読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

【特集】好奇心・向上心に応える「英数Sコース」の幅広い学び…四天王寺

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 四天王寺高等学校・四天王寺中学校(大阪市)は今春、中学で新しいコース制をスタートさせた。それぞれに特徴ある4コースの中でも、「英数Sコース」は幅広い学びを実践する点に特徴があり、文系・理系の最難関国公立大学や海外大学への進学にも対応できる「高い学力の養成」と、「アウトプットの重視」「英語教育の充実」を三つの柱にしているという。同コースの具体的な教育内容とその狙い、中1の生徒たちの様子などを取材した。

「医志コース」に準じたカリキュラムで高い学力を育成

「生徒の好奇心や向上心をさらに伸ばしていきたい」と話す英数Sコース長の中村先生
「生徒の好奇心や向上心をさらに伸ばしていきたい」と話す英数Sコース長の中村先生

 同校は今年度、中学校のコース制をこれまでの「医志コース」「英数2コース」「英数1コース」「文化・スポーツコース」から、「医志コース」「英数Sコース」「英数コース」「文化・スポーツコース」に再編した。

 このうち、「英数Sコース」は、文系・理系を問わない最難関国公立大学や海外大学への進学も視野に入れた、幅広い学力の養成に対応するユニークなコースだ。コース名の「S」は、STEAM教育の頭文字から取ったもので、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アート、マスマティックスの要素を融合させた幅広い学びを行うという意味が込められている。

 英数Sコース長の中村賢治先生は、「女性が社会に進出してリーダーシップを発揮する未来を見据え、これまで本校で行われてきた高い学力を育成する教育に加え、主体性を身に付けた国際人を育てることを目指し、『英数Sコース』を設置しました」と、新コースの狙いを説明する。

 このコースのカリキュラムには三つの特徴があるという。「高い学力の養成」「アウトプットの重視」「英語教育の充実」がそれだ。最難関国公立大学や海外大学への進学に対応できるよう、ハイレベルの学習カリキュラムを用意し、アウトプットの力や表現力、国際教養といったプラスアルファの教育を充実させる狙いがある。

 主要教科のカリキュラムは中1から高1の終わりまで、医歯薬系大学への進学を目指す「医志コース」に準じたものとなる。「医志コース」は、国公立大学医学部や東京大学、京都大学に現役合格者を出すなど確かな実績を上げており、同コースで蓄積した学習のノウハウが「英数Sコース」でも生かされる。

 「進度が早く、多くの演習をこなして学力を積み上げていくのが授業の特徴ですが、解答パターンを丸暗記するだけの授業ではなく、なぜその解答が導き出されたのかまで答えられるように指導しています。定期テストでも、記述式の問題を多く取り入れています」と、中村先生は話す。「中1から深く考えて理解する学習を続けていけば、高校でその成果が花開きます。生徒自身も高校になると、そうした学習の大切さが実感できるようです」

 また、高1まではクラス編成を文理混合とするのも特徴だ。国語を中心に読解力を磨き、数学を通して論理的思考力を養う、その両方を重視しているからだという。中村先生は、「読解力はすべての教科の土台となる力です。文を間違いなく読んで理解し、伝えたい事柄を正しく発言・記述することができる力は学習に欠かせません。一方、数学を学ぶ理由の一つとして、物事を論理立てて考える力を養うことが挙げられます。読解力と論理的思考力は社会に出てからも力を発揮するもので、文系・理系、いずれを志望する生徒にも必要な力です」と、その意図を説明する。

アウトプットの力を磨くため「演劇教育」も計画

 高い学力の養成と並んで、アウトプットの力を磨くことも重要視される。知識をインプットするだけではなく、アウトプットの力を育成することにより、好奇心・向上心を育み、自分で考え、発信・行動できる人物を育成できるという。さまざまな授業内で、自分の考えを発表したり、互いにコミュニケーションしたりする機会を設けているほか、中2では、探究の時間を活用した「演劇教育」を計画している。外部講師の協力も得て、本格的な芝居を演じられるレベルにまで自己表現力の向上を目指していくという。

 「例えばプレゼンを行う際にも、ただ原稿を棒読みするよりも表情や言葉の抑揚に工夫すれば、受け手を引き込むことができるでしょう」と、中村先生は「演劇教育」の意義を指摘する。「さまざまな場面で活用できる表現力を、心の発達が成長途上にある中学生のうちに育てておきたい。思春期の生徒は表現することに恥ずかしさを感じがちですが、本校は女子校ですから異性の目を気にせず、演劇などのプログラムにも取り組みやすいのでは。表現力以外にも、コミュニケーション力、協調性などの力が育まれることを期待しています」

英語教育でもアウトプットの力を重視

ウィエ先生(左)と松田先生
ウィエ先生(左)と松田先生

 「英語教育の充実」という面でも、アウトプットの側面が重視されている。英語を担当する「英数Sコース」担任の松田由貴先生は、「授業では、教科書の内容を学んだ上で、生徒自身の事実に置き換えて発話する機会を設けるようにしています。言語は、自分自身のことや考えを表現してこそ定着するものだと考えているからです」と説明する。

 「英数Sコース」では週1回の英会話の授業があるほかに、終礼の時に、週3回10分ほど英語でコミュニケーションを取る時間を設けていて、週ごとに一つのトピックを設定して関連する 語彙(ごい) を学び、週の終わりには原稿やメモを見ずに自分の考えを前に出て伝え合う。なお、週に1日はネイティブの先生が終礼を受け持ち、連絡事項や注意事項も英語で行っている。

 英会話を担当するエドウィン・ウィエ先生は、「1学期は緊張している様子でしたが、今はポジティブに取り組んでくれています。今後、さらに生徒の興味を引き出し、できるだけ多くの英語に触れられる時間にしていきたいと考えています。生徒たちには、間違うことを怖がらず自分自身の意見を英語で伝えられるようになってほしいですね。また、母国であるアメリカの文化に関する話題を伝えていきたいです」と話した。

 中1の現在は日常的なトピックを扱っているが、段階的に、複雑な文章や抽象的な内容、生徒同士のディスカッションなど、高いレベルの話題に取り組む計画だ。

週3回、終礼時に行われている英会話のプログラム
週3回、終礼時に行われている英会話のプログラム

 また、授業のほかにも、幅広い国際教養を身に付けるために、学校内外の多彩な体験型学習プログラムを用意している。「英数Sコース」の設置に合わせて、より高度な語学研修として、イギリスの名門女子校であるチェルトナムでのイギリス語学研修も新たに企画した。

 松田先生は、「今夏の休暇中に行われた国内語学研修に参加したクラスの生徒の中には、『語彙力が足りないために思ったことを発言できなかった』と自身の実力不足を悔しがっている生徒がいました。そんな生徒は、2学期からの学習姿勢に変化が見られます。国内・海外研修を含め、そうした生徒が変化するきっかけをどんどん与えたいと思っています」と話す。

 「英数Sコース」の生徒について中村先生は、「幅広い学びが経験できるというコースの特性からか、コース1期生である今年度の中1生は、好奇心・向上心の旺盛な生徒が多くいます」と言う。約7割の生徒がクラブに所属しているだけでなく、生徒会選挙に立候補する生徒がいたり、参加自由の語学研修にクラスの約半分の生徒が参加したりしているそうだ。「学習面でも、定期テストで『医志コース』と同等の成績を上げています。こうした生徒の好奇心や向上心をさらに伸ばしていきたいと思っています」

 (文・写真:溝口葉子 一部写真提供:四天王寺高等学校・四天王寺中学校)

 四天王寺高等学校・四天王寺中学校について、さらに詳しく知りたい方は こちら

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2438218 0 四天王寺高等学校・四天王寺中学校 2021/10/18 05:01:00 2021/10/18 05:01:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211012-OYT8I50053-T.jpg?type=thumbnail

会員校一覧

東日本 共学校ページTOP

── 女子校ページTOP

西日本ページTOP

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)