英検を狙え「春期英語特訓合宿」…麹町女子

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 麹町学園女子中学校高等学校(東京都千代田区)は4月1~3日の3日間、山梨県富士河口湖町にある西湖の(ほとり)のホテルで「春期英語特訓合宿」を行った。目的は、オリジナルの「アクティブイングリッシュ」で英語力を鍛え上げ、6月3日の第1回実用英語技能検定(英検)にチャレンジすること。新中学2年生から新高校3年生までの希望者60人が参加した合宿風景をリポートする。

「アクティブイングリッシュ」でめきめき効果

英語科特別顧問を務める安河内氏
英語科特別顧問を務める安河内氏

 同校は、2020年の大学入試改革に先駆け、16年度から「アクティブイングリッシュ」と呼ぶ英語教育メソッドを導入した。キーワードは「学ぶ英語から、使える英語へ」。文部科学省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」委員も務めたカリスマ英語教師・安河内哲也氏を英語科特別顧問に迎えて構築したオリジナルのメソッドだ。「聞く・話す・読む・書く」の4技能のスキルアップや、実践的なコミュニケーションツールとしての英語の習得を目標としている。

 その成果は早くも2017年度の英検結果に表れている。英検準2級以上の合格率は、全国平均(高3)39.3%に対し、同校(高校生全体)70.9%。高校生全体で高3の全国平均を上回っている。また、英検3級以上の中学2年生の合格率は、アクティブイングリッシュを導入する前の2015年度が35%だったのに対し、70%と飛躍的に伸びた。

 同校は今年も好成績を目指しており、今回はそのための合宿なのだ。

 昨年から英語合宿を行っているが、今年の合宿は英検に特化した内容だ。クラス編成も昨年は学年別だったが、今年は受験する英検の級に即し、「準1級」クラスは9人、「2級」クラス24人、「準2級」クラス7人、「3級」クラス11人、「4級」クラス9人とした。

指導体制について話す英語科の山本教諭
指導体制について話す英語科の山本教諭

 指導に当たった山本裕也教諭は、「最初、級別クラスには抵抗があるかなと思っていたのですが、上の学年の生徒が下の学年の生徒をサポートするといった場面も見ることができたので良かったです」と話す。

 山本教諭を含め、合宿に参加した英語教諭は、ネイティブのデヴィッド・ブラウン先生ら計8人。さらに、英語科特別顧問の安河内氏、同時通訳者で英語講師の横山カズ氏も参加した。

 

 山本教諭は「この合宿では、教師が生徒に1対1で教える時間がたくさんあります。生徒一人一人に時間をかけることができるのも、いい点です」と万全の指導体制を強調した。

オリジナルテキストで4技能まんべんなく

横山カズ氏は「3級」のクラスを担当した
横山カズ氏は「3級」のクラスを担当した

 取材に訪れた合宿2日目の午後、「3級」のクラスでは、横山カズ氏が先生を務めていた。レッスンを受けていたのは新中3生2人と新中2生が9人だ。

 ホワイトボードには、「Why do some Americans go shopping at flea markets?(なぜ、あるアメリカ人たちは蚤(のみ)の市に買い物に行くのだろう)」「Because people can buy cheap things for a cheap price.(なぜなら格安で物が買えるから)」と書いてある。

 横山先生は強調して発音する単語に〇を付け、最初は普通のスピードで読みあげた。続いて生徒たちがその発音を繰り返す。「次は30%アップしたスピード」「今度は50%アップで行くよ」。横山先生の読み上げは、ぐんぐんスピードアップしていくが、生徒たちも負けない速さで繰り返す。生徒たちも(よど)みない見事な発音だ。最後に先生から「いいじゃない!」と称賛の言葉が出ると、みんなの顔がぱっと輝いた。

 「準1級」クラスでは安河内顧問が、医療や国際関係など日常会話レベルを超えた高度なテーマについてリスニングや英語でのディスカッションを指導した。「2級」クラスは山本教諭と野城明子教諭が担当。「I think/I do not think it is good to ~」という英文の「~」部分を考え、発表するレッスンだ。「準2級」クラスはブラウン先生と山本大輔教諭がペアになり、さまざまなテーマについての議論やライティングを指導した。「4級」クラスは中井加代子教諭が、「旅行に行くならどこがいいか」などのトピックに合わせて例文や表現を示し、生徒がアレンジして英作文する内容だった。

山本教諭と野城教諭が担当した「2級」クラス
山本教諭と野城教諭が担当した「2級」クラス

 同校は今回の合宿のために、安河内顧問が監修して作成したオリジナルテキストを用意した。準1級から4級までレベルに応じた5冊があり、いずれも五つのユニットで構成されている。どのユニットでも4技能をまんべんなく学べるようになっている。

 どのテキストも1ユニットを消化するのにほぼ3時間かかり、3日間の計15、16時間でテキストの全ユニットを消化する。

 3日間、朝から晩までレッスン漬けというわけではなく、合間にアクティビティを挟んで楽しみながら学ぶ。例えば、2人1組のアクティビティでは、英語で相手の長所を伝え合う。自己紹介から始まって、「あなたの眼鏡はすてきですね」「その髪形よく似合っているわ」など、次々と相手を変えて会話を交わしていく。

 息抜きを兼ねたこの時間は、生徒たちが学年を越えて親睦を深め、英検に向けて互いに励まし合う時間ともなっていたようだ。

 最終日には英検の模擬試験ともいえる「英検IBA(Institution Based Assessment)」が行われ、多くの生徒たちが好成績をあげた。3日間で成長した自分の力を知ったことだろう。

合宿で英語を学ぶ目的を考えよう

「準2級」クラスはブラウン先生と山本教諭がペアで指導した
「準2級」クラスはブラウン先生と山本教諭がペアで指導した

 準1級のクラスで安河内顧問のレッスンを受けた新高校3年生のひとりは今年初めて参加した。「去年参加した人たちの評判が良くて、今年は私も行ってみようと思った」という。参加した感想を聞くと「実践的な英語を学べるだけでなく、学んだ英語の使い方や、今後どのような学び方をしていけば仕事や将来につながるかを先生たちの体験を踏まえて語ってもらったのがよかった」と話した。

 将来の夢は、貧しい人たちのために学校を作ることだという。「いろんな国の教育学を学びたいし、いろんな国の人々と協力していきたいので英語は重要だと思っています」と話した。

安河内顧問が監修して作成したオリジナルテキスト
安河内顧問が監修して作成したオリジナルテキスト

 もう1人の新高校3年生は、管理栄養士になることが将来の夢だという。「管理栄養士の中には海外から来ている人もいる。その人たちと英語でコミュニケーションを取りたい」と話していた。

 安河内顧問は、「英検に合格するという具体的な目的があるからチャレンジできる。でも、英検の対策だけが合宿の目的ではない。むしろ、この合宿を、なぜ英語を学ぶのか、その目的をあらためてよく考える機会にしてもらいたい」と話していた。

 目的意識の高さが学習の質を決めるということなのだろう。生徒たちはちゃんと分かっているようだ。

(文・写真:松下宗生、一部写真:麹町学園女子中学校高等学校提供)

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24110 0 麹町学園女子中学校高等学校 2018/05/21 05:20:00 2018/05/21 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180516-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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