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【特集】地元に根差した医療・教育・教養のキャリア教育…西武台千葉

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 西武台千葉中学校・高等学校(千葉県野田市)は、高校生を対象として医療と教育の2分野でキャリア教育プロジェクトを進めてきた。いずれも地元の病院、学校などと密接に連携しているのが特徴だ。さらに、今年度は新たに「入門野田学」と題した教養講座も開設し、ますます地域に根差した教育を推進する構えだ。三つのプロジェクトの活動内容や狙いを担当教諭に聞いた。

地元の病院でインターンシップ

(左から)逆井芳男入試対策室長、山崎耀教諭、大野涼子教諭、池田有向教諭
(左から)逆井芳男入試対策室長、山崎耀教諭、大野涼子教諭、池田有向教諭

 同校が、特に医療と教育の2分野に焦点を当てたキャリア教育プロジェクトを展開していることについて、キャリア教育担当責任者の池田有向教諭は、「医療・看護の道に進みたいという生徒が、高校の各学年に約1割います。また、教員を目指す生徒も多いことから、二つのプロジェクトを始めました」と説明する。4年制大学進学者の内訳を見ても、全体の約3分の1が、医療系と教育系の分野に進んでいるという。

 約10年前にスタートした医療系の「メディカルプロジェクト」では、野田市の医師会と連携して、医療人に必要な教養や人間性、コミュニケーション能力を育成しており、現在約70人が参加している。高1では現場で活躍する医師たちを招いて講演会を開き、医療人になるための心構えを学ぶ。高2では野田市内の病院でインターンシップを行い、その経験を全校生徒の前で発表する。高3では医療・看護系の大学への進学指導として、小論文や面接の実践的な指導を行う。プロジェクト開始以後、県立の看護学校への進学率が少しずつ伸びているという。

メディカルプロジェクトで、地元の病院のインターンシップに参加する
メディカルプロジェクトで、地元の病院のインターンシップに参加する

 小さい頃から看護師になることが夢だったという倉持杏有さん(高3)は、同校卒業生で看護師の姉に勧められ、3年間このプロジェクトに参加した。「医療従事者にしか体験できない命の尊さなど、たくさんのことを学びました。新型コロナなど未知のウイルスが発生したとき、医療従事者にできることは何かを考えつつ、看護師を目指していきたいと思っています」

 メディカルプロジェクト担当の大野涼子教諭は、「倉持さんは高1の時から看護師を希望していましたが、どんな場所で働き、何をしたいのかは漠然としていました。このプロジェクトを通して看護師の仕事を理解し、具体的に『こんな看護師になりたい』というイメージができてきたと感じます」と話す。「今後は、医療系の大学に進学した卒業生を招き、大学に関する生の声を聞ける機会も設けたいと考えています」

「地元の子を地元の教員として歓迎したい」

 3年前にスタートした教育系の「教員養成プロジェクト」には約30人が参加している。年間12回ほど野田市の公立小学校を訪れ、学習支援ボランティアを行うほか、夏休みには小学生向けの自習教室やサマースクールを開く。また、近隣の公立小・中・高校で教職に就いた卒業生や野田市の教育推進部の担当者を招いての講演会、教員採用試験対策講座を開いたりしている。

教員養成プロジェクトで、学習支援ボランティアのために小学校を訪れる
教員養成プロジェクトで、学習支援ボランティアのために小学校を訪れる

 このプロジェクトは、野田市教育委員会から「地元出身の子供たちを、地元の教員として歓迎したい」という要望があって実現したという。将来、地元の学校で教員になるという出口があるため、生徒たちも本気で取り組める。

 3年間このプロジェクトに参加した長坂有将君(高3)は、母校の小学校へ学習支援ボランティアに通った。「子供が好きだったこと、そして、お世話になった母校に少しでも貢献したいと思い、このプロジェクトに参加しました」と話す。「僕が小学生の頃と違い、今は海外の方もたくさんいて、みんな仲良く過ごしています。それを見て、国籍に関係なく受けられるのが教育だと感じました。算数の九九などを教えるのはとても大変でしたが、分かってくれた時はホッとしました。このプロジェクトで『教員になりたい』という思いが強まりました。教員になってこの学校に戻ってきたいと思っています」

 教員養成プロジェクト担当の山崎耀教諭は、「長坂君だけでなく、ほかの生徒からも『思った以上に教えるのは大変だった』という声を聞く一方で、『それでもやっぱり教員になりたい、そのために努力します』という声も聞かれ、うれしく思います」と話す。「小学校でのボランティアで、生徒の名前を覚えた子供たちが、『また来年も来てね』と声をかけてくれる様子を見て、地域との関係が密になってきたと感じています。これからは大学とも連携を深めていきたいですね」

 「進路として最終的に医療人や教員を選ばなかったとしても、生徒がそれぞれの道を目指してチャレンジできる場をつくることが重要」と池田教諭は語る。実際、プロジェクトに参加したうえで、他へ進路を変える生徒もいるという。「生徒がどの職業に就こうかと考えたとき、毎日学校で会う教員や、病院で接する医師・看護師は身近で仕事内容をイメージしやすく、希望する生徒も多いでしょう。しかし、自分が描いたイメージだけで医療系や教育系の大学に進むと、ミスマッチが起こることもあります。このプロジェクトを通じて、高校生のうちに自分の適性を見極めてほしいと考えています」

学校のある地域の歴史や文化を学ぶ

「入門野田学」で、地元・野田市の歴史や文化を学ぶ生徒たち
「入門野田学」で、地元・野田市の歴史や文化を学ぶ生徒たち

 両プロジェクトに加え、同校は今年度から地元・野田市について学ぶ教養講座「入門野田学」をスタートさせる。地域の博物館などと連携し、江戸時代には北関東の大都市だった関宿(せきやど)地区に焦点を当てて、年3回の講義と1回の現地視察を行う予定だ。この講座は生徒だけでなく、保護者も参加できる。

 担当の逆井芳男入試対策室長は講座開設について、「野田市は歴史の宝庫であり、神社仏閣や歴史的建造物など実際に見に行ける場所がたくさんあります。自分たちの学校のある地域の歴史や文化を学ぶことで教養が高まると同時に、自身の体験を発表することで表現力が育ち、大学入試にも役立つはずです」と語る。「また、大きなことを言えば、歴史家になるような生徒を育てられたらという理想もあります」

 逆井入試対策室長は「地元について学ぶことは、グローバル教育の側面もある」と考える。「グローバル社会では、日本人としてのアイデンティティーをどう確立するかが重要になります。自分の住む町や学校周辺の歴史を学ぶことは、その基本になると考えています」

 「入門野田学」には、30人弱の生徒が参加している。小沼来夢さん(高2)は、「私は生まれも育ちも野田市ですが、野田市の歴史について深く考えたことがなく、いい学びになるのではないかと思い、参加しました」と話す。「この辺りは田舎と見られがちですが、昔はすごく栄えていたと分かり、もっと歴史を知りたいと思いました。今後は見学ツアーにも行きたいです」と意欲を見せた。

 池田教諭は「これからも地域と連携したキャリア教育や教養講座を通して、生徒がそれぞれの居場所で目標を見つけ、活動できる機会をつくっていきたい」と抱負を語った。三つのプロジェクトが充実することによって、地域と学校の連携はますます深くなることだろう。

 (文・写真:籔智子 一部写真提供:西武台千葉中学校・高等学校)

 西武台千葉中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1639062 0 西武台千葉中学校・高等学校 2020/11/25 05:01:00 2020/11/25 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201119-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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