人間力が磨かれるラグビーフットボール部…目黒学院

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 目黒学院中学校・高等学校(東京都目黒区)は、「知育・徳育・体育」を三位一体とした教育を目標としている。成長期の精神と肉体の調和を図る意味で部活動も盛んであり、運動部には全国制覇を成し遂げた部が8部もある。特に、過去5回の全国制覇を成し遂げた「ラグビーフットボール部」について顧問の先生や部員にインタビューし、部活動を通して身に付く「人間力」の正体に迫った。

何事にも「全力」で取り組む本気の指導

運動部の活動が盛んな目黒学院中学校・高等学校
運動部の活動が盛んな目黒学院中学校・高等学校

 「部員にはいろいろと話をしますが、練習の段階から『全力』で一生懸命に取り組むことを何よりも大事にしています」。ラグビーフットボール部顧問の倉上俊先生はそう話す。「全力でやらないと実力が付かないということもありますが、普段から手を抜いた練習をしていたら本番の試合で持っている力を出しきることができないからです」

 12年の指導歴を持つ倉上先生が部員を見る目は鋭い。「練習に入るスピードや休憩中のコミュニケーションの有無などで、生徒が練習に全力で臨んでいるかどうかはすぐに分かります」

 ラグビーの試合は前後半それぞれ40分間ずつ、休むことなくプレーが続く。一瞬の判断力や、仲間との瞬時のコミュニケーションが勝敗を左右するという。普段の練習もコミュニケーションを取りながらスピーディーに行うのはそのためだ。

 とはいえ、試合に勝つことばかりにこだわっているわけではない。「ラグビーを楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちが根本にあります。そのため、飽きることがないように練習内容を工夫しています」

 練習メニューは、その時々のチームに必要な課題に合わせて顧問やトレーナー、スタッフ全員でミーティングを行って決める。人間の動作を科学的に分析し、相手をかわすテクニックを身に付ける「スペースラン」や、通常の試合とは異なるルールで行うゲーム形式のトレーニングなど、肉体を鍛えるだけでなく頭を回転させるよう工夫しているのが特徴だ。

 部活中心の生活になると心配なのが勉強面だが、ラグビーフットボール部では、テスト前にチーム内で勉強会を開くなど、文武両道をしっかり心がけている。「試合や部活では皆、0コンマ何秒という世界で活動しています。勉強に必要な集中力や決断力がラグビーを通して養えます。また、部活を通して人間力が付くと、自然と勉強に前向きになります。高3になる頃には自信を持って送り出せる人間に成長していますよ」と倉上先生は請け合った。

「仲間のために」という思いが覚悟に変わる

校内にはウェートトレーニングルームも完備されている
校内にはウェートトレーニングルームも完備されている

 ラグビーフットボール部は過去5回の全国制覇を成し遂げた強豪だ。しかし、部員が経験者(ぞろ)いというわけではない。それどころか、高校からラグビーを始める生徒が部員の7割に上るという。

 高3の齋藤良明慈縁(らみんじえん)君は、中学時代は陸上部で走り幅跳びの選手だったが、目黒学院に入って先生に声をかけられ、体験練習に参加したのをきっかけにラグビーフットボール部に入った。「正直、最初は乗り気ではありませんでしたが、部活の先輩たちがやさしく接してくれたことや、いろんな国籍の人が活躍していることを知り、ハーフの自分も活躍できる環境なのではないかと思いました」

 中学時代は、「人と目を合わせて話ができないほどコミュニケーションが苦手だった」というが、目黒学院に入学してから積極的な性格に変わった。「練習は(つら)いことだらけです。特に相手と体をぶつけるコンタクトが苦手でした。でも、毎日一緒に努力を続ける仲間のため、チームのためと思うと体を張ることができます」。ラグビー未経験者ばかりの1年生チームで試合に出て、力を合わせて初めて得点を挙げたことが一番うれしかったという。

 同じく高3の岩崎燎太君は、小中の9年間サッカーに打ち込んでいたが、高校では新しいスポーツにチャレンジしようとラグビーフットボール部に入部した。部活の中で一番印象に残っているのは、2年生の時に初めて「第97回全国高等学校ラグビーフットボール大会」に出場したこと。いわゆる「花園」の大舞台だ。試合では反省点もあったが、「自分は全国でも通用する」と分かり、大きな自信になったそうだ。

 部活動を通して学んだことは「人生、計画通りにはいかない」ということだという。計画倒れにならないよう、勉強も部活も「明日やればいいや」という考え方をやめ、「今日できることは今日やる」という意識に変わったという。

ラグビーを気軽に楽しめる「ラグバンスめぐろ」

 倉上先生は「小・中学生にもっとラグビーに触れる機会を与えたい」という思いから、2015年からラグビースクール「ラグバンスめぐろ」を開催している。一般にラグビースクールは土曜、日曜に保護者がボランティアで指導しているケースが多い。そこで倉上先生は、平日にもラグビーができるようにと、毎週木曜日の午後6時30分から同校体育館を使ってスクールを開いている。参加費用は保険料の200円だけで、所属するチームにかかわらず誰でも参加できる。

 内容は基礎練習より試合形式を中心とし、楽しくラグビーを学べるようにしている。そのため初心者の参加も多く、毎回20~30人が参加する盛況ぶりだ。

 ちなみに同校は「面接」と「漢字と計算」で合否を判定する「一芸入試」も実施している。スポーツ、音楽、バレエの3分野で募集を行っており、「ラグバンスめぐろ」の受講生も「一芸入試」の対象となっている。実際、「ラグバンスめぐろ」でラグビーの楽しさを知った小学生の中には、目黒学院に入学してラグビー部で活躍している生徒もいるという。

 「日本一を目指すという大きな目標の中で努力を続けることは、それだけで多くの学びを得られます。また、小さくとも成功体験を積み重ねることで身に付く自信、心から信頼できる仲間との出会いは一生の宝になると思います。ラグビーに興味のある人はぜひ一度、見学に来てください」

 人間力が磨かれるのは、ラグビーフットボール部だけではない。さまざまな部活動を通し、もちろん勉強を通して、同校の生徒たちは「知育・徳育・体育」の理想に近付いている。

 (文・写真:安達悠 一部写真提供:目黒学院中学校・高等学校)

 目黒学院中学校・高等学校について、詳しく知りたい方はこちら

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520197 0 目黒学院中学校・高等学校 2019/04/04 05:21:00 2019/04/04 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/04/20190403-OYT8I50004-T.jpg?type=thumbnail

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