高校2年生の佐藤美結さんと田村ニナさんは、中学の「基礎ゼミナール」で行っていた研究を高校でも続けようと、МSTCへの進級を選択した。そのテーマは、ミドリムシが水耕栽培に与える影響だ。

 2人は日々、大学の研究室レベルの設備・機材が(そろ)う学校の「サイエンスラボ」で研究を行っており、その成果を発表するため学外の研究会にも参加している。昨年は、バイオサイエンスの研究者たちで組織される学術団体「日本農芸化学会」の一般の部で口頭発表を行ったり、英語のプレゼンテーション大会に参加して大賞を受賞したりしている。今年7月には、シンガポールで開かれる国際アイデアコンテスト「Global Link Singapore」に招待され、英語で口頭発表を行うという。

 佐藤さんは、自身の研究について「中学生の時は、すでにある程度の結果が出ている研究を行っていましたが、今は誰も結果を知らない、世界でそれを知っているのは私たちと先生だけという研究を進めていて、それがとても楽しいですね」と話す。

 研究中は2人の意見が食い違うこともあるが、互いに自分では気付かない見方に触れることで視野が広がるという。また、研究テーマが違うクラスメートの実験方法を見たり、他校の生徒の研究内容に触れたりすることで刺激を受け、自身の研究にヒントが得られることもあるそうだ。

中学から高校へと高まってきた研究者の力

「楽しみながら生徒と研究を進めています」と話す辻敏之教諭
「楽しみながら生徒と研究を進めています」と話す辻敏之教諭

 「研究発表や質疑応答では臨機応変な対応が求められますが、中学で培ったプレゼンテーションの経験が役に立っています」と田村さんは話す。「学外の研究発表に参加して実感したのは、世界に誇れるような研究であっても、内容をうまく伝える能力がないと、研究の重要性を理解してもらえないということです。私たちは中学生の頃から、『プレゼンテーションとはどういうものか』『どうしたら人に伝わりやすい発表ができるか』ということを学んできたので、伝える力やプレゼン力が鍛えられていると思います」

 2人を中学生の頃から指導してきた辻敏之教諭は、「教師はあくまで生徒の実験をサポートするのみ」と話す。教師が研究テーマを提供すると、そこを出発点として生徒たちは自分の興味のある方向へとどんどん研究を進め、時に予想もしていなかった方へ発展していくこともあるという。

 「МSTCの生徒たちは、自ら気付き、発見するという研究者に不可欠な要素や、問題が発生したときに立ち止まって考える姿勢、現状に満足せず常に自分たちの研究の先にあるものを考慮するクリティカル・シンキングなど、さまざまな力が身に付いてきたなと感じています。これらの力はサイエンスに限らず、社会に出たときにも、あらゆる場面で役立つはずです」と辻教諭は語る。

 2人だけでなく、МSTCで学ぶ生徒たちは、実際、多くの成果を上げている。例えば、3月に開かれた、中高生を対象とする国内最大規模のサイエンスアイデアコンテスト「つくばScience Edge2019」で、「ジャイロミル型プロペラ」の性質に関する高1生チームの研究が英語ポスター部門1位を受賞した。そのほか、微生物の研究で新しい抗生物質を発見したグループや、企業に成果を認められ、助成金を得てさらなる研究を進めているグループもあるという。

目指すのは、世界で活躍できる人材の育成

三田国際の理念を語る今井誠教頭
三田国際の理念を語る今井誠教頭

 中学の「メディカルサイエンステクノロジー(МST)クラス」は、今春、第1期生40人を迎えた。まだスタートして3か月弱だが、生徒たちは研究活動の理論的アプローチを学ぶ「サイエンスリテラシー」や、自ら課題を設定して研究活動を行う「基礎研究α」という独自の授業で、早くも興味のある分野についての議論を楽しむようになっているという。

 МSTに限らず、同校の全クラスは、めまぐるしく変化する社会で活躍できる人材の育成を共通の目標としている。今井誠教頭は、「ITの劇的な進化に伴い、ビジネスの世界は大きく変貌(へんぼう)し、ただ勉強ができるだけでは社会で通用しない時代となりました。そんな現代社会で活躍しうる人を育てるため、本校は『考える力、英語、サイエンスリテラシー、コミュニケーション、ICTリテラシー』の五つの力を伸ばす世界標準の教育を実践しています」と語る。

 3年後には、中学のМSTから高校のMSTCへ進級する生徒を迎える。同校の理数教育はそこから一段と加速することだろう。世界で活躍できる人材の輩出に期待が膨らむ。

 (文:籔智子 写真・中学受験サポート)

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645652 0 三田国際学園中学校・高等学校 2019/06/24 05:21:00 2019/06/24 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/06/20190618-OYT8I50024-T.jpg?type=thumbnail

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