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【特集】コロナ禍を「追い風」に変えた主体性を伸ばす教育…江戸取

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 江戸川学園取手中・高等学校(茨城県取手市)は、今春の大学入試で東京大学に4人、医学部医学科に66人の現役合格者を送り出した。コロナ禍の逆境を乗り越えて前年を超える進学実績を出せた背景には、単なる「勉強」を超えた幅広い「学び」を通じ、主体性を育成する教育方針があるという。来年度中学入試で導入予定の英語必須化と合わせ、同校の「学び」を紹介する。

通常授業を超えた幅広い「学び」が生徒を育てる

教育方針について語る熊代淳教諭(左)と遠藤実由喜教諭
教育方針について語る熊代淳教諭(左)と遠藤実由喜教諭

 今春の大学入試で同校は、東京大学に4人、医学部医学科に66人の現役合格者を出した。昨年の現役合格者は東大1人、医学部医学科59人であり、コロナ禍の逆境にもかかわらず、しっかり実績を伸ばした。

 進路指導部長の熊代淳教諭は、「生徒たちが、コロナ禍という『向かい風』を『追い風』に変えてくれました。ただ、従来のいわゆる詰め込み型の教育では、コロナ禍は逆境でしかなかったと思います」と話す。「『学び=勉強』と思われがちですが、本校では勉強はあくまでも学びの一部です。国内外での探究学習を始め、講演会や観劇会といったイベント教育、高大連携講座なども含む157のアフタースクール、学校行事など多様な体験が、生徒の主体性やモチベーションを高め、『自分は将来こうありたい』と考えるきっかけとなるのです」

 中等部入試担当で中3学年部長の遠藤実由喜教諭は「今春の大学入試の実績も、本校でのさまざまな学びを通して、教師の指示を待つのではなく、自ら判断して行動するという主体性が育った結果だと受け止めています」と話す。

「書く」コミュニケーションの下地をつくるユニークな道徳の授業
「書く」コミュニケーションの下地をつくるユニークな道徳の授業

 例えば、同校ならではの「道徳」の授業も、受験科目を超えて、生徒の主体性を育てるのに役立つ幅広い「学び」であり、コロナ禍に伴う休校期間中、生徒のモチベーションを支えるのに大いに役立ったという。

 同校は昨年5月7日以来、オンライン授業を開始する一方、学習支援クラウドサービス「Classi(クラッシー)」のコメント機能を活用して一日の振り返りを行った。生徒が書き込んでくる日々の率直な思いや相談事のコメントに対し、教師は一つ一つ返事を書いて生徒を鼓舞し、悩みに応えていった。

 「対面授業ではクラスの全生徒、約40人に毎日声をかけることは難しいこともあります。しかし、Classiを使うと、教室では無口で、あまり話さない生徒も本音を書いてくれるなど、むしろ対面よりも密にコミュニケーションが取れたと感じています」と熊代教諭は話す。

 「道徳」の授業は、この活発な「書く」コミュニケーションの下地となったという。この授業では、生徒は教師の講話を聴いてメモを取り、グループごとにディスカッションを行って、自分の考えを大学ノートに書く。これに対し、教師は同じ量のコメントを書き、「心のキャッチボール」を行う。

 「道徳の授業を通して、生徒は自分の考えを書くことが習慣となり、少しずつ本音を吐露できるようになります。開校以来、書くことを通じて生徒と教師のコミュニケーションを大切にするという土台があったからこそ、休校中も生徒がClassiのコメント欄に自分の気持ちを素直に書くことができ、私たち教師も生徒の心の動きをキャッチできたと感じています」

文化イベントや自然環境探究学習も次々と

伝統芸能の鑑賞も行われる「イベント教育」
伝統芸能の鑑賞も行われる「イベント教育」

 同校は「心豊かなリーダーの育成」を教育理念としている。そのために「心力」「学力」「体力」の三位一体の教育に取り組んでおり、生徒を最高水準の学問、芸術、伝統芸能に触れさせる「イベント教育」もその取り組みの一つだ。

 登校再開後は、感染防止に細心の注意を払いながら、この「イベント教室」を積極的に開催していった。昨年9月14日に開催した「篠崎史紀&N響の仲間たちコンサート」は、通常1回の演奏を4回にしてもらい、一度に大ホールに集まる生徒数を減らすなど演奏を楽しんだ。また、10月の文化祭での女優・羽田美智子さんの講演や12月の「大蔵流 狂言」の観劇などもホールに入る生徒数を制限するほか、ライブ配信でも視聴できるようにし、生徒が体験の場を失わないように努力した。

長野県で行われた「自然環境探究学習」
長野県で行われた「自然環境探究学習」

 同様の目的で、毎年6月には、中学2年生を対象として長野県の白樺湖畔で2泊3日の自然環境探究学習を実施している。昨年も、イヤホンマイクを使って現地のインタープリターとソーシャルディスタンスを保つなどして実現にこぎつけた。宿泊するホテルも2か所に分け、ホテルのスタッフにも、生徒がスリッパを使用するたびにアルコール消毒し、食事は対面にならないようテーブルの配置を調整、布団の並べ方も頭が並ばないようにするなど感染対策を徹底してもらったという。

 遠藤教諭は、「コロナ禍の中で行った自然環境探究学習は、例年以上に成果が上がりました」と話す。「宿泊を伴う研修は本来の目的である探究学習だけでなく、親元を離れて仲間たちと学び合う貴重な経験ができます。昨年度はそれに加え、ホテルスタッフなど周囲の大人たちが、あらゆることに心を配って感染対策を行い、自分たちのためにベストを尽くしてくれたことに対する感謝の気持ちを、生徒たちは強く感じたようです」

2022年度から英語を中学の必須受験科目に

 幅広い「学び」の姿勢を通してコロナの危機を「追い風」に変えた同校は、2022年度の中学入試から、英語を必須受験科目とする新たな試みを始める。この試験には10分間のリスニングテストも含まれる。この試みについて、遠藤教諭は「今後はますます英語力が必要となる時代です。なおかつ、小学5年生から英語が必須科目となりました。こうした時代の流れを反映しつつ、『小学校での授業を大切にしてください』というメッセージを込めて、英語を必須の受験科目に加えました」と話す。

 「中高の6年間で、子供たちは壁にぶつかったり、反抗期で親子の会話ができなくなったりすることもあります。そんな感受性豊かな時期に、多くの仲間とさまざまな体験ができることが、本校の大きな魅力です。中学受験も、子供が自分の目標を下げずに、ブレることなく努力することで得られるものは大きいですし、親子が一つになって受験に向かうことで絆が強まります。そうした広い視野を持って、受験に挑戦していただきたいですね」

 (文:籔智子 写真:中学受験サポート 一部写真提供:江戸川学園取手中・高等学校)

 江戸川学園取手中・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1987505 0 江戸川学園取手中・高等学校 2021/04/16 05:01:00 2021/04/16 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210415-OYT8I50025-T.jpg?type=thumbnail

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