【入試ルポ】関西圏で解禁 第1志望目指してダッシュ…京都女子

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 関西2府4県の私立中学入試が1月18日、解禁された。京都女子中学校・高等学校(京都市)でもこの日、志願倍率約1.4倍となったA入試(3教科・4教科)に加え、新入試方式の「キュリアス入試」が初めて実施された。その手応えを入試対策室室長の齊藤吉信教諭に聞くとともに、試験前の風景をリポートする。

出迎えた塾講師が受験生の目を見て優しく激励

次々と校門から入っていく受験生と保護者たち
次々と校門から入っていく受験生と保護者たち

 午前7時半の開門予定時間前に学校に到着すると、すでに校門近くには開門を待つ受験生と保護者が待っていた。やはり京都の朝は底冷えがする。学校の配慮で予定時刻の7時30分より2分ほど早く門が開かれたので、受験生たちと一緒に校内へ入った。

 校門の先には、塾の名前が入ったのぼりが見える。塾の講師たちがおそろいの防寒ジャンパーを着て1列に並び、塾生を見つけては激励の言葉をかける。講師と塾生が声を上げてハイタッチするような、威勢のいい男子校の風景と異なり、講師たちは塾生一人一人の目を見て優しく声をかけていく。

 校舎正面のピロティには、「受験生入口」と大きく記された扉があった。保護者が同行できるのはここまでだ。扉が開くのは午前8時。それまでは試験会場のある教室とは別の棟にある食堂で待つことができる。試験中は、保護者の控え室としても開放される。

 食堂に入ると中は暖房が利いていて、ほっとした。10分もするとほぼ満席になり、受験生たちは、保護者に見守られながら、ノートを見直して最後の確認をしたり、静かに心を落ち着けたりして開場を待っていた。

「受験生に勇気を渡したい」と案内役の中2生

受験生の案内役を務める中学2年生の有志たち
受験生の案内役を務める中学2年生の有志たち

 試験会場への扉が開く8時少し前、「受験生入口」前のピロティには、案内役の中学2年生有志が13人集合していた。この日の入試がスムーズに行われるように、会場案内図を配布したり、校内の各所で待機して受験生が迷わないように見守ったりするのが役目だ。

 案内役に立候補した高畑美果さんは「私は京都女子中学が第1志望で、2年前の入試の朝、絶対合格したいと思ってずいぶん緊張していました。そのとき、中学生のお姉さんに優しく案内してもらい、気持ちが落ち着きました。勇気をもらった気もしました。今度は私が勇気を渡す番。今朝は、合格してほしいという思いとともに、受験生に試験会場図を渡しています」と話した。

 解禁日初日の午前中は多くの中学校が試験を実施することから、第1志望の学校を受験するケースが多い。この日の午前中に行われた京都女子中学のA入試の志願倍率は約1.4倍。第1志望をかけた厳しい戦いだ。

開場時間となり、試験会場の教室に向かう受験生
開場時間となり、試験会場の教室に向かう受験生

 やがて校内放送が入り、試験室の開場が案内されると、食堂で待っていた受験生や、時間に合わせて来た受験生が、続々と試験場の教室へと入っていった。保護者たちの多くは手を振って応援し、子供の姿が見えなくなるまで見送っていた。

 我が子を試験会場に送り出した保護者2人に話を聞いた。1人の保護者は「学校説明会で、『ありがとう、ごめんなさい、と言えることを大切にしている』と先生から聞き、学習指導だけでなく、娘を安心して預けられる学校だと感じました」と志望動機を話した。もう1人は「可愛(かわい)い制服に娘が一目ぼれしたので、どんな学校か見学を申し込んだところ、希望日に案内していただけました。柔軟な対応と先生のお話から受験を決め、娘とともに合格を目指してきました」と思いを話した。

「キュリアス入試」への高い関心に手応え

憧れの京女生を目指し、試験開始を待つ受験生
憧れの京女生を目指し、試験開始を待つ受験生

 この日は、国語・算数・理科の3教科ないし、社会を加えた4教科で選考するA入試のほかに、初めての「キュリアス入試」も行われた。好奇心が強いという意味の英語「curious」から命名したこの入試では、A入試と同じ算数の試験のほかに、理科の先生から自然科学分野の講義を聞いて、受験生自身が実験を行い、「課題レポート」を作成する「講義理解力試験」が行われる。

 入試対策室室長の齊藤吉信教諭は「キュリアス入試は、好奇心を持って主体的に学ぶ姿勢を重視した本校独自の選考です。この入試への保護者の皆さんの関心の高まりに驚き、本校の教育への共感に自信を持ちました。ただ、原則的に本校のオープン模試を受けていることが受験資格の一つであるため、受験生の中には、気付いた時には模試が終わっていて残念という声も聞かれました。今後の課題として受け止めています」と語った。

 同校の「キュリアス入試」からは、好奇心の強い積極性のある受験生に挑戦してほしいという学校からの強いメッセージがうかがえる。同校だけでなく関西では近年、従来から実施されてきた3教科・4教科の試験だけでなく、新しいタイプの入試が続々と登場している。それぞれの学校が発信しているメッセージは学校選びの新しい指標になるだろう。

 (文・写真:水崎真智子 写真提供:京都女子中学校・高等学校)

 京都女子中学校・高等学校について、さらに詳しく知りたい方はこちら

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1014988 0 京都女子中学校・高等学校 2020/01/24 05:21:00 2020/01/24 05:21:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/01/20200122-OYT8I50082-T.jpg?type=thumbnail

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