【入試ルポ】すべての受験生がベスト尽くせるよう配慮…日本女子大附

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正門を通って入試会場に向かう受験生と保護者
正門を通って入試会場に向かう受験生と保護者
塾の先生からの激励を受ける受験生
塾の先生からの激励を受ける受験生

 東京都と神奈川県の中学入試がスタートした2月1日、川崎市多摩区の日本女子大学附属中学校でも第1回一般入試が行われ、約90人の募集枠に対して186人が出願、177人が受験した。当日の様子をリポートするとともに、同校が考える教育、入試について町妙子副校長に聞いた。

息弾ませて正門への坂を上る受験生たち

 日本女子大学附属中学校は、豊かな自然が残る多摩丘陵の一角にあり、最寄りの小田急線「読売ランド前駅」から学校正門までは緩やかな上り坂が続いている。午前7時過ぎ、受験生と保護者たちが軽く息を弾ませながら登っていく。目の前を足早に通り過ぎる受験生のカバンに付けられたお守りが揺れている。

やがて正門に着くと、その先の通路には両サイドに木々が植えられていて、アーチを作っていた。枝の下には、塾の旗などを手にした30人ほどの講師たちが列を作って教え子たちの到着を待っていた。教え子の姿が見えると駆け寄って握手し、「落ち着いて問題をよく読んで」「今まで積み重ねてきた力を発揮して、自信をもって挑んでください」などと励ましの言葉をかけていく。

 激励に駆け付けた「栄光ゼミナール」の先生は、「2020年の大学入試改革も影響してか、付属校人気は今年も継続しています」と話す。さらに「子供たちは遊びたい盛りの時間を割いて努力をしてきています。それだけに彼らの努力が実ることを祈っています」と、今年の入試の厳しさをうかがわせた。

 「早稲田アカデミー御茶ノ水校」の橘史紀先生は、「日本女子大附属の算数は見た目よりも問題が解きにくく、計算に手間取るものが多いという印象があります。生徒には時間配分に気を付けるように伝えました」と話した。

 校舎の生徒玄関で受験生は保護者と別れ、試験室に向かう。着席時間は午前8時。30分後に、試験が始まった。試験科目は国語(50分)、算数(50分)、理科(30分)、社会(30分)の4科目。11時55分の筆記試験終了後、受験生は試験会場で昼食を取り、午後の面接に備える。

 受験生たちと別れた保護者たちの大半は、校舎の左手にある控室となる食堂に向かい、試験終了までの時間を過ごす。食堂内の椅子やテーブルを使って本を読んだり、顔見知りと会話したりする姿が目立つ。金曜日ということもあってか持参したパソコンで作業をしている男性の姿もあったが、みな静かに我が子が持てる力を出し切ることを祈っているようだった。

生徒が案内や誘導にきびきびと活躍

試験後に貼りだされた国語の問題の写真を撮る保護者
試験後に貼りだされた国語の問題の写真を撮る保護者

 生徒玄関では早朝からボランティアの生徒たちが控え、試験会場に入る受験生と、控室の食堂へと向かう保護者を誘導していた。この日と2月3日の第2回入試のために、中学3年生全員が受け付けや案内を務める。朝早くから玄関に立ち、休憩時間にトイレに向かう受験生を誘導したり、午後の面接会場への案内や、面接を受けずに帰る受験生がいないかどうか出口でチェックしたりなど、細やかなサポートを行っていた。

 同校の町妙子副校長によると、きびきびとした働きぶりや思いやりのある接し方をする先輩たちの姿は、受験生たちにとって憧れの対象となる。自分たちも入学して上級生になったら入試の手伝いがしたい、と考える子も少なくないという。

 「受験生がいかに神経質になっているか、生徒たちも自身の経験から分かるはずですが、公平に、親切に、という心構えを改めて話してあります。私自身、この学校の卒業生ですが、今でも試験の問題を覚えているほど入試日というのは印象に残る一日ですから」

 同校では、体調を崩した受験生が試験を受けられるよう、また、他の受験生に感染させることのないよう、風邪などの症状に合わせて専用の部屋を用意した。体調不良の場合には、保健室で受験できるようにした。

 雪などの影響で交通機関のダイヤが乱れた場合に備え、テレホンサービスを用意するなど、およそ想定される事態への対応を準備していた。今年は首都圏ではインフルエンザが流行していたが、体調不良を訴えたり、遅刻したりする受験生は幸いにもいなかったという。

「書く力」を伸ばす教育を重視

「誰もがベストを尽くせるように配慮しています」と話す町妙子副校長
「誰もがベストを尽くせるように配慮しています」と話す町妙子副校長

 町副校長は同校の教育について「中学時代という最も多感で柔軟な時期に、書く力を伸ばすことに重点を置いた教育を行っています」と話す。入試問題についても、「国語はできるだけ共感して取り組める文章を選んで出題し、その他の教科も、ただ正解を選ぶだけでない、記述式の設問をしています」とし、「書く力」の重視を強調した。

 午後の面接でも一人当たり3~4分と短い時間の中で、受験生が自分について自分の言葉で話せるように、リラックスムードを心がけているそうだ。町副校長は、「面接を終えて退出する時は笑顔になっているようにしたいですね。誰もが自分の実力を出せるように、ベストを尽くせるように配慮しています」と語った。

 同校の合格切符を手にすることができれば、女子校らしい、のびのびとした6年間が待っている。一人でも多くの受験生が、自分の持っている実力を出し切り、希望する学校の門をくぐれることを期待する。

 (文:山口俊成 写真:中学受験サポート)

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523488 0 日本女子大学附属中学校・高等学校 2019/04/05 16:06:00 2019/04/05 16:06:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/04/20190405-OYT8I50021-T.jpg?type=thumbnail

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