車椅子バスケ体験で心の垣根を取り払え…東洋英和

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 東洋英和女学院中学部・高等部(東京都港区)は1月16日、車椅子バスケットボールの篠田匡世(まさつぐ)選手を講師に招き、高3生48人が体育館で車椅子バスケを体験した。

明るい自己紹介に笑顔が広がる

打ち解けたムードの中で楽しく行われた体験会
打ち解けたムードの中で楽しく行われた体験会

 「僕のことを『しのちゃん』と呼んでください」。体験会の初めの自己紹介で篠田選手が大きな声で呼びかけると、生徒たちからどっと笑いが起きた。

 篠田選手の話では、車椅子の生活を送るようになったのは、体育大学への入学が決まり、高校を卒業する3日前に交通事故で脚を失ったからだという。その後もスポーツをやりたいという気持ちはやみがたく、「やるなら花形で。かっこいいし、モテたい」と、車椅子バスケを始めた。選手としての成功や挫折、悔しかったエピソードなどを紹介する篠田選手の語り口は明るく、生徒たちも笑顔を見せながら興味深く聞き入った。

 自己紹介の後は、実技に入った。「フロントプッシュ(前こぎ)」「バックプッシュ(後ろこぎ)」と基本操作を教えると早速、競技専用の車椅子を使った「鬼ごっこ」が始まった。生徒たちののみ込みは早い。「操作がうまい」と篠田選手が舌を巻いた。「ほかの学校で実施した体験会だと車椅子の操作に僕たちのサポートが必要でしたが、今日はまったく必要ない」

円陣を組んで掛け声を合わせる生徒たちと篠田選手
円陣を組んで掛け声を合わせる生徒たちと篠田選手

 車椅子の操作がうまいのは、ハンディキャップへの理解を深めるための体験活動で、生徒たちが中学1年の時に車椅子を体験しているからだ。東洋英和と車椅子バスケは関わりが深い。古くは1964年に、東京オリンピックの後に行われたパラリンピックで、当時同校のバスケ部を指導していた故佐々木孝男先生が車椅子バスケの審判を務めている。

チャンスがあるならやってみよう

 同校の体育科の教員でバスケ部顧問でもある川口史高先生は、「かつてテニスのフェデラー選手がインタビューで、『どうすれば日本に世界的なテニス選手が生まれますか』と質問され、『日本には国枝慎吾選手がいるじゃないですか』と答えた話は有名ですよね。私たちは無意識に『テニス』と『車椅子テニス』との間に、スポーツとしての垣根を作っていたことに気付かされました。『車椅子バスケ』もルール上、全ての人が参加できるスポーツです。今回の体験でそういった垣根の意識を取り払うことができたらいいですね」と話した。

体験会での生徒の様子について話す篠田選手
体験会での生徒の様子について話す篠田選手

 「チャンスがあるならやってみよう。僕が脚を失ってから過ごしてきた人生で伝えたいのは、試してもみないで無理だと心に垣根を作るのではなく、とにかくやってみることです」。鬼ごっこの後、篠田選手はそう熱く語り、生徒たちは大きくうなずいた。

 体験会に参加した北川千夏子(ちかこ)さんは、「篠田さんの挑戦はすごいと思った。2020年の東京オリンピック・パラリンピックには、篠田さんのような車椅子の人もたくさん来る。積極的に声をかけて手伝ってみたいと思いました」と話す。下崎芽莉沙(めりさ)さんも、「チアダンスでけがをしたとき、とてもつらかったけれど、大けがをしてハンディキャップを負った篠田さんが、それでもチャレンジする姿を、本当にかっこいいなと思いました。大学に行ったら、自分も頑張らなきゃ」と話した。

 篠田選手は「『私、気配り上手だから』と、せっせと僕たちの準備を手伝ってくれる生徒がいました。東洋英和の生徒さんは、物おじせずに積極的にいろいろなことに挑戦するんだなと思いました」と、1人の生徒の印象を語った。

 東洋英和の生徒たちは、中高6年間の生活で、「敬神奉仕」という建学の精神を身に付ける。この生徒の振る舞いも、神を敬い、隣人に尽くす心の発露なのだろう。心の隔てがなければ、新しい世界へのチャレンジに「障害」の2文字はないのかもしれない。

 (文・写真:藤井賢)

 東洋英和女学院中学部・高等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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462692 0 東洋英和女学院中学部・高等部 2019/02/26 09:47:00 2019/02/26 09:47:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190225-OYT8I50014-T.jpg?type=thumbnail

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