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【特集】ICTスキルの向上で可能になった3クラス連携授業…共栄学園

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 共栄学園中学高等学校(東京都葛飾区)で9月9日、ICT(情報通信技術)を活用して中1の3クラスを連携させる道徳の授業が行われた。生徒たちはiPadとオンライン会議システム「Zoom」を活用し、1コマの授業内に一人一人の意見発表から、話し合い、3クラスを代表する意見の集約までを見事にこなした。背景には、コロナ禍にともなう休校中のオンライン授業などで生徒のICTスキルが急速に高まったことがあるという。その授業風景と同校のICT活用について紹介する。

コロナ禍で威力を発揮したICT環境と指導スキル

ICTの効果について話す広報IT部長の野口先生
ICTの効果について話す広報IT部長の野口先生

 同校は、5、6年前から中学の全教室に電子黒板を導入し、その後、高校の教室や、家庭科調理室・美術室などの特別教室では、黒板やホワイトボードに真上から映写できるプロジェクターを取り付け、今では全教室にICTを利用する環境を整えている。

 「教師が板書する時間を節約することができ、授業に余裕が生まれます。また、画像や動画を見せることで、より分かりやすい授業ができるようになりました」と、広報IT部長の野口俊美先生は話す。

 環境作りと並行して、インターネット上の学習支援システム「Classi」と学習教材配信サービス「スタディサプリ」を導入し、学習内容や生徒、保護者への連絡事項をオンラインで共有できるようにした。さらに、今年から中1と高1の全員にiPadを配布したことで、生徒の回答を電子黒板やiPad上で共有することが可能になり、クラス内での活発なディスカッションを促す仕組みが実現した。

多彩な資料を活用する社会科の佐藤先生
多彩な資料を活用する社会科の佐藤先生
海外文化の理解にも役立てている英語の森田先生
海外文化の理解にも役立てている英語の森田先生

 このICT環境の整備が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う3~5月の休校時に、大いに役立つことになった。3月4日の休校開始時には、「Classi」や「スタディサプリ」を利用して家庭にいる生徒や保護者と連絡と取り合い、朝のホームルームを行って通常の時間割に基づく課題学習を実施した。

 さらに、Zoomの導入を進め、5月25日からは双方向オンライン授業を開始した。「1時限40分間の短縮授業ではありましたが、全教科ほぼ時間割通りに実施しました。すでに授業でICTを活用していたため、教師にも生徒にも、大きな戸惑いはありませんでした」と、野口先生は説明する。

 中1のクラスを担任する社会科の佐藤(ごう)先生は、当時の取り組みをこう振り返る。「世界史の領土図や年表など、社会では電子黒板を使って地図や図表を数多く見せるようにしていました。そのため、課題配信でもオンライン授業でも、普段の教材をそのまま使うことができました」

 同じく中1クラスを担任する英語科の森田拓朗先生も、「オンラインでも、普段通りの授業ができました」と言う。「英語の授業でも、外国の動物や食べ物の画像や動画を見せ、海外の文化や生活への理解を深めるようにしています。視覚的要素の活用は、もはや欠かせないものとなっていますね」

「ドラえもん」の一番の秘密道具をZoomで決める

「ドラえもん」の秘密道具について話し合った道徳の授業
「ドラえもん」の秘密道具について話し合った道徳の授業

 6月1日に分散登校を開始してからも、対面授業とZoomによる遠隔授業を併用した。6月15日からの全面登校再開時には、教師らと生徒たちにとって、ZoomやiPadを使った授業はごく自然なものとなっていたという。

 慣れ親しんだスキルを生かし、道徳の授業では、ICT活用をさらに発展させる試みが行われた。1クラス30人程度の3クラスをZoomで参加させ、話し合った内容を同時に比較するという授業だ。

 9月9日に行われた中1の道徳の授業を見てきた。この日のテーマは、「『ドラえもん』の道具が一つだけ手に入るとしたら、何の道具を手に入れるか」だ。事前にホームルームで課題を発表し、それぞれの生徒がアニメ「ドラえもん」の秘密道具について下調べを行っていた。

 授業ではまず、各生徒が自分の考えをiPadで書き込んだ。「『もしも~な世界だったら』と電話をすると世界がその通りになる、『もしもボックス』が欲しい。今までしたことのない経験ができるから」「物が小さくなる『スモールライト』がいい。荷物が軽くなるから」など、思い思いの回答が電子黒板に映し出される。生徒たちはそれらを見ながら、自分自身の意見をまとめていく。

 次に、5、6人の班に分かれ、班内で話し合って班を代表する考えを決める。このとき、「タイムキーパー役」「司会進行役」「発表役」を選ぶ。「この授業の目的は、話し合いのルールを学ぶことにあります。人の意見を聞き、協力し合って一つの考えをまとめることに意義があります」と佐藤先生は説明する。

iPadに書いた回答が、電子黒板に映し出される
iPadに書いた回答が、電子黒板に映し出される

 班の意見がまとまったら、各班の代表が前に出て発表を行う。次は、投票を行ってクラス全体を代表する考えを一つに決める。iPad上で投票を行うとコンピューターが自動集計を行い、結果は瞬時に電子黒板に表示される。最後に、3クラスをZoomで結んでそれぞれのクラスを代表する「秘密道具」を発表し、3クラス総合で一番人気の高い道具を投票で選んだ。

 投票の結果、最も人気が高かったのは「あらかじめ日記」だった。その日記に書いた未来の出来事が、必ず実現するというものだ。「自分の夢も、友達の希望もかなえられる。地球の環境問題を解決することもできる」というのが、生徒たちが一番に選んだ理由の説明だった。

 一人一人が自分の意見を書くところから始まり、3クラス合同で一つの意見に集約するまで、50分間の授業は非常にスムーズに進んだ。ICTの活用がなかったら不可能だったに違いない。「人前で話すことが苦手な生徒も、iPadを使うことで自分の考えを言葉にし、電子黒板に映し出すことで、それを皆に知ってもらうことができるのです。ICTには、無限の可能性があります。これまで培ってきたスキルを活用して授業をどのように発展させることができるか、これから各教科で話し合っていきたい」と、野口先生は抱負を語った。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート)

 共栄学園中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1617796 0 共栄学園中学高等学校 2020/11/13 07:00:00 2020/11/13 10:42:38 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201111-OYT8I50015-T.jpg?type=thumbnail

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