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【特集】多様な進路を実現する多彩な「選択授業」…緑ヶ丘女子

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 緑ヶ丘女子中学校・高等学校(神奈川県横須賀市)は、「『なりたい自分』に全力でサポート」をスローガンに掲げ、「選択授業」を充実させている。大学、短大、専門学校、就職など多岐にわたる生徒たちの進路志望を実現させるため、約70の講座を用意し、最適な選択ができるように心配りをしている。今年度初めて開講した「情報メディアデザイン」の授業をリポートするとともに、「選択授業」の方針などについて縄田利寿教頭に話を聞いた。

多岐にわたる進路志望に対応する選択授業

 同校の選択授業は、難関大学系、看護・医療系、芸術系、国際系など九つの系統に分かれ、約70の講座が用意されている。高2から受講が可能で、生徒はその中から「なりたい自分」を実現するのに適した講座を選ぶことができる。こうしたバラエティーに富んだ選択授業を用意している背景として、縄田利寿教頭は「当校の生徒が希望する進路は文系・理系をはじめ、芸術系、医療福祉系、保育系、体育系など、多岐にわたっているからです」と説明する。

今年度開講した「情報メディアデザイン」担当の土屋未沙先生
今年度開講した「情報メディアデザイン」担当の土屋未沙先生

 高校から入学する生徒たちは「特進コース」「総合・進学コース」「幼児教育コース」に分かれる。「特進コース」は高2で文、理、看護・医療系に分かれ、主に大学進学を目指す。「総合・進学コース」は受験科目以外に看護系や商業系など専門性の高い科目も設定していて、大学、短大、専門学校、就職など幅広い進路に対応する。「幼児教育コース」は大学、短大、専門学校で保育や幼児教育をスムーズに学ぶための基礎知識を身に付ける。

 こうした多様な進路選択を容易にするのが豊富な選択授業であり、「さまざまな志望を持つ生徒たちをサポートし、進学・就職いずれも合格率100%を目指しています」と縄田教頭は語る。

 選択科目の講座は、AからFまで6種類の選択グループに分けられ、A~Dの4種類に配置された授業は将来の進路に結び付きが強いものであり、E、Fの2種類は専門に特化した科目の授業という位置付けになっている。

 例えば、文系・理系への大学進学を目指す生徒向けには、5教科の試験科目に対応した高度な演習問題に取り組む科目が並び、医療福祉系の進学を目指す生徒には、医療系教養を高めるとともに小論文の指導を行う「医療時事教養」、看護の基礎知識や技術を学習する「看護」などの科目が設けられている。さらに、保育士などを目指す生徒には、幼児の保護者に宛てる連絡帳や便りの文章力を高める「幼教国語」など専門的な科目が用意されている。

 このほか、美術系では「構成(デッサン)」「美術特講」、音楽系には「音楽理論」「ソルフェージュ」、体育系へ進学を希望する生徒向けには実技受験に備える「体育特講」、就職希望者向けの「簿記」「ビジネス基礎」、特にファッション関連の仕事を目指す生徒向けの「ファッション造形基礎」、健康に生活していく方法を食生活から考える「フードデザイン」など、生徒の多様な進路希望に対応するユニークな科目も多い。

パソコンで作画を学ぶ「情報メディアデザイン」

テーマ「LINEスタンプをつくろう!」で実技作業に取り組む生徒たち
テーマ「LINEスタンプをつくろう!」で実技作業に取り組む生徒たち

 選択科目の講座は数年ごとに見直し、近年はSDGsに関連するテーマなど、これからの時代に求められる教養や将来に役立ちそうな講座を随時取り入れているという。

 取材に訪れた9月11日、今年度初めて開講した「情報メディアデザイン」の授業を見た。パソコンソフトを使ったデザインの実技を中心に学ぶ科目で、教室では「LINEスタンプをつくろう!」というテーマで授業が行われていた。

 この日の受講者は7人で、生徒たちは前回の授業で描いたイラストをスキャンし、そのデータを下絵にしてパソコン上でブラッシュアップする作業に取り組んでいた。モチーフは恐竜や動物などさまざまだ。筆やペンなど、描画ツールの操作に戸惑う生徒もいるが、少人数授業のメリットで、不明な点があればすぐに質問できる。

イラストをスキャンし、データを下絵にしてパソコン上でブラッシュアップする
イラストをスキャンし、データを下絵にしてパソコン上でブラッシュアップする

 担当の土屋未沙先生は、正課の美術の授業を受け持つほか、選択授業では「絵画(イラスト)」「デッサン」も指導している。「これからの時代、AIに仕事が奪われていくという予測もある中で、ICTを一つのツールとして使いこなし、クリエイティブな姿勢を身に付けてほしいと思っています。今日、取り組んでいるLINEスタンプも実際に使えるものを目標に、運営側の審査基準をクリアするように作成しています」

 建築系の大学で学ぶことが決まっている佐々木百果さん(高3)は「パソコンを使ってデザインできることに興味があって選択しました」と話す。「慣れない操作で難しいですが、少しずつ完成していくのが楽しいです。選択授業は自分の希望で選べることが魅力です。興味のあることなので、楽しく取り組むことができます」

 ペットトリマーの道を希望している本間杏樹さん(高3)は「昔から絵を描くことが好きで、パソコンで作画する技術が学べればと思い、選択しました。トリマーもセンスが問われる仕事なので、この授業でそれが少しでも磨けたらと思っています」と話した。

中学3年間で「なりたい自分」をイメージ

 将来の進路選びにかかわってくるだけに、生徒にとって選択授業にどう取り組むかは重要だ。そこで、同校はそのための準備を中学から始めている。

 「高校で授業を選択するためには、その基準となる希望の進路や、必要な科目を選ぶ判断力などが必要です。そのため、中学ではキャリア教育の一環として、必要な情報を収集する力や、それを人に伝えるコミュニケーション力を養成することを重視しています」と縄田教頭は話す。「この学びを成功させるためのキーワードは『つながる、伝える、思いやる』の三つです」

国際系の選択科目「オンライン英会話」でネイティブとコミュニケーションする生徒
国際系の選択科目「オンライン英会話」でネイティブとコミュニケーションする生徒

 「つながる」力を身に付けるため、例えば、伝統的に重視している英語教育の中で、ネイティブの教員による授業や週1回のオンライン英会話、海外研修などを通して異文化コミュニケーションを経験させている。

 「伝える」力は、隔週土曜日の「サタデークラス(総合的な学習の時間)」が主なトレーニングの場となっている。「進路を考える」という大きなテーマに関して、中1では「自分を知ろう」と題し、自分がどう育ってきたかを保護者に取材し、将来こうなりたいという思いも含めて発表を行う。中2では「職業調べ」を行って、さまざまな産業や職業について学び、中3では「大学の学部や学科調べ」を行う。調べた結果について年2回プレゼンテーションを行うことで生徒同士が情報を共有し、新たな発見や視野を広げることにも役立てるという。

 「思いやる」力は、週1回の「作法」の時間に茶道を学び、おもてなしの方法や礼儀作法を身に付けたり、年間5回実施する課外授業の「SSE(ソーシャルスキルエデュケーション)」でより良い対人関係を築くための方法を学ぶ中で身に付けていく。

 三つのキーワードで表現される情報収集力やコミュニケーション力を身に付けることで、生徒たちは、中学3年次には「なりたい自分」をしっかりとイメージし、進学や就職に向けて自分に適した授業選びができるようになるという。

 「高校1年の保護者会では進路に合わせた選択授業のモデルケースなどを紹介していて、担任とも相談しつつ、生徒にとって最良の組み合わせになるようきめ細かく対応しています。少人数の授業なので生徒一人一人に目が行き届き、確実に才能を伸ばすことができます」と、縄田教頭は自信を見せた。

 (文:山口俊成 写真:中学受験サポート 一部写真提供:緑ヶ丘女子中学校・高等学校)

 緑ヶ丘女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1682702 0 緑ヶ丘女子中学校・高等学校 2020/12/10 05:01:00 2020/12/10 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201207-OYT8I50046-T.jpg?type=thumbnail

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