【入試ルポ】18.5倍の難関、全国7都市で特別給費生入試…海陽学園

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 海陽中等教育学校(愛知県蒲郡市)の2019年度募集の特別給費生入試が2018年12月15日、全国7都市の会場で行われた。出願者数は計約370人、合格倍率は約18.5倍の難関だ。東京では新宿区の「TKP市ヶ谷カンファレンスセンター」会議室を会場として実施され、約160人が一足早く中学受験に挑んだ。当日の様子と学園事務長の柴田哲彦さんに入試の特色について聞いた。

外濠を渡って受験生が会場へ次々到着

受験会場に続々と向かう受験生と保護者たち。塾の先生たちの激励が絶えず聞こえた
受験会場に続々と向かう受験生と保護者たち。塾の先生たちの激励が絶えず聞こえた

 この日の試験会場は新宿区市谷八幡町の貸会議室施設「TKP市ヶ谷カンファレンスセンター」の一室だ。JR市ヶ谷駅を出て徒歩1分、外濠(そとぼり)にかかる市ヶ谷橋を渡るとすぐ左手目の前にビルが飛び込んでくる。

 試験開始2時間前の朝7時30分には、さまざまな学習塾の先生たちが、すでにビルの玄関前に集結していた。目印となる横断幕や旗を掲げ、駅方面を見つめながら教え子の到着をじっと待っている。一番乗りの受験生が姿を現したのは朝8時前。すぐに続々と橋を渡って受験生の男の子たちが向かってくる。「落ち着いて」「頑張ってね」「力を出し切れよ」と、先生たちの熱いエールが飛び交う。先生が呼びかけてもうつ向いたままの子もいれば、たった今励ましてくれた先生にもう一度握手を求めに戻ってくる子もいる。みんな緊張しているのだ。

 保護者たちは試験会場の部屋に子供が着席したのを確認すると、試験会場の隣に設けられた控室へと向かった。収容数300人の大きな会議室だが、試験開始時間の午前9時半前には満席になり、座れなかった保護者が後方と両側の通路に列を作っていた。

 試験科目は4科目(国語、算数、理科、社会)と3科目(国語、算数、理科)のどちらかを選択する。試験終了は3科目受験で13時5分、4科目受験で14時。保護者は子供たちが実力を発揮できることを祈りながら終了までじっと待っていた。

世界に通用する人材の育成に企業が期待

受験生の大半が午前9時10分の着席時間より早めに自分の席に座り、試験に備えていた
受験生の大半が午前9時10分の着席時間より早めに自分の席に座り、試験に備えていた

 この入試は同校が、学力、人物ともに優れた生徒に対して在学中の学納金を一部免除し、学業の奨励を図ることを目的に実施している。同校は全寮制を取る中高一貫の男子校であり、合格者は在学中の授業料や寮費、食事代等が免除される。試験会場は仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇の7か所。募集人員は約20人。出願者数は約370人で、合格倍率は約18.5倍の難関だ。

 海陽学園は「将来の日本を牽引(けんいん)する、明るく希望に満ちた人材の育成」を教育理念とし、企業から大きな支援を得ているのが特徴だ。理事会にはトヨタ自動車、デンソー、JR東海、中部電力など地元有力企業をはじめ、パナソニック、三菱電機ほか大企業の関係者が理事・評議員として名を連ねる。協力企業から派遣された若手社員が、生徒と寮生活を共にし、学園生活の悩みを聞いたり、社会人としてのロールモデルを務めたりもしている。

 学園の柴田哲彦事務長は「『世界で通用する心身タフなリーダーを育ててほしい』と各企業から大きな期待を受けています。生徒には全寮制での濃密な6年間を通して学習面と人間性の両面を高め、スケールの大きな人へと成長してほしいです」と語った。

早い入試だけにメンタルの調整がカギ

 今回の特別給費生入試について、受験生を指導する側として学習塾ではどう位置付け、指導しているのか。試験の応援に駆けつけた先生たちに聞いた。

 都内と神奈川県を拠点とする「エルカミノ」(本校・東京都豊島区)の運営本部長・清水貢士さんは、「この試験は、試験日がピーク時より約1か月早いので、他の受験生ののんびりした雰囲気にのまれないことが肝心です。メンタルの向け方がカギを握っています」と語った。

 関西圏と都内に教室を展開する「(のぞみ)学園」(本部・大阪市)の教務部長・奥田亮則さんは、「開成や灘と併願する受験者が多いですが、この入試は考える問題が多くて別格です。時間内に解答し、普段通りの気持ちで臨むように言い聞かせました」と話す。

 首都圏に広く教室を展開する大手塾「四谷大塚」は、全校舎で計約40人が受験する予定だという。お茶の水校舎の成瀬勇一校舎長は、「この入試は受験生にとって、受験勉強をいったん見直す良い機会ですし、この入試をきっかけとして、一気に士気が高まります」と話した。

 この入試の合格発表は12月17日に行われ、合格者たちは中学生活への希望に胸を膨らませた。一方、難関を突破できなかった子供たちは1,2月にピークを迎える入試戦線に突入することになる。心のギアの切り替えを済ませ、合格へと一気に集中力を高めていくことだろう。

 (文・写真:三井綾子)

 海陽中等教育学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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787097 0 海陽中等教育学校 2018/12/22 05:20:00 2018/12/22 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190910-OYT8I50001-T.jpg?type=thumbnail

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