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【特集】文武両道と道徳教育 建学120年の伝統…成田付属中

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 成田高等学校付属中学校(千葉県成田市)は「成田山の宗教的使命の達成」「地方文化の向上」という建学の理念のもと、文武両道と道徳教育を柱に、親身になって生徒の希望をかなえる進路指導に力を入れている。田中康之校長に同校の目指す教育を聞いた。

思いやりの心養う 挨拶など五つの努力目標も

成田山の参道を抜けると、広々としたきれいな校舎が現れる
成田山の参道を抜けると、広々としたきれいな校舎が現れる

 開山1080年を控える真言宗智山派の大本山・成田山新勝寺が母体となって経営する学校だと聞くと、さぞ仏教に基づく宗教的教育に力を入れているのだろうと思いがちだ。

 しかし、「実際は入学式と卒業式、年1回の宗教講話くらいで、それ以外、ほとんど宗教色はありません」と田中康之校長は話す。「人にやさしく、思いやりを持った心を養ってほしいという道徳教育ととらえてもらえれば」という。

 120年前の1898年、成田高等学校の前身として旧制の成田中学校が開校した当時は、近隣に学校がなく、地域に教育を普及するのが目的だったという。卒業生は幅広い分野で活躍しているが、地元の市役所や成田国際空港関連の会社で働くなど、地域に貢献する人材も多く育ててきた。

男子バレーボール部顧問だった田中校長は「部活が自分を育ててくれた」と話す
男子バレーボール部顧問だった田中校長は「部活が自分を育ててくれた」と話す

 建学の理念を実現するため、成田高等学校・同高付属中学校で一貫して掲げる努力目標は「挨拶(あいさつ)する/正装する/勉強する/運動する/掃除する」の五つだ。

 「この五つを大事にして、生活面で厳しく指導しています。中学に入学したての頃は挨拶できない生徒でも、だんだん変わってきます。校内では、こちらが挨拶する前にあちこちから挨拶が飛んでくるほどです。中学2年生くらいは反抗期ですが、家では不愛想な子も、学校では挨拶してくれるのですね。親離れの時期ですからそれは当然で、学校で道徳心が育っていればいいと思います」

 こうした道徳教育が評価され、「成田の卒業生なら安心」と言われることも多い。地元の保護者からの人気も高く、第1志望の受験者が増えているという。

能動的生徒を育成へ 大学レベル理科の授業も

 田中校長は、同中学校・高等学校で長年教壇に立ち、2016年に校長に就任した。成田高等学校と同高等学校付属小学校の校長も兼務している。「卒業生には『先生、甘くなりましたね』なんて言われます」と笑う。同中学校などで教えて45年目。かつての教え子たちの子供が入学して、久しぶりの再会を喜ぶことも多いという。

ラーニングセンターでは夜7時まで勉強する生徒もいる
ラーニングセンターでは夜7時まで勉強する生徒もいる

 「生徒を育てる、というような上から目線ではなく、一緒に学んでいくという気持ちでいます。数十年前はやんちゃな生徒も多くいましたが、今の生徒たちは素朴で真面目な子が多いですね。歯ごたえがなさすぎて、もっと困らせてほしいと思うこともあります。自分からどんどん提案してくるような能動的な生徒になってほしいと考えています」

 能動的な生徒に成長するようにと、同中学校ではプレゼンテーションをする場を多く取り入れている。発表が苦手な生徒でも、親身に指導することで少しずつ上達するという。


東京電機大学の教員による理科の特別授業
東京電機大学の教員による理科の特別授業

 また、生徒たちが受け身でなく、発表や討論などで積極的に参加する「アクティブラーニング」型の授業として、東京電機大学の教員を招いた理科の特別授業も行っている。大学生に講義するのと同じ内容を、分かりやすくかみ砕いて教えてもらいながら、実験を行うというものだ。

 「この授業を心待ちにしている生徒も多くいます。大学の講義内容を中学生のうちから意識することで、大学受験へのモチベーションも高まっています」

東大・京大見学ツアー 中学から受験を意識

 同中学校のカリキュラムでは、中学2年までに中学の教育課程を終わらせ、中学3年から高校課程に入る。中学3年からは選抜クラスと一般クラスに分かれるため、選抜クラスに入るのを目標に勉強に励む生徒が多いという。

 「高校からの入学生とは学習の進度が違うため一緒のクラスにはなりませんが、高校の特進α(アルファ)クラスがいいライバルになり、刺激し合っているようです」

 また、年間を通して成績が振るわない生徒には7限目に補習を行うなど、面倒見がよいのも同中学校の特長だ。

 一方、家庭での勉強時間や内容などを記録した学習手帳を使用するほか、学習支援クラウドサービス「Classi(クラッシー)」を導入し、家庭学習の習慣付けを重視している。中学3年からは全員にタブレット型端末「iPad(アイパッド)」を配布して、教材や宿題を配信するなど、情報通信技術(ICT)教育も充実している。

 中学3年次の京都・奈良への修学旅行では、京都大学など関西の大学のキャンパスツアーに出かける。それとは別に東京大学のキャンパスツアーも実施しており、早い段階から大学受験を意識することで、モチベーションを高めている。

 「かといって東大、京大ありきではありません。学びたい分野をよく調べて、例えば生物の生態系を勉強したいなら〇〇大学がいいなどと、生徒が本当に学びたい学部に行けるように指導しています。そうしたなかで、東大など難関大を目指す生徒が増えています」

 毎週土曜日には高3対象の計20講座が開かれているほか、夏休みや冬休みには中1から高3まで参加できる多彩な講座が設けられている。中3で高1の講座を受けることができる一方で、基礎からやり直したい生徒なら、高3が高1の講座を受けることもできるという。

 「ラーニングセンター(学校図書館)では夜7時まで多くの生徒が自習しています。分からないところは、すぐに教師に聞ける態勢をとっているので、個別対応をすることが多いです。上の学年が先生のところに入り浸っているのを見て、下の学年の生徒たちも同じように自然に勉強するようになります」

強豪居並ぶ運動部 情熱あふれる教師たち

 同中学校で、教育理念の大きな柱になっているのが「文武両道」だ。日々の学習や受験で面倒見よく指導に当たるとともに、部活動にも力を入れている。

競技かるた部は全国レベルの大会に出場し、大学とも対戦する強豪
競技かるた部は全国レベルの大会に出場し、大学とも対戦する強豪

 高校の野球部、陸上部、ソフトテニス部は強化クラブに指定されている。たとえば、野球部はこれまで甲子園に夏7回、春も2回出場し、最近では2010年の夏にベスト4に勝ち進んだ強豪として知られる。それらの部以外でも、弓道部は国体やインターハイに、空手部も全国大会に出場するなど、多くの運動部が高い実績を上げている。

 一方、文化系の部活動で特に人気があるのは競技かるた部だ。

 「毎年中学全体でクラス対抗のかるた大会を開いています。それがきっかけで、かるたの面白さに目覚めて入部する生徒が多いようです」と田中校長。

 千葉県代表に選ばれて全国レベルの大会に出場するなど、強豪チームとして活躍しているという。

 

 田中校長は高校男子バレーボール部の顧問を長年務めてきた。国語の教師だったが、部活が生活の中心になるほど熱心に指導に打ち込んできたという。

 「部員は高校から始めた子ばかりでしたが、夏休みはもちろん、5月の連休も年末年始も合宿を組んで、練習に明け暮れました。とことんのめり込んで、絶対勝てないと思っていた相手に勝てたのです。この子たちが県大会に連れていってくれると思うと、試合が終わって泣きました。部活が教師としての私を育ててくれたと感謝しています」

 当時の部員たちは男子バレーボール部の後援会をつくり、今も新年会やバーベキュー大会を開くなど田中校長を中心に交流を続けているという。

 文武両道と高い道徳心を理想とする同校。それを実現しているのは、田中校長のような情熱あふれる教師たちなのだろう。その優しい瞳の奥に、熱い思いを感じた。

 (文・写真:小山美香 一部写真提供:成田高等学校付属中学校)

 成田高等学校付属中学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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33710 0 成田高等学校付属中学校 2018/07/25 13:00:00 2021/04/12 15:37:55 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180723-OYT8I50070-T.jpg?type=thumbnail

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