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【特集】ゼロから手探りで作り上げた文化祭…品川女子

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 品川女子学院中等部・高等部(東京都品川区)は9月20、21日の両日、文化祭「白ばら祭」を開催した。新型コロナウイルス感染対策で入場者を絞ったり、飲食企画を自粛するなど厳しい制限のなか、生徒たちはオンライン会議で意見をとりまとめたり、一部企画を動画化したりしながら準備を進め、バイタリティーを発揮して前例のない文化祭を乗り切った。

制限の中でもあきらめずに実現した文化祭

起業体験プログラムのカードゲーム体験コーナー
起業体験プログラムのカードゲーム体験コーナー

 同校の文化祭「白ばら祭」は、5月の体育祭、1月の合唱大会とともに学校行事の柱であり、例年約9000人の来場者でにぎわう。しかし、今年は新型コロナウイルス感染に最大限の注意を払う必要から、さまざまな制限を設ける必要があった。今年はさらにもう一つ不安要因が重なっていた。同校では全校舎の建て替えプロジェクトが進行中で、高校1~3年生は、例年と使い勝手の異なる新校舎に教室を移したからだ。

 「授業だけでなく、文化祭などの学校行事も、安全を最優先しつつ、諦めず、できる限りのことをやっていくのが当校の方針です」と、学校行事の指導を担当する石渡崇嗣先生は話す。生徒たちは文化祭実行委員を中心に結束して力を出し合い、一部の企画をオンライン公開としたり、保護者の入場は3タームに分け、立ち入り可能エリアを限定したりしながら文化祭をやり遂げた。その間、換気や消毒などの感染防止策に気を配ったことは言うまでもない。

デザイン思考を実践する中高のクラス企画

 中等部のクラス展示は、社会課題を見つけ、仮説を立て、検証し、解決策を探る研究発表がクラスごとに行われた。満員電車、熱中症、コミュニケーション力などのテーマがデザイン思考を生かして考察され、ポスターセッション形式で分かりやすく整理されていた。

 高等部では、「起業体験プログラム」の一環として、クラスごとに設立した「株式会社」が文化祭に店を出した。「(こうじ)パウダー」に着目した美容商品や「日常に日本文化を」という企業理念に基づく商品開発など、ユニークな商品販売や体験紹介が並んだ。感染防止の観点から今年は飲食の企画ができなくなり、来場者数も少なくなったことで、各企画とも運営に一層の工夫が求められたというが、生徒たちは明るい表情で来場者に接し、企画内容の説明などを行っていた。

 このほか、クラブや有志の企画・展示があり、ステージではダンス部や吹奏楽部などが、オンライン練習も取り入れた日頃の活動の成果を披露していた。

協力し合って困難を乗り越えた文化祭実行委員

生徒たちの研究や取り組みの成果をまとめたポスターセッション
生徒たちの研究や取り組みの成果をまとめたポスターセッション

 前例のない文化祭をやり遂げるにあたって、中心となって活躍したのは文化祭実行委員だ。委員たちは執行班、飲食班、受付班、起業体験班、特別企画班、校内管理班の6班に分かれ、役割を分担する。

 文化祭実行委員長の大野萌さん(高2)は、執行班の班長として各班の取りまとめを行う立場だ。今年は新校舎での初開催であり、実行委員の会議もオンラインとあって、試行錯誤の連続だった。「走り回る、考える、仕事する」と大野さんが表現する忙しい日々だったが、「ペンキを塗るために中庭の人工芝にブルーシートを張った時に、いよいよ文化祭という感じがして楽しかったです」と話した。「コロナ禍で対面での準備ができない中でつくり上げた文化祭。どういう状況でもがんばれるポジティブで前向きな品女生の良さを感じてほしいです」

 特別企画班の眞鍋萌恵さん(高2)は、班長として特別ステージの企画と運営を行う総勢34人のまとめ役を行った。ステージで行われた「理事長先生、校長先生の対談の台本づくりが大変でした」と話す。また、ステージで開催されるはずだった企画を、文化祭に入場できない方々に向けて「しくじり先輩」「白ばらってなんのばら?」という2本のメッセージ動画に仕立てた。「実行委員の仕事を経験することで、積極性や発言力が身に付き、小学生の頃には想像もしなかったような自分になった」と笑顔で話した。

 起業体験班の吉村帆加さん(高2)は、同校ならではの起業体験プログラムをサポートした。文化祭準備段階のプレゼンテーションから株主総会の運営、当日の見回りなどを行う。今年は来場者の入場制限もあり、物販も縮小するなど影響が見られる中で、起業体験プログラムを紹介する動画作成に力を入れた。「オンラインという環境もあり、初めての体験ばかりで戸惑いながらも頑張って作り上げてきたので、ぜひ注目してほしいです」と話した。

 校内管理班の大森由真さん(高2)は、班長として、校内の地図や各階の企画名や内容が書かれた案内板の作成を担当した。当日は、来場者の案内に立った。「インフォメーションセンターで、来場したお客様に企画をお勧めし、喜んでもらえることがうれしくて、5年間続けてきました」。今年は立ち入り可能なエリアが限定されたため、案内板の表示も多く必要となり、臨機応変する適応力が付いたという。また、班員と協力して、昨年までは紙で行っていた備品の貸し出しや管理を行うデジタルフローも作り上げた。

華やかなダンス部のステージ
華やかなダンス部のステージ

 飲食班の中川愛美さん(高2)は、飲食企画やフードコートの管理を行うはずだったが、「今年の文化祭で飲食企画がなくなったと聞いた時はとても驚きました」という。代わりに今年はコロナウイルスの感染防止や熱中症対策に役立つ動画作りを担当した。「班の人が作ってくれた動画を見て、すごいな、やってよかったなと思いました」、「心残りなのは例年通りに飲食班の仕事を後輩に教えられないこと。来年の文化祭が成功したら初めて安心できる」と話した。

 受付班の中代幸未さん(高2)は、文化祭のゲートやチケットの作成、受付などを担当した。入り口が新校舎になり、ゲート作りもゼロから。ホームセンターに通い、大工仕事をして前日まで準備したそうだ。さらに、「パプリカフェスティバル」という、先生と生徒たちが「パプリカ」の曲に合わせてダンスをする動画を企画した。当初参加したのは2人の先生だけだったそうだが、何度も職員室に通って熱心に協力を呼び掛け、20人の教員、校長、理事長まで登場する約10分の動画を完成させた。

 「今年は新校舎での文化祭開催ということもあり、まさにゼロからのスタートでしたが、結果として新しい取り組みも行いやすかったのではないでしょうか」と石渡崇嗣先生は話す。

 今年の「白ばら祭」で生徒たちは、手探り状態から試行錯誤を重ねる中で新しいスキルを身に付け、一回り大きく成長した。11月に時期を変更して開催される体育祭も、新しいルールを考えたり、運用を考えたりしながら開催できた。これからも品女生らしいバイタリティーを発揮していくことだろう。

 (文:山本華子 写真:中学受験サポート)

 品川女子学院中等部・高等部について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1667222 0 品川女子学院中等部・高等部 2020/12/03 07:00:00 2020/12/11 13:53:35 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201201-OYT8I50050-T.jpg?type=thumbnail

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