読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】卒業生の声を聞き、将来の夢を育むキャリア教育…豊島岡

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 豊島岡女子学園中学校・高等学校(東京都豊島区)は、6年間を通して進路・進学の方向性を固める総合的なキャリア教育を行っている。中学では将来の仕事について広く考え、高校で、それを実現するための大学選びにつなげる。中3では例年、各方面で活躍する卒業生の話を聞く「卒業生インタビュー」を行うが、今年は新型コロナウイルスの感染を考慮し、卒業生が自分の仕事などを紹介する動画を視聴した。生徒の感想や同校のキャリア教育の考え方などを紹介する。

6年間を通した計画的なキャリア教育

キャリア教育について話す中3学年主任の山下文子先生
キャリア教育について話す中3学年主任の山下文子先生

 同校は、特別活動(ロングホームルーム)の時間および各種行事を活用して、6年間を通した計画的なキャリア教育を行っている。「中学のうちに将来どのような仕事に就くことができるのか、自分がどの道に進みたいかを探り、高校に入ってからの大学選びに結び付けてほしいと考えています。ただ『有名な大学だから行きたい』というのではなく、自分の興味や目的に合った進路を選んでほしいのです」と、中3学年主任の山下文子(あやこ)先生は話す。

 中1では、校内の活動や林間学校で経験したことを書いてまとめる「成長の記録」ファイルの作成を行い、自己を見つめる機会とする。中2では、企業からの「指令」に対する回答をプレゼンテーションする「企業インターン」及び東北方面での宿泊研修を行い、社会を視野に入れることを学ぶ。そして、中3では各方面で活躍する卒業生の話を聞く「卒業生インタビュー」と、自ら課題を見つけて調査とリポート作成を行う「卒業研究」に取り組む。

 高校に進むと将来の志望に沿った大学選びにウェートが置かれる。そのために必要な情報は「進学通信」として学年ごとに発信し、具体的な試験対策などを説明している。高1では、さまざまな大学のオープンキャンパスに参加し、大学の教授らによるミニ講義「夢ナビライブ」を受講する。高2では分野別模擬授業によって志望する大学・学部を明確にし、高3で志望大学を決定することになる。自らでテーマを決めて行う探究活動は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けて、高1のグループ探究から高2の個人探究へと進んでいき、進路選択にも大きな影響を与えている。

卒業生の動画を見て仕事の実際を知る

動画を教室で上映する形式で実施した「卒業生インタビュー」
動画を教室で上映する形式で実施した「卒業生インタビュー」

 中3の「卒業生インタビュー」では、例年卒業生を学校に招いたり、卒業生の職場を訪問したりしていたが、今年は新型コロナウイルスの感染を懸念して、卒業生に自分の仕事の内容や現在に至るまでの道筋を語る動画を制作してもらい、教室で視聴することになった。

 「1978年卒から2012年卒まで、幅広い世代にわたる17人の卒業生が、自分で動画を作成して送ってくれました。医師、弁護士、教師、営業職、エンジニアなど、職種も多種多様です。中3の時点では、まだ社会に出てどのような仕事があるのか、具体的なイメージをつかむのが難しいと思います。一つの企業の中にもさまざまな仕事をしている人たちがいることを知ってほしいですね」と、山下先生は話す。

 動画の視聴が行われた9月16日に同校を訪ねた。上映は六つの教室で行われ、生徒たちは、それぞれ興味のある動画を選んで視聴した。

 一つの教室で上映されていたのは、京都府に住む医師・大西良佳(よしか)さんの動画だった。大西さんは1997年の卒業生で、北海道大学医学部で学んだあと、東京の大学病院に勤務した。現在は京都大学大学院で再び医学を学びながら、医師としての仕事も続けている。「医師の資格は“最強”です。診察をしたり研究をしたりするだけでなく、製薬会社などの一般企業や行政で働くこともでき、また現在の私のように、時間を限って働くこともできます。以前はほとんど休みがないような状態でしたが、今は、2歳の子供を育てながら、趣味の野菜作りや、旅行など家族との時間も楽しんでいます」。動画の中で大西さんは自分の体験をこう語った。

 IT企業で広報・IR(投資家向け広報)担当を務める1995年卒業の鶴谷祥子さんは、IR情報や株式について分かりやすく説明を行った。2011年卒業の櫻井里紗さんは石油開発企業のエンジニアで、駐在先のアラブ首長国連邦のアブダビから動画を送り、その中で石油開発のプロセスを説明すると同時に、アブダビでの暮らしの魅力を語っていた。生徒たちはそれぞれの動画を視聴しながら熱心にメモを取っていた。

職業選択のさまざまな可能性に気付く

生徒たちは動画と手元の資料を参考にメモを取っていた
生徒たちは動画と手元の資料を参考にメモを取っていた

 小学生の頃から医療の仕事に興味があったという馬場心乃美(このみ)さんは、医師の大西さんの動画を見たあと、「医者になることで、ライフスタイルが選択できるということが分かりました。一つの職業の中にも、さまざまな選択肢が広がっているのですね」と感想を話した。

 上原花穂(かほ)さんは、学校・教育機関向けに学力試験を開発している卒業生の動画を見て、「『この試験を受けてよかったと思ってもらえる試験を作りたい』という言葉に、とても感動しました」と話した。

 弁護士として活躍している卒業生の動画を視聴した三科友葵(ゆうき)さんは、「事務所の本棚に法律関係ではない本も並んでいるのを見て、弁護士には法律以外の知識も必要なのだということに気付きました」と話す。「いろいろな分野に興味がある場合も、それを弁護士という一つの仕事の中で生かせるかもしれませんね」

 3人を含め、生徒たちはこれまでのキャリア教育を通して、将来の夢を一つに限る必要はないということを学んでいる。馬場さんは「医学だけでなく、建築、宇宙、ロボットなど、まだいろいろなことに関心があります。文系の仕事も、話を聞いてみると興味を引かれます」と言う。上原さんは「学生時代にいろいろなことに挑戦し、それを自分の興味と結び付ければいいという卒業生の方々のアドバイスを聞いて、自分はまさにその最中にいる、経験したほうがいいことがたくさんあるんだと思いました」と話した。

 生徒たちの言葉を聞き、山下先生もこう話す。「中3では、まだ具体的な志望が固まっていなくていいのです。より多くの知識と経験を得て、さらに視野を広げてほしいと思います。3人は現在、自由テーマによる卒業研究に取り組んでいますが、それによって、自分の興味をさらに深めていく方法が分かってくるでしょう」

 今回卒業生の動画を見た生徒の感想は、それぞれの卒業生に送り届けるとともに、クラスで発表して同級生と共有するという。この動画上映以外にも、豊島岡には「TGネットワーク」という卒業生と在校生の交流のための会などがあり、卒業生から受験やキャリアなどについて話を聞く機会が数多く設けられている。生徒たちにとっては先輩たちの声に耳を傾けながらゆっくりと自分の夢を温められる貴重な時間だ。

 (文:足立恵子 写真:中学受験サポート)

 豊島岡女子学園中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

無断転載・複製を禁じます
1617785 0 豊島岡女子学園中学校・高等学校 2020/11/16 05:01:00 2020/11/16 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201111-OYT8I50022-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
お買い上げ金額から10%OFF
NEW
参考画像
1ドリンクサービス(お一人様1杯)
NEW
参考画像
1,000円以上お買上げの方に「とうきび茶」プレゼント
NEW
参考画像
「ふぞろいの牛タン・切り落とし」一品プレゼント!
NEW
参考画像
ファーストドリンク一杯無料

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)