大学との連携授業が生徒の進路を開く…千葉日大一

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 千葉日本大学第一中学校・高等学校(千葉県船橋市)は、日本大学の特別付属校というメリットを生かし、医歯薬系の学部を中心とする学部研修や理工学部での集中講座など、さまざまな連携授業のプログラムを実現している。学部ごとに行われる大学説明会もあり、生徒たちの進路選択に大きな役割を果たしている。

中学から始まる大学との連携授業

隣接する日大理工学部で行われた体験授業
隣接する日大理工学部で行われた体験授業

 「大学との教育コラボレーションは、長い歴史を経て本校の大きな特長の一つに育ったものです」と広報部の久保田勝主任は説明する。同校が日本大学との連携授業を開始したのは約30年前に遡る。「付属校と大学が協力し、学習環境を向上させよう」と互いの考えが合致して自然に始まったという。

 高大連携などの考えが一般化していなかった時期であり、同校と日大も当初は散発的に連携を試みていただけだったが、2000年代に入った頃から、さまざまな連携授業が整えられ、プログラムとして充実してきた。

 同校の連携授業の特色の一つは、中学生を対象とするプログラムがいくつも用意されていることだ。

 中1生は毎年夏に、総合学習の一環として、同校に隣接する日本大学理工学部の集中講義を受ける。これまでは大学の教員に出張講義をしてもらっていたが、今年は7クラス全員が学部キャンパスを訪れて講義を聴いた。

 例年、同学部の協力で数講座が用意され、生徒たちは好きな講座を選んで聴くことができる。今年は、物理学科の「1万度のプラズマに触ってみよう!秒速500キロ!プラズマ衝突合体実験装置を見てみよう」と、精密機械学科の「先端ロボット技術とプログラミング」及び「ロケットの科学とストローロケット実験」の3講座が用意された。生徒たちは科学技術の最先端に触れて、目を輝かせていたという。

 中3と高1の希望者を対象とする天文の講座もあり、毎年20人ほどが参加している。理工学部が新潟県南魚沼市に所有する「八海山セミナーハウス」を訪れ、2泊3日で大学生と一緒に天文学を学ぶプログラムだ。空気の澄んだ八海山の麓にあるため肉眼でも満天の星が見えるが、セミナーハウス最上階にある天文台で最新鋭の反射望遠鏡を使う天体観測は、生徒たちを魅了するという。

 また、数学と英語が苦手な中1~中3生を対象に週4日放課後に開かれる「学習サポーター室」での学習には、大学生がチューターとして協力してくれる。英語担当として神田外国語大学、数学担当として日大理工学部数学科から、それぞれ2人ずつ大学生が派遣され、親身に生徒たちの指導にあたっている。

高校では医歯薬系のプログラムが充実

希望者は、日大病院で研修を受けられる
希望者は、日大病院で研修を受けられる

 高校に進学すると、連携授業の内容はさらに本格的なものになる。対象は原則的に高1生と高2生だ。「当校の加納誠理事長が日本大学医学部出身ということもあって、特に医歯薬系の連携授業は充実しています。日大付属の全25校の中で、日大医学部との連携授業を行っているのは、うちと東京・両国の日大一校だけです」と久保田主任は話す。

 「医歯薬学部研修」は、希望者を対象に夏休み中に行われる4日間のプログラムだ。医学部の研修では東京・神田駿河台の日本大学病院を訪問し、手術室や救命センター内などに立ち入って医師、看護師、薬剤師、栄養管理士、放射線技師らの仕事をつぶさに見学する。また、大学生と共に最新の医学研究に触れる授業もあり、最終日には参加者による研究発表が行われる。人命にかかわる医療活動の現場を知り、感銘を受ける参加者も多いという。

 歯学部の研修では、神田駿河台の歯学部付属歯科病院を訪れ、歯科技工士や歯科衛生士の仕事に触れる。大学生の実習に同席し、歯の詰め物を作る模擬体験なども用意されている。

日大薬学部の研修で、最新の電子顕微鏡をのぞき込む生徒
日大薬学部の研修で、最新の電子顕微鏡をのぞき込む生徒

 同校から徒歩5分の距離にある薬学部の研修では、薬品分子化学、薬理学、臨床医学について大学の教員から講義を受ける。非ステロイド性抗炎症薬のアセチルサリチル酸の合成に挑戦したり、1台3000万円もする最新の電子顕微鏡で、ES細胞などのミクロの世界をのぞいたりする。

 「医歯薬学部研修」の終了後は、保護者を招いての報告会も行われる。この報告会は生徒も参加できるため、クラスメートの新鮮な報告に刺激を受ける生徒も多いそうだ。

 さらに、東京・世田谷区の文理学部で講義を受けられる体験学習もある。「文」と「理」の融合を特色とした教養教育と専門教育の学部だけに、さまざまな分野の講義が用意され、生徒はその中から自由選択して受講できる。毎年、高1生50人、高2生20人ほどが参加する。同学部には小・中・高の教職コースもあることから、受講後に「教職に就いてみたい」と志望する生徒も多いという。

 このほかに部活動でも、中高合同の物理部が10年ほど前から、理工学部の大学生らと一緒に宇宙エレベーター(軌道エレベーター)や2足歩行ロボットの研究に取り組んでおり、2014年の「宇宙エレベーターロボット競技会」で優勝するなど、実を挙げている。

 「生徒たちは、黒板を前にした通常の授業では味わえない新鮮な感動を覚えるようです。受け入れてくれる大学側の負担は大変ですが、『この道に進みたい』という生徒が増えるきっかけになればと、協力してくれます。進路を決定づけるきっかけのようなものが体験授業にはあるようです」と久保田主任は話す。

各学部がそれぞれの特色を直接説明

 大学での学びに触れるこうした体験授業だけでなく、日大による学部説明が充実しているのも同校の連携の特色だ。

 高2生全員を対象とする「学部説明会」では、日大の全18学部から教授らが来て、それぞれの学部の特色、学問の性質などを直接説明する。「理工学部と生産工学部と工学部は、どう違うの」といった生徒の素朴な疑問にも丁寧に答えてくれるといい、一般的な広報担当者による大づかみな説明とは一線を画している。「より細かな、かゆいところに手が届く進路指導」と、保護者たちにも評判だという。

 「医歯薬系志望の生徒なら千葉日大は圧倒的に有利と言えるでしょう。近年、文科省も高大接続の推進などを盛んに提唱していますが、本校ではすでに日常的な光景となっているのです」と、久保田主任は自信の表情で語った。

 (文:水無瀬尚 写真提供:千葉日本大学第一中学校・高等学校)

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934754 0 千葉日本大学第一中学校・高等学校 2019/12/06 05:22:00 2019/12/06 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/12/20191205-OYT8I50008-T.jpg?type=thumbnail

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