中学生のハワイ異文化研修を開始、内面の成長図る…国府台女子

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 国府台女子学院中学部・高等部(千葉県市川市)は今春、中学生を対象とする「ハワイ異文化研修」を開始した。日系移民の知られざる歴史に触れるとともに街中で英語でのコミュニケーションに挑戦したりする。この研修体験からステップアップできるよう、夏には本格的に英語力を養う「アメリカ語学研修」も用意されている。これらの海外研修の目的と成果について担当教師と参加した生徒に聞いた。

日系移民の暮らしを学び、知られざる歴史に触れる

ハワイ研修とデンバー研修を引率した軍司副教頭
ハワイ研修とデンバー研修を引率した軍司副教頭

 国府台女子学院は、35年の歴史を持つ高等部英語科があり、英会話や異文化理解の授業に加え、「国際理解」をカリキュラムに組み込むなど特色ある教育を実践している。中学部でも希望者向けの海外異文化研修と海外語学研修が例年行われてきた。海外異文化研修の滞在先は、これまでタイやカンボジアといった東南アジアの国だったが、今年からアメリカのハワイに変更した。

 「異文化研修の参加者は中1生が中心で、海外に出るのは初めてという生徒も多い。治安がよく、安心して街歩きをすることができ、さらに日本人と関係の深い歴史を学ぶことができる場所としてハワイを選びました」。今回、引率を担当した中学部の軍司洋二副教頭はこう説明する。

多くの中1生が初めての海外を経験したハワイ研修
多くの中1生が初めての海外を経験したハワイ研修

 ハワイ研修は、中学1~3年の希望者を対象に、春休み中の6日間行われた。今年の参加者は43人、そのうち半数以上が中1生だったそうだ。

 研修では、ハワイのオアフ島にある「ハワイ・プランテーション・ビレッジ」を訪問した。この施設は19世紀半ばから20世紀半ばにかけてのハワイの砂糖プランテーションでの暮らしが分かる博物館で、プランテーションで働くために日本や中国、フィリピンなどから来た移民たちの住居や診療所、浴場、事務所などを再現している。生徒たちは現地の日系人から説明を聞き、移民の暮らしぶりや日本人の知られざる歴史の一部を学んだ。

 「日系の方が日本語で説明をしてくれます。この研修では、英語力を伸ばすというよりも、新しい土地での暮らしを開拓した日系移民の苦労と努力を学んでほしいと考えています」。説明を聞いた生徒たちからは、「日本人にこんな歴史があるなんて、全く知らなかった。日系人の生活についてもっと知りたい」という声が聞かれたそうだ。

ハワイの移民の歴史を説明する日系人
ハワイの移民の歴史を説明する日系人

 滞在中は、観光地やビーチへの訪問は控えめとし、その分、日系ボランティア同行の街歩きに時間を割いた。「路線バスに乗ったり、ダウンタウンを歩いて目的の場所を見つけたり、知っている英語で簡単な英作文をしながら挑戦しました。知っている単語が限られていても、身ぶり手ぶりを使って一生懸命話せば伝わるということを、実地で経験してほしかったのです」

 また、同校は浄土真宗本願寺派の教えを基盤とする学校であることから、本願寺ハワイ別院を訪れ、法話を聞く機会も設けられた。ハワイのダンス「フラ」のレッスンや花の首飾り「レイ」作り体験もあり、生徒たちは短期間ながらも多彩なアクティビティーを体験できた。

ホームステイ先で家族の一員として過ごす

 「ハワイ研修でもっと英語が話せるようになりたい、さらに外国の生活を知りたいと思うようになった生徒にとって、次のステップとなるのがアメリカ語学研修です」と軍司副教頭は話す。夏休みの海外語学研修は同校で20年以上続く行事であり、これまでアメリカ・カリフォルニア州やカナダなどで実施してきた。今年度はアメリカのコロラド州デンバーを訪れる旅行となっている。

治安のよいデンバーで実施された語学研修
治安のよいデンバーで実施された語学研修

 軍司副教頭は今年のデンバー研修も引率した。「デンバーは生活の質が高く、ホームステイをしながら安心して滞在することができる場所です。自然に恵まれ、語学学校での授業の合間に、さまざまなアクティビティーを実施することが可能です」

 今年は37人の生徒が参加した。レベル別に3クラスに分かれ、現地の学校の教室を利用して、午前中は英語教師の資格を持つネイティブの教師によるレッスンを3時間受ける。会話だけでなくスピーチの練習も行い、最終日には英語で発表を行うことを目標としている。午後はアクティビティーとしてロッキー山脈国立公園の訪問やデンバーの博物館・公園・野外劇場の見学を行い、日本とは大きく異なる自然や文化に触れることができた。

 ホームステイ先の家族との交流も、生徒たちにとって大きな経験だ。英語を使ってステイ先の子供たちと遊ぶなどして、週末は家族の一員として過ごす。「黙っていても周囲の人が助けてくれる日本と異なり、アメリカでは、自分から言わないと何も起こりません。英語の知識に加え、外国人とのコミュニケーションの基本を実体験から理解してくれたと思います」。父親が塗装職人をしている家庭にホームステイをした生徒は、ペンキ塗りにチャレンジさせてもらい、ペイントによる作品制作を見せてもらったりしたそうだ。

 春のハワイ研修や夏のデンバー研修に参加した生徒の声を聞いてみよう。横内優菜(よこうちゆな)さんは中1でハワイ研修に参加し、「もっと英語力を伸ばしたい」と、中2になった今年は夏休みのデンバー研修に参加した。「最初の頃は緊張してあまり英語で話すことができなかったのですが、ステイ先の小学生の子供と遊んでいるうちにリラックスして、次第に周りの人に自分から話しかけることができるようになりました」と話す。

 同じく中2の堀越美羽(ほりこしみう)さんは、「自分で英語を使ってみたい」と、今年の夏休みにデンバー研修に参加した。「英語のレッスンでは、たくさんの単語を学びました。すべての英語が聞き取れるわけではなかったのですが、先生がジェスチャーを使って分かりやすく説明してくれて、楽しく学ぶことができました」と振り返る。

 高等部に進むと希望者対象のイギリス語学研修も用意されており、2人とも「ぜひ参加してみたい」と意欲を見せていた。

 「長い歴史と伝統を持つイギリスは、アメリカとはまた違った価値観や生活に触れることができる国です。英語力を伸ばすと同時に、自分の目で多様な社会を見て、内面的な成長を遂げてくれることを願っています」と、軍司副教頭は期待を語った。

 (文・写真:足立恵子 一部写真提供:国府台女子学院中学部・高等部)

 国府台女子学院中学部・高等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載禁止
900837 0 国府台女子学院中学部・高等部 2019/11/20 05:21:00 2019/11/20 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191115-OYT8I50006-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ