初開催オープンスクールデイで「自調自考」の学びを発信…渋渋

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 渋谷教育学園渋谷中学高等学校(東京都渋谷区)は8月28日、同校として初の「オープンスクールデイ」を開催し、小学生ら約4000人が詰めかけた。他校生とのビブリオバトル、理科部ロボコン班の実験教室、小学生に人気のクイズコーナーのほか、英語力を生かした模擬国連やディベート、企業人をゲストに招いてのトークセッションなど多彩な催しが繰り広げられた。

生徒が主役として輝ける場として企画

約4000人の小学生親子が訪れたオープンスクールデイ
約4000人の小学生親子が訪れたオープンスクールデイ

 同校は昨年、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール事業の集大成として、「世界高校生水会議」を開催し、世界各国のトップ校の高校生たちを招いて交流した。「水会議では主役として会議に参加する生徒よりも、サポートにまわる生徒の方が多かったので、今年はより多くの生徒が主役として輝ける場を作ろうと考え、オープンスクールデイを企画しました」と、オープンスクールデイを担当する北原隆志教諭が説明する。

 今年度は、新たに文科省からイノベーティブなグローバル人材を育成するための「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業」の拠点校の一つに指定され、「協働型探究学習による、SDGs(国連が定める持続可能な開発目標)達成を担う次世代地球市民の育成」に取り組むことになった。

 「オープンスクールデイ」は、この新たな目標に向けて、「本校が培ってきたディベートや模擬国連、ディスカッションなどの学びを、他の高校や企業などとのネットワークを広げながら、外部に発信していく場になっています」と北原教諭は話す。

 この日は午前9時から午後4時まで、バスケットボール、バレーボール、合唱、クイズ研究など各部の日頃の活動が公開されたほか、「カンボジアの貧困」「宇宙開発」などをテーマとした有志の発表、理科部によるロボコン体験教室、他校生とのビブリオバトルなど特別な催しも用意され、参加者の注目を集めた。

ビブリオバトルでは他校生と英語で競い合う

他校の生徒と英語で競うビブリオバトル
他校の生徒と英語で競うビブリオバトル

 図書委員は、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(渋幕)、豊島岡女子学園中学校・高等学校(豊島岡)、浅野中学・高等学校(浅野)の3校の生徒を招き、日本語と英語の2部に分かれてビブリオバトル(書評合戦)を繰り広げていた。

 参加者は自分の薦める本について5分間のプレゼンテーションをし、続けて2分間の質疑応答・ディスカッションをする。全員が読みたいと思った本に投票して、一番票が多かった本がチャンプ本に選ばれるルールだ。

 英語部門のチャンプ本に選ばれたのは、渋渋の図書委員長の五十嵐詩帆さん(高2)が薦めた英語の小説「The Age of Miracles」(Karen Thompson Walker著)だ。

 自転が遅くなって地球が終わりに近づいているという世界のストーリーで、五十嵐さんは、「地球の終わりというテーマはサスペンスやアクションに多いのですが、この本は人間関係に焦点を当て、過酷な状況で人との関係がどう変わっていくのかを書いています。地球温暖化が進む現在、SDGsの観点からも、想像力を持って行動に移すことが大事だと思います」と、英語で本の魅力をプレゼンテーションした。

 英語部門だけでなく日本語部門でも、4校の生徒によるビブリオバトルが繰り広げられ、会場は熱気に満ちていた。見学していた小学5年の男の子は、「5年間アメリカやイギリスに住んできました。渋渋は英語がより上達できそうだし、SDGsなど公立では学べないようなテーマを学べるのがいいと思った」と気に入っている様子だった。

他校と切磋琢磨して実力を磨いているクイズ研究部

クイズ研究部のSDGsクイズに参加した小学生ら
クイズ研究部のSDGsクイズに参加した小学生ら

 小学生たちの声が飛び交い、活気にあふれていたのはクイズ研究部だ。

 「日本一高い山は富士山ですが、2番目に高い山は?」

 「北岳!」

 「正解です」

 クイズ番組のような早押しで正解を出した小学生が満足そうに微笑(ほほえ)んだ。

 司会として問題を読みあげていたのは、副部長の寺井龍吾君(高1)だ。「昨年の水会議では、外国人生徒のオリエンテーリングのために、東京の環境に関するクイズを作成しました。今回もSDGsをテーマにしたクイズを作成して、小学生のみなさんに楽しんでもらいました」

 クイズ研究部は創部6年目で比較的新しい部活だが、2014年には高校生クイズ関東大会で優勝するなど、さまざまなクイズ大会で好成績を収めている。関東地区の中学・高校のクイズ部による組織「関東クイズ連合」に加盟して、開成中学校・高等学校や早稲田中学校・高等学校など他校と活発に交流しているという。

 寺井君は「先輩後輩の仲がよく、和気あいあいとした雰囲気の部活で、他校と活発に交流して切磋琢磨(せっさたくま)しています。今日参加してくれた小学生たちが、1人でも多く入部してくれたらうれしい」と話した。

参加者が詰めかけ抽選となったロボコン班の体験教室

理科部ロボコン班のロボット操縦体験教室
理科部ロボコン班のロボット操縦体験教室

 理科部のロボコン班が主催していた体験教室には多くの小学生親子らが集まり、抽選になるほどの人気を見せていた。

 用意されたのは、プログラミングで自立型ロボットを動かす体験教室、ロボット操縦の体験教室、フルカラーLEDで光る基盤を作成する電子工作教室、3Dプリンターで作るオリジナルスタンプ作成教室の四つ。

 ロボコン班は仙台市で開かれる「知能ロボットコンテストフェスティバル」に毎年出場して好成績を収めている。今年は卒業生の廖一夫(りょういちふう)君(東京大学在学中)がチャレンジャーズ部門で優勝したほか、高1の下川凜さんも同部門4位入賞を果たしている。

 この日は廖君らOBも駆けつけて、このコンテストに出品したロボットを小学生らと一緒に動かしていた。

 小学生らに丁寧に説明をしながらプログラミングを教えていた下川さんは、「ロボットは簡単には動いてくれません。動かない原因を突き詰めて考える力、粘り強く作業して折れない心が育ちます」と話す。

 さらに、「渋渋は、英語を流暢(りゅうちょう)に話せる人がいたり、大会やコンテストで賞をもらうような特技を持つ人がたくさんいたり、お互いに刺激を受け合える学校です」と学校の長所も忘れずPRした。

他校生や社会人とも活発な議論を展開

 模擬国連部は渋幕、駒場東邦中学校・高等学校の生徒と、気候変動について英語で議論。英語ディベート部は、渋幕と浅野の生徒と、世界が直面する諸問題について英語でディベートを行って、いずれも優秀な英語力をアピールした。

 また、「ビジネスイノベーションクラブ」は、「東京五輪でのペットボトル消費量を半分にする作戦を考えよ」というテーマで、豊島岡、湘南白百合学園中学・高等学校、都立国際高等学校の生徒たち、及びコンサルティング会社やNGO団体からのゲストも交えて、活発に議論した。社会科研究会でも「シブヤのミライについて語ろう」などをテーマに企業からゲストを招いてトークセッションをするなど、社会人との交流も活発に行われた。

 北原教諭は、生徒らの取り組みについてこう話す。「本校は『自調自考』『国際人』『高い倫理観』を校是とし、地球規模の高い思いやりを持ったグローバル人材を育成することを目標にしています。今日のオープンスクールデイで発表した部活動や、委員会活動、自調自考論文など、すべてがその目標に向かって行われています。この自調自考の学びを外部に発信して、より多くの人にメッセージとして伝えていければと考えています」

 今後は、海外の高校生なども招いて、このオープンスクールデイを発展させ、より大きな学びのネットワークを作っていきたいという。進化し続ける渋渋の教育に今後も注目していきたい。

 (文・写真:小山美香)

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886212 0 渋谷教育学園渋谷中学高等学校 2019/11/12 05:21:00 2019/11/14 09:43:15 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191107-OYT8I50026-T.jpg?type=thumbnail

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