【入試ルポ】東京の解禁初日、受験者1千人超え…國學院久我山

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 東京・神奈川の私立中学校の受験が2月1日に解禁となり、國學院大學久我山中学校(東京都杉並区)でも午前と午後に入試が行われた。同校は女子部CCクラスの人気の高まりもあって、午前と午後を合わせて135人の募集に対して1066人が受験した。

午前は一般・CCクラス、午後はSTクラスの入試

試験会場が開く前にテントで待機する受験生ら
試験会場が開く前にテントで待機する受験生ら

 國學院久我山は、同じ敷地内に男子部と女子部がある男女別学の学校だ。男子部には「一般クラス」と最難関国公立大を目指す「STクラス」があり、女子部には同じく「STクラス」と、日本文化を世界に発信する人材を育てる「CC(カルチュラル・コミュニケーション)クラス」とがある。この日は午前に男子一般クラスと女子CCクラスを選抜する第1回入試、午後には男女のSTクラスを選抜するST第1回入試が行われた。

 午前7時過ぎ、受験生と保護者がちらほらと正門前に到着し始めた。試験会場の校舎に入れる開門時間の7時20分までは、正門を入ってすぐ右手に用意された、ストーブ付きのテントで待機してもらう予定だったが、この日は早く来た受験生が多かったため、開門を10分ほど繰り上げた。

 正門から校舎への通路は、両脇に生徒たちが立って、「おはようございます。試験場案内図を配っています。こちらを受け取って、試験会場へお進みください」と声をかけていた。案内図を配っていた中3の男子生徒は、「3年前、自分が受験した時のことを思い出します。懐かしいですね。受験生のみんなに頑張ってほしいです」と話した。

続々と到着する受験生を励ます塾の先生たち
続々と到着する受験生を励ます塾の先生たち

 7時30分頃には受験生の到着がピークを迎えた。「おはよう、待ってたよ」。栄光ゼミナールの講師が教え子の姿を見つけて元気に声をかけた。

 講師「朝ご飯食べた?」

 受験生「うん、食べた」

 講師「じゃあ大丈夫。いってらっしゃい」

 講師は受験生の肩をポンポンとたたいて、試験会場へ送り出した。「2年間国語を教えてきた生徒です。活発な子で、スポーツと勉強を両立したいと頑張ってきました。今日もいつも通りにやってほしいだけです」と笑顔で話した。

 正門から試験会場の校舎までずっと受験生と保護者に寄り添って歩く塾の先生もいた。学童保育と進学塾の両方を備えた民間学童保育「キミライト」(東京都文京区)の大島拓哉先生だ。

 校舎の玄関前に並べてある長机のところまで行くと、受験生はリュックを置き、大島先生と一緒に受験票を探し始めた。

 大島先生「受験票はある。大丈夫か」

 受験生「あったよ」

 大島先生「じゃあ、頑張ってこい。早く受験終わらせて野球しようぜ」

 大島先生は教え子を見送りながら、「学童保育なので、夏休みなど長期休みには朝9時から夜10時まで面倒を見て、教えてきました。野球がやりたくてこの学校を選んだので、ぜひ合格してほしいです」と目を細めていた。

 正門前付近は、塾ごとに先生たちが固まって教え子を待っている。その中に、早稲田アカデミーの本山徹個別指導部部長や、三軒茶屋校の荻原豪校長ら十数人の講師らの姿もあった。

 本山部長は「國學院久我山は今年度、サッカー・ラグビー・男子バスケ・駅伝の四つの高校全国大会に出場するなど、スポーツが強いと同時に、大学合格実績も高い。文武両道を目指す男子をはじめ、男女ともに人気が高くなっています。入試問題はオーソドックスですが、午後入試のSTクラスのほうが、入試問題が難しくなっています。点の取れる問題をしっかり取ることが合格の鍵です」と話した。

昼休みを挟んで午後5時半までの長い闘い

控室となっているカフェテリアで待つ保護者たち 
控室となっているカフェテリアで待つ保護者たち 

 午前の第1回入試の試験科目は、国語・算数・理科・社会の4科目。国語と算数はいずれも試験時間が50分で、配点は100点。理科と社会はそれぞれ40分で50点だ。

 集合時間は午前8時だが、約10分前にはほとんどの受験生が教室に入っていた。出席確認や諸注意のあと、8時20分にチャイムが鳴り響き、1科目目の国語の試験が始まった。保護者たちの多くは控室となっているカフェテリアや教室で静かに試験終了を待った。

 午後のST第1回入試は、午後3時に試験場へ集合し、3時20分から試験開始となる。試験科目は算数・国語の2科目。試験時間と配点は、算数が60分で150点、国語が50分で100点だ。

 午前の試験に続けてST第1回入試を受ける受験生たちは、午後12時20分の試験終了後、昼食をはさんで再びチャレンジ。午後5時半まで試験に集中する長い1日になる。

安全志向高まり、早めの合格を狙う傾向

 日能研関東の長谷川信誓・関東中学情報部部長は、今年の首都圏の中学受験傾向について、「5年連続で受験生の増加が見込まれているため、安全志向が高まっています。前半日程で合格者に対する入学者の割合が上昇すれば、昨年同様に後半日程の合格は絞られます。そのため受験生は早めに合格を取りに行きます。午後受験校の合格をきっかけに、その後に挑戦していく流れも考えられます」と分析する。

受験生への期待を語る高橋秀明副校長
受験生への期待を語る高橋秀明副校長

 國學院久我山については、「2018年に誕生した女子部のCCクラスが浸透してきました。異文化交流プログラムが各学年にあり、外国人留学生などと幅広い人間関係が築けそうです。その一方で日本文化を大切にしており、外への発信力も同時に磨いていきます。思考力が必要とされるSTクラスはワンランク上のイメージがありますが、両クラスをフラットに位置づけ、個性に合わせて選べる点が受験生に好印象のようです」と見る。

 入試問題についても「大変良問ぞろいです。女子に人気のCCクラスの問題では、習ったことを世の中のことと組み合わせる問題や、その場で考えさせる問題が多くあります。午後のSTクラスはチャレンジ志向のある男子向けの問題と言えます。男女別学らしく男女の特性を踏まえて作問されています」と話す。

 同校の高橋秀明副校長は入試問題について、「男女とも基礎力をベースに、応用力、思考力、創造力を見る問題になっています。答えが一つではない問題や社会問題について、どう考えるか問う問題も毎年必ず出しています」と話す。

 例えば、2018年度の第1回入試では、社会の問題で、昭和初期から現代までの、さまざまな洗濯機の写真を見せ、そこから高度経済成長や現代の社会問題を問う問題が出されている。「自分の知っている知識と知識を関連付けたりして、思考できるかどうかを見ています」とその狙いを話した。

 この日は、午前の第1回入試と午後のST第1回入試を合わせて、135人の募集に対して1108人が出願し、1066人が受験した

 高橋副校長は、「自ら成長したいと思うお子さん、いろいろなことを学びたいという好奇心を持つお子さんにぜひ入学してほしいです。運動部だけでなく文化系の部活や、さまざまなプログラムも充実していますから、勉強に軸足を置きながらも、何か自分の好きなことに情熱を傾けて成長してほしい。今日の受験生のみなさんには、ぜひ、自分を信じて頑張っていただき、久我山の生徒として育ってほしいですね」と期待を語った。

 (文・写真:小山美香 一部写真:中学受験サポート)

 國學院大學久我山中学高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1048900 0 國學院大學久我山中学高等学校 2020/02/12 11:12:00 2020/02/12 11:12:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200212-OYT8I50005-T.jpg?type=thumbnail

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