読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】フレッシュ「総合探究部」プレゼン力磨いて全国3位…埼玉栄

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 埼玉栄中学・高等学校(さいたま市)の部活「総合探究部」は3月、小中学生向けの全国プレゼンテーション大会「スタートアップJr.アワード2020」の「中学生の部」で全国3位を受賞した。昨年発足したばかりで、大会も初参加での快挙だという。昨年末から大急ぎで準備にあたり、プレゼンテーションを成功させた部員3人と顧問の先生に、当日の様子や日頃の活動ぶりを聞いた。

部発足翌年に初参加で全国3位

「総合探究部」の顧問を務める小野先生
「総合探究部」の顧問を務める小野先生

 「昨年4月に部を発足させたいと考えていましたが、新型コロナウイルス感染による休校のため、実際に活動を始めたのは6月でした。『スタートアップJr.アワード2020』のプレエントリー締め切りは12月1日でしたから、ぎりぎりで応募を間に合わせました。生徒の頑張りが、今回の結果につながったものと思います」と、顧問で社会科担当の小野孝寛(たかひろ)先生は話す。

 「スタートアップJr.アワード」は、体験型キャリア教育事業を展開する民間企業が主催する小中学生向けの全国プレゼンテーション大会だ。今回は「ソーシャルイノベーション」をテーマに参加募集が行われ、全国から183チームが応じた。初参加の「総合探究部」は書類審査で決勝12チームの一つに残り、さらに動画審査を経て3月6日の決勝大会に臨むと、「中学生の部」でプレゼンテーションを競い、見事3位の「特別賞」を受賞した。

 小野先生自身もこうした部活を指導するのは初めてで、前任校ではアメリカンフットボール部の顧問を務めていた。しかし、社会から求められる人材を育てるため、「ディベートやプレゼンなどの活動に中高一貫して取り組み、アカデミックなコンテストに挑戦できるような部活動を始めたい」と考え、自ら生徒に声をかけるなどして「総合探究部」を発足させたという。

 現在の部員は、中1・中2の10人。活動は週2回で、コンテストの準備以外に、普段は最近のニュースを基にディベートを行ったり、レクリエーションとしてゲームを行ったりしているそうだ。「ディベートやプレゼンのスキルを伸ばすと同時に、コミュニケーションの取り方、社会との関わり方を身に付ける場でありたいと考えています。これらは、将来、社会の中で生きていくうえで必ず役立つ力となります」

地元の問題に焦点当てて息の合ったプレゼン

決勝大会当日の部員3人のプレゼンテーション
決勝大会当日の部員3人のプレゼンテーション

 今大会に「総合探究部」代表として参加したのは、同校「難関大クラス」に通う石井豪太君、大崎俐英(りえい)君、大場悠輔君の3人(いずれも当時中1)。「ソーシャルイノベーション」という大会課題に対して、3人が応じたプレゼンテーションのテーマは「Not Go Toキャンペーン」だった。

 「Go Toトラベル」キャンペーンは、旅行者の宿泊代金などを助成することで観光地を活性化させようとする政府の施策だが、人の移動に伴ってコロナ感染が拡大してしまうという懸念がある。そこで3人は、「旅行せずにオンラインで観光地を支援する」というキャンペーンを考えた。

 このキャンペーンを考え付いたのは、石井君が埼玉県川越市の古い街並みが残る観光地を訪れたのがきっかけだったという。「最初の緊急事態宣言の時に、家に近い川越の商店街に散歩に行ったら、いつもと違ってすごく閑散としていて、『これはまずい』と感じました。そこで、商店街を救うために自分たちに何かできることはないかと考えたんです」

 プレゼンテーションの内容は、「マスク着用などを守る人にクーポンを付与する」「商店街のオンラインショップで買い物をする」といった方針の下、率先して自粛する人と商店街とをともに応援する機能を持つアプリを開発するという提案だ。

 決勝大会は、東京・中央区の「FinGATE KAYABA」で発表を行う組とオンラインで発表する組とに分かれて行われ、埼玉栄チームはオンラインでの発表を選んだ。

 本番では石井君が進行を務め、大場君が、2019年から20年にかけて川越の観光客がいかに減少したかをグラフで示すなどして丁寧に説明。「アプリさえあれば……。誰か、作ってくれよ!」と訴える大崎君のコミカルな芝居も盛り込んだ。3人が息を合わせ、創意工夫を凝らした約8分間の発表は、審査員から「地元の商店街のよさを見直すいい機会になるのでは」と高評価を得た。

 大崎君は、「初めてのコンテストだったし、動画審査を通った時は『ほんとにプレゼンやるんだ』と驚いて、すごく緊張していました」と話す。

 プレゼンテーション資料の製作を主に担当した大場君は、「文字の色や大きさ、背景など、細かいところにこだわりました。人に分かりやすく伝えるにはどう見せるのがいいか、これを作りながら分かってきたように思います」と話した。

部活動通して日頃の学習への心がけも変化

川越の観光客の減少を分かりやすく説明したグラフ
川越の観光客の減少を分かりやすく説明したグラフ

 部の発足初年度、初参加の大会で全国3位という快挙に、小野先生は「川越という地元に焦点を当て、自分たちで見聞きしたことを発表したところが評価されたのだと思います」と語る。「普段、生徒同士でふざけている様子を芝居にアレンジすることで、中学生のプレゼンとして魅力的なものにすることができたのも一因でしょう」

 部員たちは大会後も、漫画雑誌の編集部を訪問し、漫画作品について自分たちで考えたプレゼンテーションをするという活動を行っており、今は夏の「全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)」に向けて、ディベートの練習を重ねている。

 部活動を通して部員たちは、授業や日頃の学習に対する自分の心がけが変わってきたのを感じているという。石井君は「クラスで発表する時は、本に載っている言葉をそのまま使うのではなく、易しい言葉に言い換えたほうがよいということが分かりました」とし、大崎君は「インターネットで調べたことをそのまま信じるのではなく、自分の頭で考えるようになりました」と言う。また、大場君は「人前で話すのが苦手だったのが克服できました。これからはアドリブ力も付けたいです」と意欲を見せている。

 「社会の課題解決に取り組み、プレゼンテーションやディベートで表現力を付けることが、いずれ進学実績にもつながってくるものと思います。今後は、地元埼玉のNPO団体などと協力して地域貢献プロジェクトを行うことも視野に入れています。複数の学年にまたがる生徒たちが授業の枠にとらわれず動くことができる部活として、さらに活動の幅を広げていきたいですね」と、小野先生は意気込みを語った。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:埼玉栄中学・高等学校)

 埼玉栄中学・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
2115025 0 埼玉栄中学・高等学校 2021/06/11 05:01:00 2021/06/11 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210610-OYT8I50028-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)