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【特集】本物の英語に触れ、世界への扉を開ける…本庄東

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 本庄東高等学校附属中学校(埼玉県本庄市)は2月、「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」を訪れ、中1の校外研修を実施した。本物の英語に触れさせることで、英語学習の意欲や世界への関心を高めることが目的だ。この研修ではさまざまな国の外国人スタッフとのコミュニケーションでダイバーシティーへの理解や心の成長も見られたという。当日の様子と同校の目指す国際理解教育について紹介する。

英語だけを使って海外の日常生活を体験

「日本の心を持ったグローバルリーダーになってほしい」と話す伊藤教諭
「日本の心を持ったグローバルリーダーになってほしい」と話す伊藤教諭

 同校は2月19日、中1の生徒たちを対象に、東京都江東区の体験型英語学習施設TGGで校外研修を行った。参加したのは男子50人、女子35人の計85人。「外国人スタッフと直接コミュニケーションできるTGGは、普段行っている英語学習を実践できる場です。本物に触れることが大事です」と同校の国際教育推進委員長の伊藤マーク教諭は話す。

 TGGは、東京オリンピックとその先を見据えたグローバル人材育成のために都教育委員会と民間の運営企業が2018年に設立した施設だ。一歩内部に入れば使用言語は英語だけとなっており、英語を楽しく学ぶためのさまざまなプログラムが用意されている。

 生徒たちがこの日、主に利用したのは「アトラクション・エリア」と「アクティブイマージョン・エリア」という二つのエリアだ。

 1階のエントランスから2階に上がると、「アトラクション・エリア」がある。海外に行くまでのさまざまな場面を想定した九つの空間が用意され、飛行機の中、レストラン、ホテル、土産物店などが再現されている。ここで外国人スタッフと英語でコミュニケーションしながら、海外での日常生活を体験できる。

 「アクティブイマージョン・エリア」も同じフロアにある。ここはサイエンスラボ、クッキングスタジオ、メディアラボなど各種設備の整った空間だ。CLIL(内容言語統合型学習)を取り入れたプログラムになっていて、演劇や環境問題、プログラミングなど、さまざまなテーマについて英語で学ぶことができる。

心の成長やダイバーシティーの理解も

TOKYO GLOBAL GATEWAYで英語を学ぶ生徒たち
TOKYO GLOBAL GATEWAYで英語を学ぶ生徒たち

 この日、生徒たちは英語力のレベル別に8人で1グループをつくり、随行する1人の外国人スタッフとともに各エリアを回った。「アクティブイマージョン・エリア」で新商品の緑茶飲料をどう売るかマーケティングしてプレゼンテーションする、SDGs(持続可能な開発目標)を学んでペットボトルのゴミ問題についてプレゼンテーションするなど、難しいチャレンジもあったが、楽しみながら一日、積極的に英語で学んだ。

 参加した稲山(たくみ)君(現・中2)は「ネイティブの外国人と初めて話して、通じたのがうれしかった」と話す。「アトラクション・エリア」では、事前に覚えてきたフレーズ「May I have ~,please?」を使い、薬局で頭痛薬を頼んだり、ファーストフード店でハンバーガーを頼んだりしたという。「瞬時に英語で言えるか心配でしたが、スタッフが気さくだったので、打ち解けて話せました」

 また、「アクティブイマージョン・エリア」では、メディアラボでニュース映像の制作にチャレンジした。「僕らの学校について紹介した動画を作りました。僕はニュースキャスターの役で、流暢(りゅうちょう)に話すのは至難の業でした」と苦笑いを見せた。

 鈴木智惠(ちえ)さん(現・中2)も、メディアラボでニュース映像を制作した。「私は気象予報士の役でした。モニターに映って発表するのが楽しかった」と話す。英会話部に所属し、英検2級を取得しているという鈴木さんだが、「私の英語が伝わるか心配でした」と言う。「気象予報士のセリフを英語で表現するのが難しかったのですが、グループのみんなで考えてうまく伝えることができました。みんなで協力して一つのことをやり遂げる大切さを感じました」

 伊藤教諭は「事前に使える英語フレーズを覚えてから行きますが、それでも、実際は習った順番では通じなかったり、聞き取れなくてもう一度聞いたり、先生に頼れなくて自分で考えたり、いろいろなことを経験します。それが心の成長にもなります」と話す。

「ダイバーシティーの理解が進んだのも大きな収穫」と話す島田教頭
「ダイバーシティーの理解が進んだのも大きな収穫」と話す島田教頭

 引率した島田伸一郎教頭は、「ダイバーシティー、世界の人々の多様性を理解できたことも大きな収穫でした」と話す。TGGのスタッフはアメリカ人など英語圏出身者だけでなく、ネパール人、インド人、タイ人、フィリピン人などさまざまで、生徒にとって大きな刺激になったはずだという。

 生徒からは「スタッフの出身国にあまり良いイメージがなかったけれど、関わってみると、明るくて優しい人で、外見や出身国より、中身が大切だと思った」「相手をよく知らないので不安だったが、話すうちに、自分の生まれた国を思う気持ちは同じだと分かった」「外国人は怖いと思っていたが、優しい方ばかりで、心配したのがばかばかしくなった」という感想が上がっているという。

 伊藤教諭も「ダイバーシティーを大事にすることはとても大切なことです。また、英語圏以外の外国では英語が共通語になることも感じられたと思います」と話した。

本物を体験して、英語の勉強や留学への意識を高める

それぞれに学びや成長が感じられる生徒たちの感想
それぞれに学びや成長が感じられる生徒たちの感想

 伊藤教諭は「この校外研修の目的は、英語や世界に興味を持たせることです。本物の体験を用意してあげれば、あとは自分の力でどんどん学んでいきます」と請け合う。

 研修後の振り返りでも、生徒たちから「英語で外国人と話すワクワク感を全身で味わうことができた」「英語をもっと頑張ろうと思った」「毎日の英単語テストの大事さが分かった」などの感想が出て、なかには「海外で暮らせるくらいの英語力を付けたい」と目標を語った生徒もいたという。

 同校の国際理解教育は、こうした英語教育だけでなく、英語圏と日本の両方の文化・伝統に触れることも大事にしている。英語でクッキングをしたり、英語で風呂敷の包み方を学んだりするほか、大相撲観戦、京都・奈良研修などがある。

 こうして双方の文化・伝統について重ねていった学びは、中3でのオーストラリア修学旅行で集大成される。希望者向けにオーストラリア語学研修もあり、稲山君も「この体験をしてから、留学に興味を持つようになりました」と話す。「そのためにも、リスニングやスピーキングをもっと上達させたいと思い、英語の勉強を頑張るようになりました」。現在は英検準2級取得に向けて勉強中だ。「今度外国人と話す時は、物おじせずに、はっきり伝えたい」と目を輝かせた。

 伊藤教諭も、「TGGから帰ってからは、廊下に貼り出してある語学研修のポスターを興味深く眺める生徒が多くなりました。『行きたいね』と友達と話し、より一層海外への興味を深めているようです」と話す。

 「TGG校外研修を経験して、生徒たちはお互いに刺激を与えあって、前向きに取り組んでいます。こうした真面目に取り組む姿勢や、相手に感謝する姿勢は、本校の目指す日本の心を持つグローバルリーダーに必要な資質です。将来、世界に出た時に、日本のルーツを大切にしながら、英語でも日本語でも自分の考えを示せるリーダーになってほしいと思っています」

 生徒の一人が「将来、海外の人と心を通い合わせて会話ができる本当の国際人になりたい」と話していた。生徒たちがいつの日か、日本の心を大事にするグローバルリーダーになってくれることを期待する。

 (文・写真:小山美香 一部写真提供:本庄東高等学校附属中学校)

 本庄東高等学校附属中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1606946 0 本庄東高等学校附属中学校 2020/11/11 06:00:00 2020/11/11 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201106-OYT8I50030-T.jpg?type=thumbnail

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