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【特集】「心の偏差値」を上げるSDGsへの取り組み…東海大浦安

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 東海大学付属浦安高等学校中等部(千葉県浦安市)は、SDGsの課題達成への取り組みとしてユニクロの「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加した。土曜日の独自教育プログラム「浦安人生学」の一環であり、中等部2年生たちは主体的に地域社会に協力を呼びかけて、3000着を超える衣類を回収することができたという。シティズンシップ教育を兼ねたこの新たな取り組みについて茂泉吉則校長に聞いた。

古着のプロジェクトでSDGsを体感

体育館で、古着の箱詰め作業を行う生徒たち
体育館で、古着の箱詰め作業を行う生徒たち

 同校を訪れた10月3日、体育館には大量の古着が積まれていた。生徒たちが校内や周辺地域に協力を呼びかけて回収したものだ。中等部2年生たちがこれをたたんで仕分けし、発送のために段ボール箱に詰めていく。服を数える人、たたむ人、作業の進行を指揮する人など役割を分担して取り組んだ結果、目標の1000着をはるかに超える3261着も集まったことが分かり、作業を終えた生徒からは歓声と拍手が湧き起こった。

 この活動は同校が、SDGsの課題達成に向けた取り組みとして参加した、ユニクロの“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」だ。このプロジェクトでは、子供たちが主体となって着なくなった衣類を回収し、難民キャンプなどへ送る。SDGsの「貧困を終わらせる」「持続可能な消費・生産形態を確実にする」という課題解決につながる活動だ。

校内のあちこちに貼られた古着回収のポスター
校内のあちこちに貼られた古着回収のポスター

 プロジェクトは7月に、ユニクロから送られた動画を使って、プロジェクトの流れを講義することからスタートした。その後、生徒はクラスごとにアイデアを出し合い、古着の回収を呼びかけるポスターや回収ボックスを作って校内に設置した。なかには、自発的に浦安や市川の市役所、青少年館に電話をかけ、回収ボックスの設置を依頼したクラスもあった。古着の回収は9月23~30日の8日間をかけて行われ、その後、集まった服を段ボールに詰め、ユニクロへ発送する準備を行った。

 学年主任の島晴己子教諭は、「生徒が自分たちで市役所に電話をして回収ボックスを置かせてもらい、毎日毎日、服を回収しに行く姿を見て、素晴らしい行動力だと思いました。一人一人の力は小さくても、気持ちがあれば大きな活動ができるということを、生徒たちも実感したはずです。また、浦安市役所がホームページで告知をしてくださるなど、地域の方々にも協力していただき、ありがたく感じます。これは一つのスタートなので、来年はもっと地域の方々と連携して活動を展開していきたいと思います」と話した。

 箱詰め作業後、生徒は教室に戻り、発展途上国の子供たちに向けてメッセージを書いた。文章にイラストを添える生徒、タブレットの辞書を引きながら英語でメッセージを書く生徒、それぞれ真剣な表情だ。

古着を送る発展途上国の人たちに向けてメッセージを書く
古着を送る発展途上国の人たちに向けてメッセージを書く

 メッセージを書き終えた宮崎葵君は、「こういう経験は初めてですが、人の役に立つことができて、すごくうれしいです。今回の経験を生かして、個人でも誰かの役に立つ活動に取り組んでいきたいです」と話した。中条帆乃香さんは、「私ともう一人の生徒が市役所に電話をして、回収ボックスとポスターを設置しました。市役所の方にご協力いただいたおかげで、毎朝10時には箱がいっぱいになるほど古着が集まりました。クラスのみんなが自発的に市役所に行ったり、10着以上服を持ってきたりしました。発展途上国の人たちを助けようという思いが強かったのだと思います」と笑顔を見せた。

 茂泉吉則校長は、「この活動は、生徒たちの中に物を大切にする心や思いやりの心、社会のために行動する心の火種を起こしたいという思いで試行的に始めました」と話す。「古着が発展途上国に届けられた後は、現地の様子を収めた写真が学校に送られ、活動の結果がフィードバックされるので、生徒は自分たちが社会に貢献できたと実感すると同時に、社会貢献には多くの方法があるという気付きを得られると思います」

「大学の先にある人生」を探求

「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」への参加について話す茂泉校長
「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」への参加について話す茂泉校長

 週6日制を採用している同校は、土曜日の「総合的な学習の時間」に「浦安人生学」と呼ぶ独自の教育プログラムを実践している。日本の伝統文化に触れるために生け花の講座を開いたり、歯学部の教授から「口腔(こうくう)の機能について」という講義を受けたりするなどさまざまな形で学びを広げてきた。「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」を含めてSDGsへの取り組みもその一つだ。

 これらのさまざまな学びについて茂泉校長は、「大学の先にある、人としてのあり方や生き方を探求することが狙いです」と語る。「大学卒業後、一社会人として生きていくためには、相手を思いやり、協力し合い、共に生きるための『共生の精神』を心に宿すことが重要です。本校では、将来においても学校や地域・職場や家庭など自分の所属する社会で一生懸命に生きる人を『社会的リーダー』と位置付け、そうした『社会的リーダー』を輩出する教育を進めています。地球全体の課題であるSDGsと向き合うことで、生徒が社会の諸問題をスルーせずに解決する姿勢、そしてグローバルな目線で物事を見る姿勢が育つと期待しています」

 今回のプロジェクトについては、「生徒は自分たちや学校だけでなく、企業や地域の協力があってこそ、このプロジェクトが実現できることを理解したと思います。こうした経験は、社会人として自分がどう生き、社会にどう貢献すべきかを考えるシティズンシップ教育や、私たちの考える『社会的リーダー』の育成につながります。まだ始まったばかりの活動ですが、今後も生徒たちと話し合いながら、SDGsの他の課題も解決すべく、さまざまなプロジェクトを展開していきたいと考えています」

「浦安人生学」開講5年目、生徒の成長を実感

 2016年に「浦安人生学」を開講してから5年、茂泉校長は生徒の成長を実感している。「今までは何か質問をすると、下を向いていた生徒が多かったのですが、だんだんと顔が上がり、しっかりと自分の意見を述べる生徒が増えました。また、自分の意見を言いつつ、相手の意見をしっかりと聞き、両者の意見を一つにまとめるプロセスも身に付いてきたと思います」

 「本校の教育方針は、大学を卒業して社会に出たとき、他者とともに一生懸命に生きる姿勢を養うこと、この一点に尽きます。そのためには、思いやりと誠実さを持つことが大切です。今後も諸施策を通して思いやりと誠実さを培い、生徒の『心の偏差値』を上げる教育を進めていきたいですね」

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:東海大学付属浦安高等学校中等部)

 東海大学付属浦安高等学校中等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1639040 0 東海大学付属浦安高等学校中等部 2020/11/25 06:00:00 2020/11/25 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201119-OYT8I50029-T.jpg?type=thumbnail

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