「獅子児祭」54年の歴史で初の来場1万人超え…世田谷学園

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 世田谷学園中学校・高等学校(東京都世田谷区)は9月15、16日の両日、学園祭「獅子児祭(ししじさい)」を開催した。生徒主体で準備、運営されるこの学園祭は、生徒の主体性、協働性を育む大切な場となっているという。今年は生徒たちの運営の工夫もあって、初めて2日間で1万人を超える来場者らでにぎわった。秋の晴天に恵まれた15日、同校を訪ねた。

1年がかりで準備してきた成果を披露する場

オリジナルマスコットキャラクター「ざふまる」
オリジナルマスコットキャラクター「ざふまる」

 今年で54回目となる同校の学園祭「獅子児祭」が今秋、開催された。今回のテーマは「夢幻」だという。獅子児祭実行委員長の廣中龍馬君(高2)は、「来てくれたお客さまに笑顔で帰ってもらえる学園祭になるように準備しました」と話す。

 廣中君は、昨年まで体育祭の実行委員を務めていたが、獅子児祭実行委員をしている友達の活躍ぶりに触発され、今年は自分も、と立候補。さらに推薦を受けて実行委員長を引き受けたという。「獅子児祭は訪れる人の数も多く、年齢層も小さな子供からお年寄りまでと幅広いので、いっそう責任の重みを感じましたが、実行委員の仲間たちと楽しく準備を進めることができました」と話す。

 獅子児祭は引き継ぎを含めると、約1年をかけて準備するビッグイベントだ。それだけに実行委員たちの負担も小さくないが、副実行委員長の野村瞭君(高2)は「実行委員をやることで、新たな人と関わり、よい刺激を受けました」と話す。クラスや部活の友人とも異なる、実行委員会という新しいグループに加わり、長期間活動する中で学年の異なる知り合いも増え、充実した学校生活を過ごせたそうだ。

 同じく副実行委員長の榊本匠真君(高2)は、昨年は広報担当の実行委員だったが、今年は総務部門で運営に関わり、いくつかの新しい試みを推進した。

 まず、獅子児祭の特設ウェブサイトを生徒たちの手で初めて立ち上げたこと、また、仏教校にふさわしく、座禅で使う坐蒲(ざふ)をモチーフにしたオリジナルマスコットキャラクター「ざふまる」を制作したこと、さらに、行列して待ってくれる来場者のために開場を1時間繰り上げて午前9時オープンとしたことなどだ。開催時間が1時間延びたこともあってか、今年の来場者は、昨年度の7900人を大きく上回る1万人超えとなった。

 3人の実行委員に感想を聞くと、「大変なこともあったが楽しかった」と口をそろえていた。 

コミュニケーションを深め、主体性、協働性を学ぶ

中学1年生が製作したアートギャラリー作品
中学1年生が製作したアートギャラリー作品

 山本慈訓校長は、「学園祭や体育祭は生徒主体のイベントで、友人たちとのコミュニケーションを深めながら、主体性、協働性、リーダーシップなどを学ぶ機会です」と位置付ける。

 とはいえ、学校はすべてを任せ切ってしまうわけではなく、生徒が徐々に主体性や協働性に目覚め、創造性を発揮できるようにするための仕組みも提供している。その一つが、学年単位でテーマを定めた展示だ。

 中学1年生は、各クラスで「アートギャラリー」を開催した。教室の壁には、美術の授業で鑑賞した国内外の名画をちぎり絵で表現した作品が並ぶ。生徒たちはそれぞれ自分の担当部分を雑誌や新聞のチラシを細かくちぎった紙を貼って埋める。全員のパーツを貼り合わせる際に、隣の人のパーツと色味が違うところを微調整しながら組み合わせ、最後に大きな絵が完成するという。「誰か1人が欠けても、誰か1人だけが孤軍奮闘しても完成しない」と山本校長は話す。個人の力と全員の協調の賜物(たまもの)だ。

 中学2年生は、武道場で「コーラス・フェスティバル」を開催した。各クラスが課題曲と自由曲の2曲を歌う合唱コンクールだ。クラスで練習を重ね、合唱を仕上げていく喜びを感じるだけでなく、本番のコンクールで順位がつくことがよい刺激になるという。一生懸命に仕上げた歌を本番で歌い切った達成感は格別だろう。自分たちの歌に涙を流して聴き入っていた観客を見て深い感銘を覚える生徒も多いという。

 中学3年生はクラスごとに、演劇やダンスなどの身体表現を中心とした展示を行った。着想や表現方法も多彩で、ストーリー性を持たせた動画の上映や見ているだけで楽しくなる「モグラたたき」のパフォーマンスなど、自由に感性を発揮していた。

 高校生になると、さらにクラスの枠を離れ、有志による参加で連携を深めていくという。

部活ごとに興味を追求した企画に人気

多くの見学者がかたずをのんで見守ったセタゴラスイッチ 
多くの見学者がかたずをのんで見守ったセタゴラスイッチ 

 クラス以外に、生徒たちの主体性が発揮される場と言えば、やはり、それぞれが興味関心を追求していく部活動だろう。この日、来場した子供たちの人気を集めた部の展示をいくつか紹介しよう。

 物理部の教室では、NHKの番組「ピタゴラスイッチ」をアレンジした恒例の「セタゴラスイッチ」の展示に小学生たちが群がっていた。ホースでつながれた二つの容器がシーソーの左右に置かれ、小学生が片方の容器にコップで水を足すと、サイホンの原理でシーソーが傾く。そのはずみで三角定規が走り出したり、CDの円板が転がったりと、次々ユーモラスな運動が連鎖していく様子を、見学者たちはかたずをのんで見守っていた。

 化学部の教室では、銅板に亜鉛をコーティングしてバーナーであぶり、真ちゅうを作る「錬金術」、試薬を溶かした水の入ったビーカーを振ると、次々水の色が変化する「信号反応」、2種類の液体を混ぜ、一定時間が経過した後に液体の色が変わる「時計反応」など4種類の実験を見せ、子供たちを不思議がらせていた。

「イベントを乗り越えるごとに、生徒の人間的な成長を感じます」と話す山本校長
「イベントを乗り越えるごとに、生徒の人間的な成長を感じます」と話す山本校長

 また、鉄道研究同好会では二つの教室を使って鉄道模型を展示し、鉄道の運転シミュレーターの体験コーナーを設けた。特に、運転シミュレーターの体験コーナーは整理券が配られるほどの人気だった。

 校舎内の展示を一通り見て校庭に出ると、手作りの木製ジェットコースターを始め、それぞれに趣向を凝らした展示やパフォーマンス、体験型のアトラクションが次々と目に飛び込んできた。ステージでは女装した生徒によるミスコンテスト、そのすぐ脇では、軟式野球部によるバッティングセンター&ストラックアウト、テニスコートではサーブ打ち体験なども開催されていた。

 山本校長が「自分の興味を持ったことに精いっぱい打ち込める環境です」と話す通り、キャンパス全体に、男子校らしいエネルギーを全開させた文化祭だった。

 (文:山本華子 写真:中学受験サポート)

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916903 0 世田谷学園中学校・高等学校 2019/11/28 05:21:00 2019/11/28 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191125-OYT8I50024-T.jpg?type=thumbnail

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