日本人としての誇りを持ち、英語力に自信を付ける…本庄東

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 本庄東高等学校附属中学校(埼玉県本庄市)は、日本人としての礼儀や誇りを大切にしながら、自信を持って英語を使えるようにする教育に力を入れている。その教育は「英語でラッピング」や「英語でクッキング」など、英語を楽しみ、親しむための特別授業に始まり、高度な4技能の習得に及ぶ。特別授業の様子を取材するとともに、国際教育推進委員長の伊藤マーク教諭に話を聞いた。

英語で話す楽しさを体験する「英語でクッキング」

生徒同士、英語で会話しながらピザを作る
生徒同士、英語で会話しながらピザを作る

 同校では、中学に入ってから英語を学び始める生徒がほとんどだ。そこで、授業ではまず、英語を楽しみ、親しんでいくことから始まるという。中1では風呂敷の包み方、中2では水引の結び方を英語で学ぶ「英語でラッピング」という特別授業がある。中3では「英語でクッキング」という特別授業があり、英語でやりとりしながら実際にピザを作る。

 7月12日、同校を訪れ、中3の「英語でクッキング」を取材した。教室ではまず、国際教育推進委員長である伊藤マーク教諭が、実際にピザを作りながら、英語で材料や手順を説明した。授業中は日本語厳禁で、生徒同士も英語で話さなければならない。一通りの説明の後、伊藤教諭が「Easy?」と生徒たちに聞くと、「Easy!」という元気な声が返ってきた。

 生徒たちは4人1組の班を作り、それぞれ2枚のピザ作りに取りかかった。1枚は食事系で、もう1枚はデザートのピザだ。班ごとに好きな材料を持ち寄り、楽しそうに作っている。

 「I cut vegetables,please cut fruits(僕は野菜を切るから、果物を切って)」

 「Push,push! over,over!(生地を伸ばして、伸ばして、ひっくり返して、ひっくり返して)」

 「How do you use this flour?(この小麦粉はどう使うの)」

 「I see,I see(分かった、分かった)」

 生徒らは身振ぶり手ぶりを交えながら、楽しそうに英語でコミュニケーションを取っていた。ときには英語で冗談を言ったりしてリラックスしたムードだ。焼き上がったピザの中には、マシュマロが大きく膨らんで巨大ピザになったものもあり、「Crazy! Crazy Pizza!(すっごい、なんてピザ)」などと笑い声が(はじ)けた。

本物の日本文化を知り、英語圏の文化にも触れる

「日本人としての誇りを持ってほしい」と話す伊藤教諭
「日本人としての誇りを持ってほしい」と話す伊藤教諭

 この授業を受けていた下山美帆さんは、「先生から調理器具を受け取るときも、英語で言わないと渡してもらえないので大変でしたが、とても楽しかったです。友達に英語が伝わらなくて悔しかったので、もっと学びたいと思いました」と感想を話す。英語は中学に入ってから学び始めたが、中2で英検準2級を取得した。今年は2級に挑戦するという。

 石塚遥都君も、「友達同士、英語で話すのが楽しかったです」と顔をほころばせた。石塚君は夏休みにオーストラリア語学研修に行くという。「将来は世界の子供を救う医師になりたいので、そのためにも英語をマスターしたい」と話した。

 こうした特別授業について伊藤教諭は、「これらの特別授業で、まずは英語を話す楽しさを感じてほしいと思っています。すると、単語や文法が分かれば、もっと楽しめることに気が付きます」と話す。伊藤教諭自身はニュージーランド出身。盆栽や生け花などの日本文化に魅せられて来日し、日本の大学で英語教授法を学んだ。「生徒たちには風呂敷や水引を扱うことを通して日本の礼儀や心を知り、日本人としての誇りを持ってほしい」という。

 伊藤教諭が話すように、同校の英語教育の特徴は、本物の日本文化を体験しつつ、英語圏の文化にも触れていくことにある。

 本物の日本文化に触れるために中1では茶道を体験し、中2では益子焼の茶碗(ちゃわん)を作り、中3ではその茶碗でお茶をたてる。さらに箏曲や写経を体験したり、歌舞伎や能、大相撲を鑑賞したりする。

 その一方、英語圏の文化に触れるために、中1では体験型英語学習施設「東京グローバルゲートウェイ」で、英語を使いながらの旅行を疑似体験。中3では、オーストラリア修学旅行があり、さらに中3・高1では希望者向けのオーストラリア語学研修も行われる。

 伊藤教諭は、「日本人は恥ずかしがり屋と言われますが、自分の英語が合っているかどうか自信がないからです。きちんとした英語力と、国際社会に出た時に恥ずかしくない礼儀とマナーを身に付け、自信を持って会話をリードしていけるようになってほしい」と話す。

 伊藤教諭は、英語に自信を持つためには、4技能をバランスよく学ぶことが大切だと考える。

 スピーキング力を強化するためには、英語の検定教科書のほかに、ケンブリッジ大学出版局の英語教材「Connect」を使用している。「会話文をそのまま暗唱させるのではなく、生徒それぞれに自分流にアレンジしてもらい、2倍の長さの会話文にするなど、工夫しています」

夏休みの課題で、洋書を1冊読んで感想をまとめたポスター
夏休みの課題で、洋書を1冊読んで感想をまとめたポスター

 さらに、リーディング力とライティング力を付けるために、毎年、夏休みには英書を1冊読んで、ポスターに感想をまとめる宿題を出している。「『海底2万マイル』『カリブの海賊』など、生徒に好きな英書を1冊しっかり読み込んでもらいます。生徒たちはイラストも使ってたくさんの感想を書いてきます。ほかにも、英語での俳句作りなど英語で書かせる機会を多く設けています。定期テストでも、スピーキング、ライティング、リスニングの試験を行っています」

 こうした英語学習の集大成がオーストラリア修学旅行だ。生徒たちは現地の子供たちと交流し、班別行動でも臆することなく英会話を楽しんでいるという。

 「4技能を測るGTECのテストを受けて生徒の技能ごとの学習意欲を高めています。また、実用英語技能検定も中1の2学期に4級から受け始めて、中3では多くの生徒が準2級に合格し、約4人に1人は中3で2級に合格します」

素直な姿勢が、英語力を大きく伸ばす

 もちろん、大学入試を見据えた英語の学習にも抜かりはない。基本となる単語力を付けるために毎朝行っている20問の英単語テストは、中高6年間続けられる。高校では特にライティングの指導に力を入れ、大学入試の英語記述問題にも対応できる力を付けている。

 卒業生の中には、中1ではABCも書けなかったが、素直に勉強して大きく伸び、東京外国語大学に合格した生徒もいるという。

 「大学生になった卒業生が、英語で発表したり、英作文をたくさん書いたりした経験が、大学で役に立ったと話してくれることもあります。ドクターヘリに乗る救急救命の医師やポーランド料理の専門店のシェフなど、さまざまな卒業生がいますが、卒業生たちはみな、本校で学んだ、日本の心や礼儀を持ち、社会人として恥ずかしくない英語を使って活躍しています」

 取材で会った生徒たちは、目をキラキラ輝かせて英語の授業を楽しんでいた。そんな素直さが、英語力を大きく伸ばす秘密なのかもしれない。

 (文・写真:小山美香)

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778822 0 本庄東高等学校附属中学校 2019/09/05 05:22:00 2019/09/05 05:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190904-OYT8I50016-T.jpg?type=thumbnail

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